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映画『天気の子』感想

今更ながら、映画『天気の子』を視聴しました。記憶が残っている内に感想をつらつら書いていきたいと思います。


評価(100点満点中)とランク(S~E)

85点
Aランク

面白かった

小学生並みの感想ですが、とても面白かったです。新海作品は『君の名は。』以前から観ていて、特に最近の3部作の内、『天気の子』だけが未視聴でした。理由としては、単に機会がなかったということもありますが、それ以上に『天気の子』は声優さんの演技が微妙で、かつストーリーも微妙という一部ネットの声を真に受けていたためです。実際に視聴してみると、本職声優ではない一部の声優さんは確かに演技が下手ではありましたが、思った以上に気になりませんでしたし、ストーリーも言いたいことが多々あるけどひどくはありませんでした。バイアスがかかった状態で観た割には視聴後の満足度はそれなりに高かったです。

フェチズムを感じる

今回の映画で私が特に気に入ったキャラクターが天野凪くんです。新海誠作品に新たなフェチズムが誕生した瞬間を目撃しました。まず、可愛らしい。いかにもショタコンが好きそうなキャラです。パッと見生意気そうなクソガキかと思えば、姉のことを心配する良き弟であり、主人公の帆高のことも受け入れる度量の広さもあります。女の子を優しくエスコートする”先輩っぷり"を発揮したかと思えば、年相応な一面も見せる隙を生じぬ二段構え。天晴れです。
そして、私が何より好きなシーンが、彼女と元彼女のカナとアヤネの二人と児童相談所を抜け出そうとする場面です。ココ!美少年ショタが美少女ロリと服装入れ替えて女装して脱出するんですよ!! 後のシーンで凪がアヤネが着てきたワンピースを着ているところが出てきますが、最高でした。これだけでもこの映画を観た価値があるなと個人的には感じました。まだ小学生の男女が入れ替わる、まさにこの瞬間しかできないことを表現するのには感服しました。

不満点

今作のストーリーを根本から否定してしまうものですが、警察描写はいらなかったと思います。銃なんてもっといらないです。わざわざ銃と警察をストーリーに取り入れる必然性が全く感じられませんでした。これらが出てくるたびにしらけました。帆高はやましいことがあって警察から追われるわけですが、今作内の警察も警察でヤバいことはたくさんしているわけで。都合の良い、いわば物語を進めるための”敵キャラ”が必要だったのだと思いますが、もっと他にやりようはいくらでもあったと思います。

キャラクター寸評

・森嶋帆高
犯罪のオンパレードと世間では言われてるみたいですが、ハチャメチャで割と面白いキャラに感じました。そうは言っても、劣化版てっしーと言われるだけのことはやってる。

・天野陽菜
メインヒロイン。最初観たときは見た目フツーだなと思ったくらいでしたが、キャラを知っていくにつれて好きになっていきました。中学生なのに母性すごい。

・天野凪
今作最推しキャラ。大人びていてかつ無邪気な子供らしい一面を魅せる魔性のショタ。色んな意味で「先輩」でした。

・須賀圭介
主人公に対して終盤まで決まった態度を明らかにしない。胡散臭さ満点だったけど、最終的に娘が一番ということだけは分かりました。

・須賀夏美
本作影のメインヒロイン。就活頑張ってね。容姿良くてCV本田翼なのに決まらないとかありえないだろw

・須賀 萌花
かわいい。喘息持ちなので父親に会えないところが可哀そうでした。毒親ならぬ毒婆と暮らしてるから大変そうです。

・間宮夫人
毒婆。なんか気色悪かったですね。

・立花 冨美
新海誠が描く婆さんたちは何かそれっぽいこと言わないとダメなんでしょうか。大抵偉そうに知ったような口を利くやつが多すぎます。

・安井刑事
ただの平泉成がキャラクターになっただけのおっさんだった。

・高井刑事
帆高ばっかり犯罪のオンパレードとか言ってるけど、こいつも大概ヤバいです。割と違法行為やってます。捜査令状とか見せてないで民間人の敷地に侵入するのは控えめに言ってヤバいと思いました。お前は警察だろ!w

・佐々木巡査
影薄すぎな婦警。ショタコンのにおいを感じましたねw。
アヤネとカナに完璧に舐められてそうです。

・アヤネ
本作のヒロインその2。アヤネと言われて声を聴いた瞬間に「あっ!」としました。CV佐倉綾音でしたね。
めちゃくちゃ良いキャラしてると思いました。凪くんに対する感情が小学生が抱いてよいもんじゃなくて、随分大人びてるませた子供だなと。凪とアヤネの服の交換のシーンだけでこの映画を観た甲斐があったと感じましたw

・カナ
こちらもアヤネと同様にバスのシーンでびっくりしました。カナでCV花澤香菜なのかと。ただ、アヤネほどのインパクトはありませんでした。

・スカウトマン木村
あらためて、CV木村良平はチンピラ役が似合うなと感じました。

・占いおババ
初見でCV野沢雅子だとは思いませんでした。キャラは濃かったものの登場シーンが少なくて最後の方は印象が薄れてしまってました。

・荒木研究官
天気について熱く語ってるところが印象的でした。

・神主
声のインパクトが強すぎる。つよすぎて龍神の説明が頭に入ってこなかったです。

・アメ
続く新海誠作品の『すずめの戸締り』への伏線だったんでしょうか。

・立花 瀧
前作主人公。やっぱり前作主人公が主人公に何かアドバイスするシーンは良いですね。意外とぽっと出ではなく、ガッツリ出演しているのが意外でした。

・宮水 三葉
ルミネでジュエリーショップの店員として働いているわけですが、あんまり”ぽく”ないなと思いました。神社の跡取り娘だった割には俗世に染まり過ぎだろうと。

・勅使河原 克彦&名取 早耶香
前作最強のカップル。あまりにもぽっと出すぎて一瞬気づきませんでした。

・宮水 四葉
前作と雰囲気違いすぎるやろ!w
てっしー達と同様に一瞬映っただけでセリフも一つだけでした。

まとめ

全体的に映像美が素晴らしく、内容も映画の時間内に程よく収まっていて観ていて楽しかったです。歴代新海作品の中でも特にエンターテインメント性に振り切った映画だと感じました。”ノリ”と”勢い”だけでもここまでの作品に仕上げるあたり、新海監督の演出力もさらに磨きがかかっていました。ただし、どうしても『君の名は』と比較すると、ストーリー性やキャラクターの個性が薄く、それによって興行収入の低下に繋がってしまったのだろうと感じました。しかし、エンタメに振り切ってる分、話題にはずっとあがり続ける作品だと思います。



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