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ロッシーニが語る、《猫の二重唱》
Note上で展開する、架空のラジオ番組《クラシック・エトセトラ》。
この番組では、毎回異なる音楽家がパーソナリティーを務め、
自身のお気に入りの曲と、その曲にまつわるエピソードを語っていきます。
今日の担当は、作曲家のジョアキーノ・ロッシーニさんです。
(お話は史実に基づき構成しています)
こんにちは、イタリアのボローニャ出身のジョアキーノ・ロッシーニです。
いつも美味しいものを食べて、愉快にオペラを作曲しているよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1737942006-Sf561vmYz8eokHsyniqFNtLp.jpg?width=1200)
先日、ここでチェルニーさんが《猫のフーガ》について話していたよね。
そしたら、猫好きの人たちから、
猫の曲といえば、ロッシーニさんでしょ
ってうるさくてね。
いやいや、実は僕の曲じゃないんだけれど・・・
まあでも愉快な曲だから、今日はその曲を紹介するよ。
タイトルは《猫の二重唱》だよ。
この曲は、イギリスあたりで誰かが合成した曲らしいんだけど、
みんな僕が書いたって思ってるんだよね。
なぜか作曲者が僕の名前で出版された楽譜もあるらしいよ。
でもね、僕はオペラ作曲家でしょ。
オペラって、有名になればなるほど、みんなが旋律をコピーするからさ。
似たようなことは、たくさんあるんだよ。
できた曲は『ロッシーニ風』とか『ロッシーニアーナ』って言うんだけど。
凄い作曲家たちまで『ロッシーニ風』で曲を作っちゃうんだ。
僕は料理も好きでレシピも考案してるけど、
そちらもコピーする人が多くて、
だから料理も音楽も『ロッシーニ風』ってのが多いんだよ。
まあ、僕のセンスが抜群ってことだから、嬉しいけどね。
![](https://assets.st-note.com/img/1737969103-NBrE4QDUV95RalF82IYpK3js.png?width=1200)
ロッシーニ風《猫の二重唱》は
歌詞が「Miau ミャーウ」しかなくて、とにかく秀逸だよ。
冒頭のカヴァティーナは、
デンマークの作曲家が書いた《猫のカヴァティーナ》という曲のコピーらしくて
その曲も、どうやら歌詞はMiauだけみたい笑
それで、その後に僕のオペラ《オテロ》のパロディーが続くんだよ。
オペラの方は、ドロドロの悲劇だからさ。
同じ旋律を、2匹の猫がミャーミャー言って歌っているのは、面白いよ。
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ということで、僕の作品ではないんですが、
ロッシーニ風の《猫の二重唱》、どうぞお聞きください。
演奏は、ソプラノのナタリー・デセイとメゾ・ソプラノのカリーヌ・デエです。
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