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2024年1月3週目の日記
2024/01/14
昨日卒業検定に落ちたことに驚くほど落ち込んでいる。そういえば車の時も仮免で落ちたような気がする。免許取得は苦手なのかもしれない。
社会人歴ざっくり15年、今の仕事を始めて約10年、フリーランスになって8年目にもなると、仕事でできないことはあまりなく、細かいミスはあれど落ち込むほどの失敗はほとんどない。
生活においても時間とお金に余裕があるから、しくじっても致命的なことにはならないわけで、そう考えれば今のわたしにはうまくいかないことへの耐性がないのかもしれない。良い機会だと思おうと試みるも、やはり心は晴れない。明け方もまどろみながら卒業検定のことを考えてしまう。
今日は補講。「二輪車乗ったことない中で練習して上手になってる」「課題だと思って緊張しすぎてるけど、リラックスすれば大丈夫」「自信を持って頑張ってください」など、最後に優しくされてうっかり泣きそうになってしまった。
思い返せば、社会人になって報連相がうまくできなかったときも、編集部に異動して企画や構成が作れなかったときも、泣きながら仕事をしていた。経験を重ねて上手にできないことへの耐性がなくなったのではなく、元々なかったのかもしれない。
夜にはなんだかな〜という感じの連絡が突然来て、踏んだり蹴ったりな週末。原稿も変に手こずったし、いろいろなことがうまくいかない。
2024/01/15
なんだかな〜の影響でほとんど眠れなかった。食欲もなく、賞味期限切れのインゼリーを摂取し、昼にどうにかおかゆを食べる。
取材で同じくフリーランスの先輩女性とご一緒する。お互いに今の仕事を始めてそれなりにたち、安定しているがゆえに刺激がないという話で盛り上がる。昇進昇格や部署異動がないフリーランスは、自らジョブローテーションを回さねばならない。今の仕事への飽きはないが、このままでは人生に飽きてしまう。
夜はフリーランスになった当初からお世話になっている会社の代表お二人とお食事。オフィスに行ったら新卒で入った会社で一緒だった方がいて、「雰囲気が落ち着いたね〜」と言われたが、当時のわたしは23歳で、現在は37歳。落ち着くというか、加齢。
おいしいお寿司をご馳走になり、今日初めてきちんと食べた。わたしが辛気臭くてお二人には申し訳なかったけれど、わたしは今日この予定があって本当に良かった。今年も周りの皆さんを大切に生きていきたい。
2024/01/16
ぐっすり寝た。来週から沖縄に行くのだが、昨日のお食事会でおすすめのゲストハウスをご紹介いただき予定が決まったことで簡単に気持ちは晴れた。つくづくよく食べ、よく眠るのは基本だと実感する。
パーソナルトレーニングで「アッシュ系のカラーをしているお客さんから、メンテナンスのための美容院代が1カ月半に3万7000円かかると聞いてびっくりした」という話を聞く。そんなに高いのか。
わたしは髪を染めたことがなく、あまりにすぐ取れることから20代でパーマを諦めた。今は髪が短いから美容院に1〜2カ月に一度は行くけど、長い時は年2回くらいしか行かなかった。しかもカットのみなので1回あたり5000〜7000円程度。こう考えると美容院代において、わたしはものすごく安上がり。
2024/01/17
二輪の卒業検定にリベンジ。順調にクリアしていったが、最後の一本橋で落ちてしまって一発アウト。「落ちなければ合格でした」とのこと。一本橋から落ちる時はいつも左側なのだが、体の歪みが影響しているのだろうか。
教習所に通ってみて思ったが、二輪車は結構怖い。選べるなら車がいいし、二輪車でスピードを出したい、長距離移動をしたいという欲もないので、それなら原付で十分。原付は普通自動車免許で乗れるので、小型二輪車の免許を取る必要はない。
免許を取るのは止めにしようか、と考える。二輪車に乗ってみたいという憧れは実際に載ったことで収まり、二輪車の乗り方を学ぶという目的も果たしたので、これ以上はもういい。「小型二輪車に乗れる」状態を手にしたとしても、多分乗ることはない。今後私の移動手段は自動車か原付でいい。
と書きながら、やや自暴自棄になっている気もしてきた。どうせまたしばらく東京を離れるので、最終的な結論は先延ばしにする。再受験を繰り返すのもそれはそれで面白いかもしれないし、2月になったらまた考えよう。なんせ去年末あたりから人生の歯車が上手く回っていない。今は耐える時。
スタバで仕事をするわたしの目の前の席で高校生カップルがベタベタにいちゃついていた。腕を絡め顔と顔の距離はめちゃくちゃ近いが、キスはしないという絶妙な距離感。今しかできないことを存分に堪能したまえ……と寛大な気持ちでチラ見する。完全に二人の世界で、見事に周りが見えていなくて、少し笑ってしまった。この年頃に戻りたいとは思わない。
