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【国際結婚】人間失格の英語タイトルと楽しみ方

あるきっかけで、私が20代の時にアメリカの紀伊國屋で買った文庫版「人間失格」が手元に戻ってきました。

日本語版のポップさと英語版のシリアスさのコントラスト

当時アメリカで初めて読んで、衝撃を受けた作品です。最後に読んだのは15年くらい前だったでしょうか。この機会に、また読み直してみたら、あの時と同じくらいの衝撃で、初めて読んだ時と同じことを思いました。

この人、私のこと知ってるんじゃないか。。

この作品を読むと、多数の人が「これは自分のことだ」と思うらしいですが、if so, それならなぜ、私はこの世の中のたくさんの人と、心から分かり合えないのでしょう?とよぎりますが、あなたはこの作品好きですか?主人公(おそらく太宰本人)と共通点は多い方でしょうか?

私が再度読んだことで、夫(アメリカ人)も自分の英語バージョンを出してきて、読み直しています。英語では”No longer human”という、背中に寒気が走るような衝撃的なタイトルです。直訳しようとすると、disqualified (as a )human みたいなことが思い浮かびますが、作品を今回読み直してから考えると、やはりこれはno longer humanで正しいのだと感じました。

彼が読んでいる途中で、「ここがいい」「この文章が美しい」という箇所を、私も日本語で探して読んでみると、英語だからこそ美しい部分があったり、日本語そのものがそもそも深い表現であるところがあったりして、楽しいです。

国際結婚をしていると、同じことを同じテンションや背景理解で楽しむことは難しくなったりします。普段お互いの共通言語で話していても、やはりどちらかが理解に欠けると、そうなることは珍しくないのです。

我が家の場合も、同じ本なら一冊分のお金で、同じ言語表現で楽しめるものを、こうやって二冊分のお金と本棚のスペースを取りながらようやく楽しむものです。で同時に、国際結婚をしているから、こういう日本人同士ではあまりないやり取りや、本を比較する楽しみ方もある。同じ本を違う言語でありながら、同じタイミングで読めるというのも、楽しいことなような気がします。

このタイミングで、また太宰治と人間失格という作品に再会して、彼の苦悩と生きる不器用さが自分と重なって、心がカサカサするほどにイタタタとなりながら読む。夫は、この小説にとてもインスパイアされて、自分なりのアイディアや色んなことが出てきたようで、ご機嫌になっていました。

出口がない、陰鬱の極みでしかない小説なのに、時代を超えて、こうやってアメリカ人をインスパイアしてみたり、私のカサカサした心に寄り添ってもらえる存在になるとは、一体どういうことなんだろうと思います。元気を出して!と言ってくれるような本じゃない。そこを狙ってるわけじゃないのに。人間の心は不思議なものです。

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🌞Natsumi
<英会話講師/英語ライフスタイル案内人>
・州立大学コミュニケーション学科卒
・国際結婚、日本在住
・海辺のくらし
・ジャーナル、ウェルネス

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