なつめ

読み散らかし、書き散らかし、撮り散らかす日々の落とし物置き場。 心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書き綴るサバイバー。 無断転載はお断り致します。各種御連絡はTwitter(X)アカウントまで

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マガジン

  • ゆるゆら音楽映画放談

    レビューやつらつらっと書いた感想置き場的マガジン。音楽関係はだいたいここ。

  • こざかなノート

    有象無象、日々の雑感を纏めたマガジン。小賢しいって嗤わば嗤え。

  • survive,and thrive

    いちサバイバーとして考えたよしなしごとを綴るマガジン。

  • 然れどキャラバンは進む

    日々の中であつめた光、そのささやかな記録。 The dogs bark, but the caravan goes on.

  • きょうのZenbrush

    手本のない指書きゆるゆるデジタル書道。 気儘に好きな言葉などを書き付けます。

最近の記事

Ton Koopman Harpsichord Recital

 先週の土曜日、高崎芸術劇場音楽シアターでTon Koopmanのチェンバロリサイタル。今回の来日でチェンバロのみを演奏する公演は高崎だけとのこと。  スヴェーリンクからバード、ヴァレンテ、ブルーナにバッハ。パーセルに、ヘンデル。ファンタジアとトッカータがうれしい。  語りはなく、弾き終わるたびに立ち上がってはにこやかに礼。そしてひたすら鍵盤に独り向かい合い、生き生きと対話する。言葉のない空間で天に昇るかのように響き渡る音、原体験に近い音楽、いつの間にか疲れた心に清い水が流

    • 地続きのあなたを

       ニュースを見ていても、XやThreadsを見ていても、心が重くふさいで気晴らしにならない日が続いた。  闇バイト。世代間断絶、治安悪化。高齢者はずるいという声の向こう側で、齢70や80を超えた人が勤務中に事故の報。一生働かないと生きていけないのよ。先週寂しげに微笑んだマダム、深い皺が刻まれた手を思い出す。  性加害のニュース、そういえばいつかあの人は「事実はわからない」としながらも加害者を庇っていた。活動できなくなるなんて、と。女性の訴えはいつも小さく、またはずるいことと

      • よく晴れた日曜日

         先週のこと。  よく晴れた日曜日、ドライブして「本と珈琲とちょこっとオヤツな一日」へ。気分を変えたくて、足を延ばした。  本の交換会、珈琲、パンと音楽。オヤツ。珈琲は飲めないけれど、お土産にすることにした。  フリーライブが行われ、OKK MOUNTAINSと、utataneを途中まで。  OKKはオリジナルにカバー、カバーはオリジナル・ラヴだった。曲名が「月とレモネード」「フランボワーズ」だったか、OKKにコーラスで参加されていたuhhさんがボーカル、心地良い。すてきな

        • showmore「liquid city」release tour

           showmore待望の4thアルバム「liquid city」release tour、恵比寿LIQUIDROOMに行った。  平日の、仕事終わり。普段ならば家におとなしく帰るところ、翌日が病院受診で休みなのをいいことに恵比寿へ。  体調に不安がないと言えば、嘘になる。ただ、気持ちがどん底だった12月の夜、鶯谷のダンスホール新世紀で観たワンマンが残り火のように胸にあった。道すがら橋の上から見下ろした暗い闇と、フロアを飾るクリスマスツリーの華やかな光。ライブ中、心の琴線を鳴

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        記事

          ひびきとひび、言の葉

           帰宅する夫と妻の仲睦まじいLINE画像が、X(Twitter)で流れてきた。ワンオペで唐揚げを作るという報告に、「えらすぎます」「宇宙でいちばんです」と褒める夫。夫より優しい人に会ったことがない、とコメントを添える妻。    なんだかじーんとしてしまった。言葉が、つとめて真っ直ぐに届いているんだなあと。  するとみるみるうちに「偉いとは上から目線」「まずはありがとうだろう」「私なら嫌だ」と引用がつきはじめた。  ああ、と深く溜め息をついてしまった。   SNSが日常に溶け

