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「夢みる小学校」の上映会に参加して

先日、地元で学校外の学びや居場所づくりの取り組みをされている方々が主催で「夢みる小学校」の上映会が開かれることを知り、参加して来ました。

当日は、関係者でのトークセッションもあり、さまざま考える機会となったので、書き留めておきたいと思います。

「夢みる小学校」とは

近年、私のように不登校の子や発達特性のある子、今の公教育が合わない子の保護者を中心に注目を集めている「きのくに子どもの村学園」を中心に、子どもたちの自由な学びや子どもらしくいられること、体験を通して学ぶことについて制作されたドキュメンタリーです。

きのくに子どもの村学園について注目されがちなことは、宿題がない、先生がいない、プロジェクト型の時間割etcなどですが、映画ではその裏にある教育の考え方や子どもたちへの向き合い方について、知ることができます。拝見した印象として、本当に子どもたちがのびのびと学んでおり、カリキュラムに沿ってきっちりと学んでいくことは本当に必要なのか、ということを改めて考えさせられます。

中でも最も感じたのは、学びの主体はあくまで子どもたちである、ということ。

  • やりたいと思えることを見つけるのは遠回りだし根気も必要ですが、子どもたちがやりたいと思えることでなければ学びにならない。

  • 一見教科と関係ないようなことでも、実は社会、理科、算数、国語が密接に関係している。

  • 疲れたら休む。

  • 大人も一緒に楽しむ。

こういった一つ一つが、子どもたちが主体的に、自律的に学んでいくことの本当の力を育むのだなと思いました。

特に総じて思ったことは、自律的に考えるとは何か、ということ。
映画でも、自分から質問したり、物事に疑問を感じ議論したりといった力を持つ子どもが少ないことが度々語られていました。
私も常々、そういった力をつけることが今の時代には必要だし、子どもたちにも育んでほしい、と思っていることです。

疑問を感じることは体力のいることなので右にならえが楽に決まってます。やることが最初から決まっていない学びこそ、本当に腹に落ちた学びになるのだと感じます。

トークディスカッションで挙がったさまざまな「問い」

ディスカッションでは、聴講者から質問を受け、それをパネル形式で登壇者が答えるとう形式で進みました。
長男がお世話になっているフリースクールの代表も参加されていました。

いくつかこの日にあがった問いを、まとめてみます。

こんなに自由で大丈夫なのか?
最も考えさせられる問いでした。というのは、「大丈夫」ということがそもそもどういうことか、という点に深い問いがあるからです。
結局のところディスカッションも、何が大丈夫であるかによるという話にはなり、仮に子どもが自立した大人になれることを意味するのであっても、大丈夫である保証はどこにもない、というのが行き着いたところであったように思います。
ああ、この子はもう大丈夫だ、と思えるポイントは、きっと正解はないのでしょう。

怒られる、叱られることは必要ないのか?
子どもたちが自由に学ぶ姿から出てきた質問でした。実際のところ、これらの学校の子どもたちも叱られることがゼロではないでしょう。
この日登壇された方々はさまざまな形で子どもたちの多様な学びを支援している方々ですが、皆さん、叱る・怒るということはば使わず「上から目線でものを言わない」「私はこう思う、と対等に話す」という姿勢で向き合っているとおっしゃっていました。
登壇されたフリースクールの代表は、「人の心と体を傷つけない」という点を大事にしているということとともに、もしそのようなことをしてしまった場合でもその子なりの理由があるはず、とおっしゃっていました。
怒る・叱るようなシチュエーションでも、そういった対等さや理解をベースに向き合うことが必要なのだと改めて思いました。

幸せとは?
究極の質問ですね、たくさんの発散的意見が出ました。どれもその人なりの「幸せ」の形かと思います。特に「子どもにとっての幸せ」として考えた時、以下のようなものが心に残りました。
・将来ではなく今が幸せであること
・存在自体が肯定されていること
・誰かが決めた幸せでなく自分が幸せと思えること
・周囲の大人が元気に生きること

夢みる学校が正解で、全てなのではない

これだけ注目されている「夢みる小学校」ですが、この学校が今なりの正解ということではないですし、きっと映画では語られないたくさんの苦労があるのだと思います。
また、お子さんによっても合う・合わないは確実にあると思いますから、あくまで子どもたちが望む環境であることが、重要だと思います。

ちょうど最近ですが、映画にも出演してらっしゃるきのくに子どもの村学園の中学校校長である加藤先生の深堀講座があり、とても気になったので1回目を拝聴させていただきました。
先生自身も語りたいことがたくさんあるということで、連続講座になっており、次回も楽しみにしています。


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