洋書を英語習得に活かすためのヒント
こんにちは。洋書を読んで英語でディスカッションをするBook Club Programを提供するEnglish Library Cafe主宰のNatsukoです。
今回は、洋書を英語習得に活かすヒントをご紹介します。
1. 頑張ったら読みきれそうな洋書を選ぶ
読むのにあまりにも苦痛になりそうな本は避けましょう。自分が興味のあるジャンル、トピックについて語っている本、英語も難しすぎない本を選ぶといいでしょう。
「自分にとって難しすぎない本」とはどんなものでしょうか。第二言語習得学の世界では、言語学者であるKrashenのインプット仮説に基づき、「xxx語中、未知語はx語まで」など、具体的な数値を出したものなどがありますが、私のお勧めは、「この英語なら、わからない部分もあるけど、頑張ったら読めそうだな」と自分が感じるものがいいでしょう。当たり前ですが、「頑張る」の程度は、人によって違いますので、自分の心に聞いてみるのが一番確実です。まずは本の冒頭の5ページ程に目を通してみましょう。
2. 読了期日を設定する
何日で読み切るか、何日までに読むかを決めましょう。あなたの6〜8割程度の読解スピードはどのくらいでしょうか。何時間で何ページくらい読めそうでしょうか。週に何時間くらい読書をするかを見据えて、読了期日を決めましょう。
英語学習の観点で洋書を読むメリットは、"超"長文を粘り強く読み続ける力を醸成できることです。多少わからない部分があっても、長く立ち止まって深い沼にはまらず、読了期日を意識してどんどん読み進めると良いでしょう。精読して語彙や文法を理解したり正確な和訳を考えたいなら、参考書の長文読解のテキストや新聞記事でも可能です。せっかく洋書を手に取っているので、だらだらと読まず、一定の期間内に読み切って英語の活字への耐性をつけることを一つの目標にしてみると良いのではないでしょうか。
洋書に読み慣れてくると、各種英語試験の長文読解問題が「長くて疲れる」というより「短くてサクッと読める」くらいの感覚になってくるでしょう。
3. 著者のメッセージを意識して読む
読む際は、一語一句を完璧に理解することではなく、「著者はこのチャプター、セクション、ストーリーを通じて何が伝えたいのかを理解したい」という意識を持って読みすすめましょう。
ビジネス書やセルフ・ヘルプ本、専門書では、多くの事例が記載されていることが多いです。事例のストーリーが長すぎたり、背景知識が乏しかったりすると、英語が完璧に理解できていないことが更なる足かせとなり、ピンとこないということがあるかもしれません。このような場合は、とりあえず前の段落にあるであろう著者の主張をつかんでおき、事例理解は後回しにしましょう。読了期日を決めていますので、とにかく解読の沼にはまらないで、どんどん先に進みましょう。
アドラー心理学のモーティマー・アドラーも 、著書"How to Read a Book"の中で、難しい本を読む場合について、以下のように述べています。
4. 辞書利用は、出現頻度が高い単語やキーワードの場合だけ
辞書や文法書の利用は、出現頻度が高い単語や文法に留めると良いでしょう。調べるのに費やす時間が長期化し、解読の沼にはまらないように意識することをお勧めします。
深く調べたいものや、わからない単語は、さっとどこかにメモをしておき、読書の時間外で行いましょう。
5. ブッククラブに参加する
洋書のブッククラブ。最近少しずつですがより気軽に参加できるものが増えている気がします。募集から開催まで全てオンラインで完結できる時代になってきました。
仲間を見つけて、同じ洋書について語り合う場があれば、自分の読解を確認することができます。また、内容について意見交換をすることで、読みが深まるでしょう。
ブッククラブの中でも、特にお勧めは、本のトピックの専門家や、英語熟達度が高いメンバー(ネイティブスピーカーなど)が参加しているグループです。身近にそのようなグループがあれば是非覗いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
洋書を英語習得に活かすヒントについてお伝えしてきましたが、共通して鍵となるのは、「洋書を読むことに何を求めるか」を明確にすることだと思います。
長文読解問題ではなく、英字新聞や雑誌でもなく、あえて何百ページもある洋書を読むのであれば、英語の活字を読み続けることへの耐性向上、主旨を見失わないような読解力の醸成を意識すると良いのではないでしょうか。
英語習得・英語学習において、洋書は多くの可能性を秘めています。
洋書を活用した英語習得のヒントは今回紹介したものに限りません。
もし洋書にチャレンジしたことがないのであれば、是非一冊手に取ってみてはいかがでしょうか。
皆さんの英語習得ジャーニーを応援しています!
おまけ&宣伝
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