<詩>勝手にしょったものを勝手に下ろす

許して下さい 私を
月の下 日の下
十字架を背負って
歩き続けていても
まだどこにも
たどり着けていない

どれだけ時が経っただろうか

願っていたのはただ
あなたの幸せと笑顔と
それを見た私の
ホッとした胸の感覚

こんなに頑張っても
創意工夫しても
先回りしても
まだもらえない

両手のマメは潰れて
肩から血が垂れて
歩きすぎた足は
感覚なんてもうとうにない
汗をたらして
全身臭いんだけど
なにも
なんにも報われない

恐ろしいけど
肩の上の十字架をもう
地面に投げ捨てて
やさしい光の方へ
走っていこうかな
全力疾走で

そんな自分を想像すると
想像の中の私は
笑ってるな

伸びすぎた髪の中で
薄汚れた肌の上で
灼熱の砂漠の上
歩いていた両足はいつのまにか
宙を駆け上がって
この世とは思えないような
生まれたばかりの草原
走ってるんじゃないのかな

血みどろで臭い体はいつか
すっと癒えて
キズも汚れも消えて
全て請け負っていた
体も心も
いつしか月光の下
癒えて微笑んでいるんじゃないのかな

そうなんじゃないのかな
この勝手にしょったものを
全て一瞬で勝手に下ろしたら

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一瞬で済むのに
あほらしいこんな罪悪感なんて

心と体ズタボロになる前に
勝手に捨てちゃえばいいんだ
誰もあなたに課してない
あなただけしか自分に課していない

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