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350°の視野で駆け抜けろ


馬の視野は、両目で350°。

人間はせいぜい200°ほどだそうだから、その違いは圧倒的。


いやいや、残り10°は大丈夫なん?
逆に油断したりしないんか?


そんなことが気になったあなたは、もしかしたらHSPと言われる繊細さんかもしれませんね。


そしてあなたは、その10°に宿っています。


冒頭でいきなり訳のわからない話で申し訳ないです。

少しずつ説明していきますね。



HSPさん、人を愛しすぎ説


昨日、私はTwitterにこんな投稿をしました。


HSPとは、生まれつき感度が高く、人一倍敏感な人。

その繊細さゆえに様々なことに気がつきます。


とりわけ、人の心の動きには敏感。
機嫌の悪い人はどんなに笑っていても一発で見抜くし、喜びにあふれる人を見れば「よかった」と心の中で拍手を送る。


さらに、本人すら気付いていない長所を見つけたり、人の心に寄り添うような言葉をかけたり。


「気にしぃ」
「人と話していて、気になったことをずっと考えてしまう」


こんな、ちょっとマイナスな面ばかりクローズアップされがちですが、感激屋で本当は人が好き、という人も少なくないように感じます。


そう、HSPさんの軸には「愛」がある。
その馬のように広い視野とあたたかい目で、相手の良いところが自然と目に入る。
人って素晴らしい、そう思ってる。思いたい。


だからなのか、嫌いな人にも「ご機嫌とり」のような態度をとってしまうことがあります。

私もこの「あるある」は、首が取れる勢いでうなずきました。


いやいや、嫌いな人なんだし、距離おけばいいじゃん!と自分でも思う、この矛盾。


でも、心の中では

きっとこの人にもいいところがある。
こんなキツい態度になったのにも、人に言えない理由があるんじゃないか。

できたら、仲良くしたい。


こんな思いがあります。


けれど、そんな思いとは裏腹に、相手はますます強い態度をとってきて…

もう、何度、このパターンに陥ったか。



ではなぜ、こんなことが起こるのか。

私の予想では、HSPさんには「人を格下扱いして攻撃することで落ち着く」という価値観がないから、だと思います。

だから、相手の心の動きが分からない。


HSPさんの心が落ち着く時。

それは平和な凪のような状態。

攻撃で安心を得る感覚が、まったく理解できないんです。


相手に「好き」を与えている時、相手が受け取るのは「隙」。
ますます、攻撃の的になってしまいます。



HSPさんの「自分・神格化説」

こんな風に、嫌いな相手にすら、愛を向けてしまっている時。


自分自身は、どこにいるのか。

そう、それが「残り10°」。

それに最近気づきました。


普通に前を向いていたら、自分が視界に入らないんです。


だからこそ、なのか、「えっ…これって、自分を神格化しちゃってない?そしてそれ、ちょっと間違ってない?」ということにも気づきました。


説明しますね。


嫌いな相手ともうまくやりたい。

その思いから来る相手への姿勢は、言い換えれば「私にはそれができる」と思っているからこそのもの。


自分へのケアをおこたりがちなのは、「それをしなくても大丈夫」と思っているから。



350°の広い視野を持ちながら、自分自身への心配りは不足ぎみ。


あれ?

私って、ほっといていいほど、強かったっけ?

なんでもできるって思えるほど、無双状態だったっけ??

それに「はい」と言えるほど、肝は座っていませんでした。



ではなぜ、自分へのケアが欠けるのか。


それは、「これまでなんとか生きてこられたから」


もうダメだと何度も思いながら、それと同じ回数だけ、涙をぬぐって、立ち上がってきたから。



誰よりも弱さや繊細さを知っているはずの、「自分」という存在を置いてけぼりにしてしまう。


つまりそれは、自分の可能性や能力を、心の中では信じ切っているということじゃないの?

本当は、強くしなやかな自分を知っているからじゃないの?


でないと、敏感なセンサーがキャッチしない訳ない。優しさが、発動しない訳ないから。



「本当は、自分の可能性を信じ切っていることに気づく」

「自分の繊細さを意識して、人一倍ケアする」


この二つはもちろん、両立可能。

大切なのは、「神様のような無双無敵感」ではなく、「神様のように心穏やかに大切に思う気持ち」です。


自分神格化、ばんざい!

でも、間違えないでね。きちんと拝んで、ケアしようね。


馬と騎手、共にいたわって好きな場所へ行く

美しい芝生の上を駆け抜ける、競走馬。

鍛えられた筋肉を弾ませ駆けていく姿は、もはや走る芸術品。


そんな競走馬の「残り10°」にいるのは、最強の相棒、騎手です。

直接顔を見つめ合うことはできないけれど、騎手からのサインに馬は敏感に反応し、力いっぱい走ります。


騎手は、手に持つ鞭で馬をたたくイメージがありますが、ちらりと鞭を視界に入れるだけで「さあいくぞ!」という思いを受け取り、ギアを入れる馬もいるとか。


騎手も、ゴール後は馬の首筋をポンポンと何度もたたき、立て髪をなで、感謝を伝えます。



350°の心やさしい視野と、10°に背負う最高に頼れるパートナー。

HSPさんは、そんな風にできています。


目の前に広がるのは、美しい草原の日もあれば、木々おい茂る暗い森の日もあるけれど。

馬も騎手、両方をいたわりながら、ひとつ、合図を入れれば、心地よい風と振動があなたを行きたい場所へ連れていってくれます。


350°の視野で、駆け抜けろ。

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