          ひびきとひび、言の葉

          音楽とオクトーバーフェスト

           高崎音楽祭の折、館内サイネージで「音楽とオクトーバーフェスト」というイベントが催されることを知った。  場所は、高崎芸術劇場のガーデン。  ドイツでのクリスマスマルクトを少し思い出した。ビール、ウインナーにワイン。わたしはお酒は飲めないけれど、パートナーはどうだろうか。予約不要のチケットフリーというのも、事情ありきの身にはハードルが低くて助かる。  このところパートナーのメンタルはすぐれない日が続き、周りもともに心配がつのっていた。でも。  「シェフのキーマカレー、食べに

          音楽とオクトーバーフェスト

          久保田利伸 CONCERT TOUR 2024-2025(など)

           「久保田利伸 CONCERT TOUR 2024-2025 佐藤さん、いつものでよろしいですか?」、渋谷のNHKホール1日目。  平日は基本的にライブには行けない。ほぼデスクワークだが、度重なる闘病後に体力が落ち、よく微熱を出したり胸痛を起こすために体調が読みにくいからだ。運動もままならず、痛めた腰からの痺れも完治はしていない。無理はしたいが止められている。高崎はアクセスや旧知の医師など諸々条件がよく、例外だった。  だが、この日はちょうど他の用事と重なったのもあり、ダメ

          久保田利伸 CONCERT TOUR 2024-2025(など)

          高崎音楽祭だけで6つの予定を入れていた。うちひとつは昨年中止になったので振替のつもり、ふたつは誘われてのことだったが、生き急いでいるのではと声を掛けられてしまった。 そう見えているのか・・・と思いながら、強ち否定は出来ないような気もしていた。 他から見える私は他人の顔をしている。

          高崎音楽祭だけで6つの予定を入れていた。うちひとつは昨年中止になったので振替のつもり、ふたつは誘われてのことだったが、生き急いでいるのではと声を掛けられてしまった。 そう見えているのか・・・と思いながら、強ち否定は出来ないような気もしていた。 他から見える私は他人の顔をしている。

          土岐麻子×和田唱 TWO OF US

           好んでよく聴いてきたもののライブに一度も行ったことがないバンドはたくさんあり、Cymbals(2003年解散)もTRICERATOPSもそのクチだ。  この日はその2組のボーカリストが共演する、高崎音楽祭2024のクロージングプログラム。両バンドの熱心なファンに誘われて観に行った。  実は同級生というふたり、どちらもジャズ好きとのことでオリジナルにスタンダードを織り交ぜた内容。  高崎音楽祭ではTENDREやアンサリーとも共演してきた土岐麻子が、ジャズトリオセット「J

          土岐麻子×和田唱 TWO OF US

          TOWA TEI(+KOJI1200)×tofubeats(feat.藤井隆)×中村佳穂

           もう、タイトルだけで情報量が多い。いったい何の数式だ。  「TOWA TEI(+KOJI1200)× tofubeats(feat.藤井隆)× 中村佳穂」を観に、高崎芸術劇場スタジオシアターへ。  そもそも発表時はTOWA TEI × tofubeats × 中村佳穂だった。この3組だけで充分すぎる座組なのに、追加発表がよしもとから藤井隆と今田耕司。もとい、SLENDERIE RECORD主宰の藤井隆とKOJI1200。  4500円っていう内容ではないでしょうよ。高崎市

