「子どもには好きなことをさせてあげよう」問題
「子どもには好きなことをさせてあげよう」
という言葉を聞きます。
たしかに、
「子どもには好きなことをさせてあげたい」と親としては思います。
でも一方で、親として子どもに経験させてあげたいことがあったり、子どもは嫌がっているけど何だかんだ基礎学力的な勉強も大事だよねとも思います。
好きなことをさせてあげたい ⇔ やらなければいけないこともある
という葛藤に苦しむ感じでしょうか。
勝手に「子どもには好きなことをさせてあげよう」問題と名づけてみました。
いま運営している母親アップデートコミュニティ(HUC)の4周年を企画したイベントを実施しています。
その1つである「井本先生と語る学校行き渋りと不登校」のイベントで、この問題についての話が出たので、気づきを書いてみたいと思います。
ちなみに井本先生(井本陽久先生)は、NHKの「プロフェッショナルの流儀」でも特集されたカリスマと呼ばれる先生です。
いろいろと私の中での思いこみが溶けていく感じがあって、おもしろかったですー。
「好きなことをしていい」って最高と思ってたけど・・・
井本先生は、「子どもには好きなことをさせてあげよう」と言うけれど、問題があるんだよね、とお話されていました。
優しい先生が、「何でも子どもの好きなようにさせてあげよう」と思うと、主張の強い子や声の大きい子がどんどん台頭してくる。強い子は好きなことをできるので、さらに強くなるけど、その分主張の弱い子は、場の空気に合わせるようになる。自分に矛先が来ないように、強い子に合わせてしまうとか。
子どもたちの好きなことができるというよりは、強い子のやりたい放題の状況になってしまう。
先生は収拾つかなくなり、学級崩壊に陥ってしまったり。
たしかに、「子どもに好きなことをさせてあげよう」というのは聞こえは良いのですが、それによる弊害があることが想像できました。
ハウツーは無い。子どもをそのまま見る。
じゃあ、どうすればいいんだろう?
という話なのですが、井本先生からは、衝撃の一言が。
なるほど。これだけ子育て、教育に悩みを抱えている人が多いというのは、安直なハウツーは無いってこと・・・
じゃあ、どうすればいいんだろう? と二度目の疑問が。
井本先生からは、ヒントをいただきました。
いくつかエピソードをお話いただいたのですが、印象的だったのがありました。
井本先生が主宰されている学びの教室に、あるお子さんが親に連れられて来た時のこと。「なんて、めんどくさいんだろう」という顔をして、その事を明らかに口にしていたとか。
たしかに自分に置き換えてみたら、親に学びの場に連れて行かれて「めんどくさいなー」と思うだろうなと。
めんどくさい感じで、数学の問題に向き合っていて、10分以上もひとつの問題にずっと向き合っていたそうです。消しゴムのカスもいっぱい出ていたとか。
その様子を、井本先生は見ていて、「消しゴムのカスがこんなに出てるじゃん。10分も考えていたんだね。」と声をかけたそうです。
結果的に、その教室でその子がいちばん最後まで問題に向き合っていたとのこと。
すごい・・・
焚き火を囲もう
このエピソードを聞いていて、「私は、そんなことできるんだろうか・・・」と思いました。
子どものありのままを見る。
それだけでいい。
でも、それが一番難しい・・・
なんで難しいのかというと、世間の常識があったり、自分のなかの思いこみがあったり、何より現代人は忙しすぎる。
時の流れが速すぎて、なんだか取り残されないように常に焦ってしまうというか。「ゆっくりじっくり、子どもを見る」が、なかなかできないんですよね。
なので、たまには焚き火を囲みながら、ゆっくりじっくり時間を楽しんでみる。ハウツーやノウハウを手に入れるのではなく、ただただ時の流れを楽しむみたいな。
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