誰かの幸せを願うこと
あの人が、いつまでも幸せでありますように…
誰かの幸せを願えるって幸せなこと。
それが、嫌いな人だった時、わたしは好きな人のそれを願う以上に幸せな気持ちになれて、不思議なものだなと思った。
わたしとはどうにも言葉の選び方が違う彼女のことが、わたしは苦手だ。無自覚にわたしを傷つけてくる。そもそも、言葉を選んでない気がするし…傷つけてるつもりもないのかもしれない。
ただ、わたしは毎回会うたびに心に擦り傷を負っていて、いつの間にか彼女のことが嫌いになっていた。今日も彼女に会うのかと思うと、心臓がどきどきしていた。
…そんな彼女が、どうやら恋をしているらしい。
なんだかとても機嫌がよく、言葉も態度も優しくなって、傷つけられることが明らかに減った。目を合わせて笑いあう瞬間があるほど、彼女とわたしの間の空気が変わってきた。
彼女の恋が実って、プライベートがますます充実してくれたら、、、きっと彼女も、恋人も最強に幸せだけど、わたしももっと幸せになる。
あぁどうか、彼女の恋がうまく行きますように。ずっとずっと幸せでありますように。
心からそう願った。
そしたら、とても心がポカポカしてきて、「わたし幸せだなぁ」と思えた。
嫌いな人の幸せを心の底から願っている自分が、本当に優しくていいやつだなと思えたりして…(笑)
ただの自己満足といわれればそうかもしれないし、自分がいい人に思えることに酔っているんじゃないのと思われるかもしれない。
でも、なんと言われてもいい。
わたしが嫌いな人の幸せを願えていること。
しかも、なんと、心の底から願っていること。
たとえその裏に「自分が幸せになりたい」、「穏やかな毎日をすごしたい」という思惑があったっていいじゃない。
誰かの幸せを願っているのは、事実なのだから。
彼女のことは、まだ少し苦手だ。
でも、今も彼女の幸せを心から願っているし、いつかは仲良くなれたらいいなとも思っている。
まあ、苦手なまんまでも、それは仕方ないことかもしれないけど。
彼女のことを苦手だと認識したおかげで、私は、”相手にかける言葉を大切にしている自分” や ”みんなと仲よくしたい自分”がいることを再認識できたのだから、それだけでも大収穫だもん。
そんな ある意味 都合のいいことを考えている自分も許せている今が、わたしはとても幸せだ。
嫌いな人・苦手な人のことだって、こうして認めて愛することはできるのかもしれない。
わたしにとって、苦手なひとの幸せを心から願うって初めての体験だったから、なんだかとーっても新鮮だ。こんな気持ちにさせてくれたことに感謝の気持ちすら湧いてくる。
今日はどんなご機嫌でいるんだろう…
彼女のことを考えても、緊張しなくなってきた。