          TOWA TEI(+KOJI1200)×tofubeats(feat.藤井隆)×中村佳穂

          Chara × Ovall

           二度あることは三度というのを超えて。  高崎音楽祭「Chara × Ovall」を鑑賞。今回はお誘いをいただいての参加。大好きな2組だけに嬉しい。  腰を傷めてから脚外側部の痺れがなかなか良くならず、まあでも以前よりは酷くないし何とかなるでしょうとスタンディングを解禁した。大丈夫かな。  整理番号が若かったため最前列へ。脚のこともあり、ただ立つよりも柵の存在が頼もしい。ありがとう柵、過去いちばん頼り甲斐を感じる。  まずはOvall。機材トラブルで時間が押したが、公開

          Chara × Ovall

          渡辺貞夫 meets 大友直人×群馬交響楽団

           「昨日見たはずの建物が目の前に・・・・・・タイムリープ?」  そんなはずもなく、連日の高崎芸術劇場。待ちに待ったスペシャルプログラム、「渡辺貞夫 meets 大友直人×群馬交響楽団」を鑑賞すべく足を運んだ。  昨年はナベサダ御大の体調不良で払い戻し中止となった高崎音楽祭公演。その払戻金をこの日のために保管していた。その時点では何も決まってなどいなかったが、2022年公演の感動をまた再びこの地で味わいたかったからだ。  すると、なんと芸術劇場をホームとする群馬交響楽団との

          渡辺貞夫 meets 大友直人×群馬交響楽団

          熱帯JAZZ楽団 reunion with 中西圭三

           行ったばかりのはずの建物が、目の前に。  来ちゃった。座れる席があり、ちょうど都合がつく日程。平日でもスタンディングじゃないとハードル下がるな。  お目当てはこちら。  熱帯JAZZ楽団 reunion with 中西圭三。ラテンジャズビッグバンドと、ジャンルを超えたヒットメーカー。ウニと花咲蟹を豪勢に盛ったような高崎音楽祭のプログラム、毎度思うが素晴らしい。  第1部は音楽祭常連の熱帯JAZZ楽団。「今日はいつもと違っておとなしめの選曲です」「器楽演奏をお楽しみく

          熱帯JAZZ楽団 reunion with 中西圭三

          Gilberto Gil "Aquele Abraço Japan Tour 2024"

           実は前日まで迷っていた。  わたしが行っていいのか、これ。そんなふうに迷うほどスペシャルな公演、何と当日券が出るという。ならば、と前売りを購入。  ブラジルが生んだ巨匠、グラミーを9回も受賞したブラジル音楽界の大御所であり、元文化大臣ジルベルト・ジルのおそらく最後となる日本ツアー。Aquele Abraço Japan Tour 2024、そのファイナルとなる高崎音楽祭公演に行ってきた。  16年ぶりの来日で御年82歳、しかもライブパフォーマンスは来年のブラジル欧米ツア

          Gilberto Gil "Aquele Abraço Japan Tour 2024"

          プレゼントの向こう側

           グッズアパレル声掛け論争のようなものを目にして、少し間をおいて、ランチ休憩に呟きをこぼした。  何を纏うのか。どのように着こなすのか。大袈裟なようだけれど、それは毎日かならず発揮される主体性で、自ら選び取るその日の色彩だと思う。  今日一日、わたしはこれを着ていたいというささやかな意思。たとえやる気がひとかけらも出てこなくて、手に取りやすいものをおもむろに纏ったのだとしても。    ハイブランドを例に出したならば、  「それは自慢だろう」  といった目線が向けられるだろ

          プレゼントの向こう側

          Back To Your Place Vol.2

           日曜日、またまた高崎鞘町のSLOW TIME cafeへ。OKK MOUNTAINS(O.A.)/Nobody's Island/椎名純平さん&竹内朋康さんのライブ「Back To Your Place Vol.2」 を観た。表記は出順。  もうほんとこのカフェすき。雰囲気よし距離感よし、座って寛ぎながらゆったり聴けるし。  ライブで整理番号1番は、初めてかもしれない。多分そう。  OKK MOUNTAINSは、オーナー笠原さんがボーカル。はじめてスロウタイムに来た人

          Back To Your Place Vol.2