夜は新卒同期と飲む。集合時間に誰も来ず、30分一人本を読んで気まずい時間をまぎらわす。
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2人とも本当にいいやつで、めちゃくちゃ好きだなとしみじみ思う。話していて元気が出るし、気づけば自然とお互いを褒め合っている。
一人は転職前夜に階段で転んで骨を折り、もう一人は裸眼で入ったサウナでドアとの目測を誤り突き指をしていた。この先も長く仲良くいたいので、どうにか健康で長生きしてほしい。
2024/01/18
美容院へ行く。ここ数年お世話になっている美容師さんに人生の歯車がうまく回っていない時にどうするか聞いたら「見た目を大きく変える」と言っていて、なるほどと思い前髪を少し短くしてもらった。洋服屋に立ち寄り、普段だったら手に取らないワンピースも買った。
書店で本を選んでいたら、悩める女性に向けたであろう棚にお友達の本が並んでいた。写真を撮って連絡したら「あなたのnoteのせいでバスタオルでお股を拭けなくなった」とクレームをいただく。すまん。
実益ではなく、自分の心を満たすための本を買おうと思い、小説を物色する。平場には井伏鱒二の「山椒魚」が並んでいて、さっき美容師さんから「中学生ぶりに山椒魚を読んだら面白かった」と聞いたばかりだったので購入。
スナフキンのことを詳しく知れる本が欲しかったけど、残念ながらそんな本はなかったので、ピンときた本を3冊選び、帰宅。
2024/01/19
2泊3日で和歌山の南紀白浜へ。わたしのことを産まれたその日から知っているパパ的な人のおうちに、母と妹と遊びに行く。
空港で「富士山がきれいに見える」と妹が窓の外を指差すも、わたしは全く気付けない。しばらく眺めてようやく富士山を認知できた。わたしは目が悪く、富士山への意識が低い。
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急ぎの仕事はないので安心していたら予想外の事態が起きてしまった。やはり人生の回転が悪い。
空港まで迎えに来てくれたパパ的な人は短パンを履いていた。たしかにコートなしでいける気候だけど、それにしても短パン。
おうちに着くなりパパ的な人は昼ごはんを作ってくださった。4人で3合分のおにぎりを食べ、鶏そばを食べ、おなかパンパン。
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周辺を散歩する。高台にある住宅地で、比較的新しいきれいなお家が並ぶ。最近は海沿いに住んでいた富裕層が津波を恐れ、この辺りに転居する動きがあるそうな。
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適当に歩いて階段を降りた先にトロッコを見つけた。小学生が5人ほど降りてきて、なるほど高台にあるから坂道を楽に行き来するためにこういうものが設置されているのだなと、しげしげ眺めていたら視線を感じ、振り向いたら小学生からガン見されていた。見知らぬ女が不審な行動をしているのだから、そりゃあ怪しむ。
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方向音痴な鳩同士で交尾して生まれた鳩もまた方向音痴になるという話を受け、「え、鳩って交尾するの?」と母が言い出し戸惑う。急におぼこい。
早々温泉に行き、昼ごはんの3時間後には夕飯。温泉近くのテトラポットに登るなどしてみたものの、お腹は全然空かない。
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パパ的な人はお料理上手で、2階に山積みになっていた「dancyu」を読んだりぼーっとしたり料理の様子を眺めていたりするうちに着々とテーブルが賑やかになっていく。
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1997年に父がパパ的な人にプレゼントしたらしい赤ワインを開けていただく。紹興酒みたいな味だったが、しばらく放っておいたら芳醇なワインに様変わり。
放っておいた間に飲んだ赤ワインは華やかな若い女という雰囲気だったが、1997年の方は打って変わって包容力あるベテラン女性という感じ。どちらもおいしいワインだったけど、前者は1杯で大満足な味わいで、後者は長く飲めるおいしさ。
ものすごく大きい牛肉を備長炭で焼いてくださり、クリームドスピナッチにマッシュポテトと付け合わせもたくさん。
