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読書感想文:世界の一流は「休日」に何をしているのか(越川慎司)

うーん、昔だったら絶対買わない系の本!「一流」のマネするなんて、ぞっとする(いち庶民としての謎の気概)。
ただ現在、断捨離の成果でメルカリ残高が溜まっているので、空前の「本を売って本を買う」無双状態でございます。ただし、売る→買う→読む→売る、の無限ループと見せかけて送料と手数料でだんだんすり減るシステムです。

■どんな人におすすめ?

休日の使い方について、事例を交えて概観し、考え方を変えたいと思っている人にはいいと思いました。コロナで在宅勤務やリスキリングや転職・副業などが働き方の流動化が進み、他の人が何をしているのかが見えにくくなっているそうです。何をしているのかがわからないこそ、みんなが「マイルール」づくりに励んでおり、時間の使い方で差がついていると。睡眠・食事からマインドフルネス、習慣化・言語化などが流行るのもそのためなんでしょう。最適な状態の自分を維持し、やりたいことができる時間を最大限確保することで、たぶんみんな、他人と比べることなく幸せになりたいのです。自分による自分のための自分、ですね。

仕事が全てと思い込んでいた私はコロナでどうしてよいのか分からなくなり、メンタル不調も相まって底ついた感じでしたが、底つけば浮上するもんですよね。去年断捨離を終え、こないだ防災グッズを揃え、今ルーティンづくりにはまってます。
※超主観で恐縮ですが、断捨離→防災→習慣化(ルーティン見直し)はなんとなくセットな気がします。要らないものを捨てる→優先順位が見えやすくなる→モノだけでなく意識やふるまいのほうに関心が移っていく、という流れというか。

■ポイントだけかいつまむと

休日=仕事のない日であり、疲れたから休憩する日ではなく、それ自体が人生の目的であり、翌週の仕事をブーストするもの、と考える。主従を変え「休日を充実させるために働く」と考えること。
→楽しく遊ぶためにどう働けばよいのか、と考えること。何もすることがない人は趣味を作る努力をする。いろいろなことを少しづつ試すだけでよい(行動実験)

休日に主体的に時間を使う(時間自律性)ことで、「自己効力感」を高める。他人と比べる「自己肯定感」に対し、自分の能力・可能性に自信を持つのが「自己効力感」。高めることで仕事にもよい影響を及ぼす(結果、成果を出せて休日がさらに充実する)。
小さな成功体験を重ね、新しいことへのチャレンジや他人とのつながりを大事にし、自分を振り返る時間を持つと、自己効力感は上がりやすい。自分を否定しないことが大事(身につまされる)。

具体的には、土日を意識的に使い分けて過ごす。
土曜は「チャレンジデー」とし、教養を得る。趣味や家族との時間を楽しみ、興味があることや未体験のことに挑戦する日。
日曜「リフレッシュデー」とし、休養する。運動・読書・ヨガなど、体とメンタルを整える日。
特に大事な予定は土曜に入れ、日曜に疲れを残さない。

そのために、金曜15時~休日の準備をする。土日を計画を立てたり、休日の予定を前倒して入れると土日がスムーズ。
仕事はあえて終わらせず少し残すことで、却って週明けの仕事がスムーズに進む。

趣味のうち、教養を得る・多角的な視点を得るための「芸術鑑賞」、知識と発想力高める「読書」を重視するのがエグゼクティブ、だそうです。なお、読書は読むだけでなくアウトプットを意識し、仕事にどう活かすか、と考えながらメモを残すのがよいらしい。意識高いよー。ただし美術館めぐりと読書は長年の私の趣味。

■休み主体にするための働き方とは

長時間働くほど成果が出ると思わず、短時間で成果を出すことに価値を置く(身につまされる)
・業務の「属人化」をなくす。日常的な情報共有と、2人1組などの業務体制
・時間を短縮できるところは徹底的に短縮する。会議時間を減らす、会議自体なくす、資料簡略化など

■個人的に気に入ったところ、取り入れたいところ

①週5日6時間労働にする(勝手に)
まず筆者の働き方ですね…!週30時間労働・週休3日。長時間働けない体(単なる気持ちの問題ですが、長時間労働の人生の定量に達したんだと思ってます)なので、何よりもまず働く時間を減らしたい。週休3日は難しそうなので、週5日30時間労働、をこっそり始めることにしました。リモートワーク、こういう時に便利。もう残業代つかない身分なので、特に罪悪感もございません。9時始業で16時終業。ええやん…!あと金曜15時に終わるのもいいですね。サウナ行きたい映画観たい!

②毎日小さく「休日」を実行する
本の中では、毎日7分ずつ「瞑想」「ジャーナリング」「読書(ちゃんとアウトプットする奴)」をしましょうとありましたが、やるべきこととやりたいことを、小出しにするのも大事、と思いました。
土日の使い方を真似したいと思っても、平日仕事しかしておらず、家事や用事を週末にためると、大体土曜が掃除と買い出しで終わり、日曜に人との約束が入っていると、別れた時には休日終了。自分の時間を持てなくてもやもやして夜更かし、というのが一番やりがちな奴。
本にも「限られた時間と自分のエネルギーの最適配置」とありましたが、一気に何かをすることは、それ自体のエネルギー消費が激しい。
瞑想なんて意識高い奴じゃなくても、平日に1か所掃除するとか、本を少しずつ読み進める(週末に読み終われるように)ことならできる。結局、5日間我慢をすると2日間では回復も満足もできないってことだよなと。休日をよくするためには、平日の使い方の改善も必要ということです。

③自己査察、苦手だけど知識だけ持っておく。ぼちぼちやる。
著書で引用されてたのですが、トニー・シュワルツさん曰く、他人には4つのエネルギーがあり、4段階のサイクルがあるそうな。これを常々自己観察して休日を組み立てよと。いやそれできる人は相当レベル高い人かと存じますが、時間の余裕ができれば、ちょっとずつできる気もする。
①身体のエネルギー/②感情のエネルギー
③思考のエネルギー/④精神のエネルギー

※私→①で乗り切っていたが低下し②で何とかするも③が落ちて④も低下し…
×
1)パフォーマンス(活動)ゾーン
:エネルギーあり前向き
2)サバイバル(生存)ゾーン:エネルギーあるがネガティブ
3)バーンアウト(燃え尽き)ゾーン:エネルギーなくネガティブ
4)リニューアル(再生)ゾーン:エネルギー枯渇だが前向き
※見事に3と4を繰り返していた数年前の私であることよ

■最後に:欧米のエグゼクティブとやらに一言いいたい

散々まとめつつ少しだけ文句を。「欧米か」と突っ込みたいほど、著者は欧米欧米言ってます。まずね、欧米の/大企業の/エグゼクティブ というのが特殊なのです。有能な人達なのでしょうが、恵まれた人でもあります。土曜にアウトドアを楽しみ、日曜をまるまる読書に費やせるだけの、財力と自己裁量がある人がどれくらいいるのか。家族との時間を自分の仕事に活かせるのは、子供に振り回されない分だけしか子供と関わらなくてよい人に限ります。これを日本のワーママに置き換えて出来ますか、と言いたい。性別女というだけの独身中年ホワイトワーカーには参考になりました。ただ、自戒も込めて、優雅が過ぎる、とも。
それでも、結局「自律性」がポイントなのであれば、今の自分をスタート時点に、自分のやり方で自分の時間を使うという意識改革から、始めないといけないんでしょうね。

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