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沖縄で仲良くなった人と初めて飲む
朝起きて、一瞬自分がどこにいるのかわからなくなった。まだ酒が残っていて頭はぐるぐるしている。
沖縄育ちの宿の方はクジラを見たことがないらしい。那覇発のホエールウォッチングは遠くからしかクジラが見られないことが多く、かといって離島はそれなりに交通費がかかり、そもそも船が苦手。ゆえに「総額を考えたら、数千円プラスして東京行きたい」だそう。フェリー、県民割があっても良さそうなのに。
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そういえば昨日のバーで文章を書き綴ったなと思い、メモ帳を確認したら8ページに渡って汚い文字がぎっしり。書き殴るという言葉がしっくりくる字ではあるものの、内容はしっかりしていて、自分で書いておきながら感心してしまった。
二日酔いというほどではないが頭は冴えず、最低限の仕事をこなして国際通りのあたりをぶらぶらして、カフェに入る。置いてあった西加奈子のエッセイが面白かった。東京に戻ったら買う。
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夜は昨年沖縄で知り合った当日にパイナップルパークへ一緒に行った方とコザで飲み、そのままおうちに泊めていただく。
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2軒目のおでん屋さんは沖縄がアメリカ支配下にあった頃にできたお店で、おばあちゃん2人が営んでいる。
泡盛の水割りを2つ頼み、その後別のお客さんが泡盛のロックを頼んだところ、おばあちゃんは2つのグラスに泡盛を注ぎ、ボトルを水に持ち変え、3つのグラスを水で満たした。結果、泡盛の水割り2つとお冷1つが完成し、わたしのところに来たのはお冷。「これ、水しか入ってないと思います」と伝えると、「ちゃんとやれ!」ともう一人のおばあちゃんから喝が飛んできた。
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お友達はクリスチャンで、牧師になるための勉強をしている。日本は「宣教師の墓場」と言われていて、とにかく布教が難しい国だと教わる。彼女いわく「未開の土地にキリスト教を広めてあげようというアメリカの帝国主義的なスタンスが日本に全く合っていない」とのこと。アメリカの上から目線な布教の仕方に憤りと悔しさを感じていた。
最初に会った時、「あらゆる物事の指針は聖書であり、迷ったら聖書に立ち返る」という判断軸で生きていると聞いた。あれから1年がたち、最近は教会や教徒の間にある「なんとなくこういうものである」という暗黙の了解を「これ聖書に書いてなくない?」「ジャッジするのは神であり人間じゃなくない?」という考え方のもと疑い、合わせるのをやめたそう。
失礼な偏見だが、特定の宗教を熱心に信仰している人について、規範があるがゆえに視野が狭かったり思考停止していたりすることが多い印象を持っていた。彼女はそんなイメージとは全く違い、真剣に神や聖書と向き合い、あらゆることに対し「自分はどう考えるのか」を考え続けている。
話していて、彼女の神はすごく高いところにいて、その神を一心に見つめているから近視眼的なことにとらわれず、広い範囲の物事が見えているようなイメージを持った。彼女は「生きる」ということについて多分たくさん考えている人。
家に帰ると、お味噌汁を出してくれた。二日酔い防止に作っておいてくれたそう。
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そして、まさかの今日が彼女のお誕生日だと12時を回る30分ほど前に聞く。そんな日にわたしと飲みに行く予定でよかったのだろうかと思ったけど、たくさん話せたことを喜んでくれていて安心した。わたしもとても楽しかった。