寄付は共感から始まらなくていい
寄付って、どれくらい馴染みがありますか?
私は、ここ数年で人生初めて寄付が身近になったなと感じています。
きっかけとしては、ブログやSNSを始めたり、コミュニティを始めたり、それまで自分が持っていなかった視点や価値観と触れるようになって、全く知らなかった社会課題を知ったことです。
寄付というと、社会課題の解決のために活動をしている団体(NPO)や、その代表、活動内容に共感をしてからするものと思っていました。
昨日のイベントで、新しい寄付のプラットフォームである「SOLIO」代表の今井紀明さんが、「寄付は共感から始まらなくていい」とおっしゃっていたのが印象的です。
このnoteでは「寄付は共感から始まらなくていい」をテーマに、このイベントを通じて今井さんから学んだことを書いていきます。
こちらは、コミュニティメンバーの湯朝かりんさんが描いてくれたグラレコです。
寄付が少しでも身近に、少しでもハードルが低くなればいいなと。
NPOが寄付を集めるのは難しい
日本のNPO(民間の、営利を目的とせず社会的活動を行う団体)は、どれくらいあると思いますか?
なんと、約50,000のNPOがあるそうです。
想像よりもはるかに大きい数字で、びっくりしました。
このNPOのうち、運営している方々が食べていける(つまり金銭的な報酬がある)のは、今井さんの実感でいうと2割くらいだそうです。
誤解を恐れずに言うと、「NPOを運営している方々は無給でやっている」とか「利益を出してはいけない」となんとなく勘違いしていたこともあります。それだと成り立たない、持続可能にならない。
NPOによっては、全員がボランティアとして関わっている団体もありますが、基本的には普通の一般企業と同じように、給料をもらって働いている職員がいます。
支援をしているNPOではサービスを受ける人から直接対価をいただけないので、寄付や助成金で成り立っているNPOが多く、でも寄付はなかなか集めることが難しいという実態があるそうです。
継続的に寄付を集める広報活動や呼びかけをしたり、寄付をしていただいた方への情報共有をしたり、草の根活動になってくるので、ここに労力を割けないことも多いと思います。労力を割けたとしても、知ってもらって、理解してもらって、共感してもらって、寄付をしてもらうのはステップも多ければ、ハードルも高い。
「SOLIO」の好きなところ
「NPOが寄付を集めるのが難しい」に加えて、寄付をする側は「どこに寄付していいか分からない」という問題があるそうです。
たしかに、50,000団体もあると、その情報を片っ端から調べて、知っていくのは難しいし、労力もかかる。
私の場合は、たまたま何かのキッカケで知ったNPO団体や代表の活動を応援したいから寄付をしているのですが、知らない団体が山ほどある。
こんな問題を解決するのが、「SOLIO」。
とにかく寄付をするまでのハードルが低くて簡単!
寄付したいジャンルを決めて、月額を決めればOK。
「SOLIO」が信頼をおける団体をすでに登録してくれているので安心だし、なによりサイトがキャッチーで使いやすくて、寄付をポップに身近に感じられる。
スマホファーストで、使い勝手にこだわっているのが伝わってきます。
そして、これまでの寄付のイメージを覆すのが、このソーシャルポートフォリオ。
「投資信託の寄付版」とおっしゃっていましたが、自分がどのジャンルに寄付しているのかがグラフで分かる。これまで寄付をしているとなんとなく言いづらかったのが、これであればポップにシェアできます。
だれかがシェアすれば、その周りで寄付をする人がちょっとずつ増えるように「寄付の連鎖」をつくっていきたいとのこと。
「NPO全体を底上げしたい」
今井さんのお話で感激したのが、「NPO全体を底上げしたい」という思い。
SOLIOもそうですが、若手の社会起業家をサポートされたり、新しい仕組みを模索されたり、どうしてご自身のNPO団体を運営するだけではなく、NPO全体を底上げしたいと思っているのか?が気になって、質問しました。
今井さんがおっしゃっていたのが、こちらの2つ。
①NPOの団体数が下がってきていることへの危機感。
②自身のNPOでは解決できない問題を、他のNPOが解決してくれる。NPO全体を底上げすることが、より多くの社会課題を解決することにつながる。
NPOの運営が厳しく、運営者の自己犠牲で成り立っていて、なかなか持続可能にならないことも多いと聞きます。
「こんな少額で意味があるのかな?」と思うこともあるのですが、月額500円でも、NPOにとっては大きな意味があるそうです。特に月額で継続して寄付をするマンスリーサポーターが増えると、NPOの経営の見通しが立てやすいなど、大きなメリットがあるとのこと。
共感から始まらなくても、もっと寄付をかんたんに、身近に。
素敵なお話をいただきました今井さん、ありがとうございました。
寄付をちょっとでも身近にしていくために、私も何を取り組めるのか考えていきたいです。
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