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リサーチ方法詳しく知る|Learn more about research methods
ユーザーを理解することは、UXデザインの最も重要な部分の1つです。この記事では、ユーザーやユーザーのニーズについてデザイナーが持つ仮定を回避するために行う一般的なリサーチ方法について説明します。
リサーチの種類について
リサーチを分類する方法は2つあります。それは、誰がリサーチするか、と収集されるデータの種類です。
リサーチを分類する最初の方法は、誰がリサーチするか、つまりプライマリーリサーチと、セカンダリーリサーチに基づきます。
プライマリーリサーチ
プライマリーリサーチとは、自分自身で行うリサーチのことです。インタビュー、アンケート、ユーザビリティテストなど、ユーザーと直接のやり取りから得られる情報をプライマリーリサーチと言います。
セカンダリーリサーチ
セカンダリーリサーチとは、他人がまとめた情報を利用したリサーチです。例えば、書籍、記事、雑誌などの情報源からの情報を使用することをセカンダリーリサーチと言います。
リサーチを分類する2番目の方法は、収集されたデータの種類(定性的または定量的)に基づきます。
定性的(qualitative)リサーチ
定性的リサーチは、主に観察や会話を通じて収集されます。このリサーチはユーザーのニーズの理解に基づいており、"Why"または「どうしてこうなったのか」"How did this happen?"を理解することを目的としています。
定量的(quantitative)リサーチ
定量的リサーチは、数えたり測定したりすることで収集できるデータに焦点を当てます。このリサーチは、大規模なリサーチから収集されることが多い数値データに基づいており、"How many?"または"How much?"を理解することを目的としています。
以上の4種類のリサーチは、混在する可能性があります。プライマリーリサーチ及びセカンダリーリサーチは、定性的及び定量的の両方で行うことができます。例えば、インタビューは定性的リサーチです。そして自分自身で行うインタビューは、プライマリーリサーチです。他人が行ったインタビューに関する記事をレビューする場合は、セカンダリーリサーチです。収集したデータを元にデザインの決定をするため、これらのタイプのリサーチの違いを理解することが重要です。
プライマリーリサーチ
インタビュー
インタビューは、人々の意見、考え、体験、感情に関する詳細な情報を収集するために使用されるリサーチ方法です。インタビューは1対1で行うことも、フォーカスグループなどのグループで行うこともできます。
インタビューは定性的リサーチと定量的リサーチの形式を取ることができます。定性的リサーチ方法には、参加者に自由形式の質問(open-ended questions)をして、詳細な説明をしてもらうことも含まれます。定量的リサーチ方法には、"yes"または"no"のみので答える質問や、複数の選択肢から回答する質問など、クローズエンドの質問(close-ended questions)のみが含まれます。
ベストプラクティスは、リサーチ中に少なくとも5回のユーザーインタビューを実施することです。インタビューを実施すると、プロダクトの何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかについて、ユーザーからのフィードバックに類似点を見つけることができるようになります。これが最もデザイナーが望んでいる種類のフィードバックです。
メリット
ユーザーの考え、その理由を理解できる。
ユーザーの回答に合わせて、質問や、ディスカッションの焦点を調整できる。
リアルタイムで追加の質問ができる。
ユーザーのニーズに合わせた質問ができる。
ユーザーから直接提案を得ることができる。
デメリット
各ユーザーにインタビューするのは時間がかかる。
参加者や、スペースに対する支払いでお金がかかる。
時間と資金の制約で、サンプルサイズが小さくなる。
グループインタビューはバンドワゴン効果の影響を受けるかの性があり、創造的に考えずグループの意見に同調してしまうため、グループの大多数と一致しない意見を持つ人のオープンな議論が妨げられる可能性がある。
もっと知りたい方は、Nielsen Norman Groupの以下の記事を読んでみてください。