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塩風呂に入れ!と勧められるがままに再び湯船に浸かる。妹と二人で入り、アンミカさん口調でポジティブな雰囲気の話をべらべらして、デザートに買ってもらった八朔を食べて就寝。
昼は定食屋、夜はステーキハウスなパパ的な人のごはんであった。
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2024/01/20
朝ごはんだと起こされ、起床即朝食。ごはんとたくさんのごはんのお供がずらり。
パパ的な人が知り合いの不思議な力があるおじいさんを呼んでくれて、見てもらったらわたしの右肩には何かがいたらしい。最初は押されて痛かった右肩が終わる頃には痛くなくて、はらってもらった何かは「しょんべんみたいなもんやわ」とのこと。
おじいさんいわく、わたしはもらいやすい体質らしい。来週から沖縄に行くといったら「ひめゆりの塔とか、ああいう場所には行かない方がいい」とアドバイスをいただく。今回行くつもりでいたけど、人生の歯車が合っていないやや不調なタイミングでもあるので素直に従うことにする。
おじいさんは気を込めた塩もくださった。おじいさんに不思議な力があるのか、それがどういうものなのか、本当のところはわたしにはわからないけど、わたしのことを心配してくださるその気持ちだけで十分ありがたい。
それに、わたしから見えている世界だけが全てではないのだろうとは常々思っている。おじいさんのお話は幽遊白書と通じるものがあり、面白かった。
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午後はとれとれ市場やら梅干屋やら産直やら連れ回していただき、お買い物。紅八朔と八朔柑の2種類の八朔を買い、食べ比べる。紅八朔の方がやや甘味が強めで、八朔柑の方がすっぱめ。
おやつにハムきゅうりサンドを食べ、夜は昨夜の残りの肉を使った焼き飯と串カツ、ブイヤベース、輪っかになったパスタをいただき、はち切れんばかり。
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朝は旅館、昼は立ち食いうどん、夜はイタリアンなパパ的な人のごはんであった。
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2024/01/21
今朝もまた起床即朝食。そうめんとしらすオムレツと昨日の焼き飯再び。カレーパンと食パンも並び、ブュッフェ並みの炭水化物の品揃え。当然お腹はパンパン。
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熊野の本宮へドライブ。2022年10月ぶり、2度目の熊野。こんなすぐ再訪するとは思わなかった。ずっと曇りで途中雨も降ったが、本宮の手前で雨は上がり山を背景に虹も出て、幸先の良い感じ。
スマホも財布も忘れたので妹にお賽銭をたかる。参拝の仕方として、これは合っているのだろうか。
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前回熊野から車であちこち出かけたので、道に見覚えがあるのがうれしい。山が奥の方まで連なり、川は広く、どこに行くにも遠い。
ラーメンを食べ、みんなでグリーンソフトを食べ、もちまぐろと干物を買い、パパ的な人が将来入居を狙っている老人ホームと、パパ的な人が20年欲しいと思い続けているおしゃれでコンパクトな宿泊所の物件を見て、帰宅。
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帰宅早々、もちまぐろでお寿司を作っていただく。カウンターに母と妹と並び、日本酒を飲み、出された寿司を食べ、おいしいという感想に「うまいに決まってんだろ!」というお決まりの返答があり、あっという間に帰る時間。
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母と妹と南紀白浜空港で解散し、わたしは白浜駅へ。今日のうちに和歌山駅まで行って、明日関空から沖縄へ行く。
アドベンチャーワールドの玄関口である白浜駅にはたくさんのパンダ。
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パパ的な人がお弁当を持たせてくれたので車中で食べようと思ったら、まだほんのり温かくて、手に持つなり泣けてきた。人に作ってもらったお弁当なんて何年振りだろうか。いろいろな人たちに良くしてもらって大きくなり、今でも大事にしてもらっているんだな……などと考えていたら本格的に泣けてきたので、弁当は断念。電車で泣きながら弁当を食べる女、周りからいらぬ心配をされてしまう。
朝はそうめん屋、夜は寿司屋&仕出し弁当屋なパパ的な人のごはんであった。