アンケート|Surveys
アンケートは、プロダクトについて多くの人がどう思っているかを理解するために、大勢に同じ質問をするアクティビティです。アンケートは、開発中及び開発後のプロダクトの成功を確認するのに優れた方法です。例えば、プロダクトのリリース後にアンケートし、プロダクトの有効性を調べると、将来の改善のための基盤を得るのに役立ちます。
参加者に自由回答形式(open-ended)の質問をすることによって、より明確な定性的(qualitative)な回答や、選択形式などの質問をすることによって、数値データなどの定量的(quantitative)な回答を得ることができます。
メリット
サンプルサイズが大きいほど、より多くのことを知ることができる。
結果と洞察を迅速に収集できる。
アンケートは、回答するのにあまり時間がかからず、リモートでも実施できるので、通常安価である。
デメリット
アンケートでは、あまり詳細なフィードバックが得られないことがある。ほとんどの質問には、複数の選択肢からなる回答が含まれる。
リサーチの質問の種類によっては、アンケート形式では機能しないものもある。
通常、アンケートはパーソナライズされない。
もっと知りたい方は、usability.govの以下の記事を読んでみてください。
ユーザビリティテスト|Usability Studies
ユーザビリティリサーチは、ユーザーに対してプロダクトをテストすることによってプロダクトを評価するために使用される手法です。ユーザービリティリサーチは、プロダクトが正しい軌道に乗っているかどうか、またはデザインを調整する必要があるかどうか実証するのに役立ちます。対面でもオンラインでも、ユーザービリティテストする方法はたくさんあります。ユーザビリティセッションを音声またはビデオで記録し、後のプロセスでデザインの決定を行う際にユーザーデータを参照できるようにすることが大事です。
定性的(qualitative)リサーチは観察に基づいていて、ユーザビリティテストをする上で重要な部分は、参加者がデザインしたプロダクトとをどのように使うか観察することです。ユーザビリティテスト中に定性的(qualitative)リサーチに焦点を当てると、プロダクトを体験する際のユーザーの行動を評価することで、よりパーソナルな洞察を得ることができます。定量的(quantitative)リサーチは、ユーザビリティリサーチを実施して参加者のプロダクトに対する印象を理解する際にも使用できます。
メリット
ユーザーとの直接のやり取りや観察から学ぶことができる
ユーザビリティテストでは、予想とは全く異なる結果を実証することでプロダクトについての思い込みに疑問を投げかけることができる
ユーザーから詳細なフィードバックを得られる
デメリット
ユーザビリティテストでは、プロダクトの使いやすさのみを測定する
この種のリサーチでは、特に対面で実施する場合、費用がかかる可能性がある
ラボでの管理されたユーザビリティテストと、ユーザーが実際の生活でプロダクトをどのように体験するかの間には、違いがある可能性がある
もっと知りたい方は、Nielsen Norman Groupの以下の記事を読んでみてください。
セカンダリーリサーチ|Secondary research methods
セカンダリーリサーチは外部ソースの情報を使用するため、プロジェクトのどの段階でも行うことができます。言い換えれば、セカンダリーリサーチはプロダクトやデザイン対象のユーザーの直接的な結果ではありません。セカンダリーリサーチ中に発見した情報は、プライマリーリサーチの基礎となる可能性があるため、どこに焦点を当てるべきかについてより適切なアイデアが得られます。または、プライマリーリサーチの結果を補足することができる場合もあります。
メリット
セカンダリーリサーチは一般にプライマリーリサーチよりも時間やお金を節約できる。
オンライン検索や購読型の研究出版物を通してセカンダリーリサーチを見つけることができる。
セカンダリーリサーチは、プライマリーリサーチを補足するのに適している。
デメリット
ユーザーからの直接的なやり取りからのフィードバックは得られない。
プロダクトに固有のユーザーからのフィードバックが得られない。
セカンダリーリサーチは、適切に行われないと誤解を招き、一般化する可能性がある。
もっと知りたい方は、Nielsen Norman Groupの以下の記事を読んでみてください。