【パラリンピック】北京2022 大会最終日・お茶の間観戦記
ついに最終日となりました。
冬季パラは競技数も少なく、放送も限られていたのでフル観戦はできませんでしたが、なんとか大会に寄り添えたと思っています。
では最後のレポです。
クロスカントリー男女混合リレー
男性2人・女性2人の4人で2.5kmずつを繋ぐリレー。
立位・座位・視覚障害の選手が一緒になって走るので、なんだか運動会のような雰囲気で楽しいです。
部活動対抗リレー的なあの感じ。
日本は8チーム中7位でしたが、3走の森宏明選手もレース後のインタビューで「運動会をやっているような盛り上がりだった。楽しみながら、アンカーの阿部選手につなぐことを考えて滑った」と語っていました。
やっぱり選手もそう思ってた!
夏季パラリンピックのユニバーサルリレーもそうですが、違う障害の人同士でリレーするのって、すごく素敵だなと思います。
障害はそれぞれ違うけど、お互いに認め合っている感じが伝わってくるので大好きな競技です。
クロスカントリー・10kmリレー
男女関係なく、そしてメンバーも2人から4人で自由に選べるリレーです。
日本は新田佳浩選手と川除大輝選手の2人が交互に走る形を取りました。
先に新田選手が走り、そのバトン(物理的にバトンを渡すわけではないですが)を川除選手が受けるという、まさに今大会の2人の関係性を表したようなレース。
結果はこちらも7位入賞。
実はこのメンバー構成、チーム監督から2日前に突然発表されたそうなんです。
引退する新田選手から次世代エースの川除選手へバトンを渡すという、ある種日本クロカン界の儀式のようなサプライズでした。
すべての種目を終えた新田選手の笑顔が素敵。
新田選手、本当にお疲れさまでした。
アルペンスキー男子回転・座位
「回転」はパラ・アルペンスキーの中で最も難易度の高い種目です。
コース内に細かく立てられた旗門を決められた通りにターンしながら滑走するのですが、少しでもコースから外れてしまうと失格になってしまいます。
特にチェアスキーや片足の選手は細かな動きに対応するのが難しいため、緻密なテクニックが求められるのです。
さらに今回は非常に厳しいコースセッティングだったため、出場した39名中半数以上がゴールまで辿り着けないという事態に。
セッター鬼ですわ。
1回目、4位に着けていた鈴木猛史選手でしたが、2回目の後半に攻めすぎたのが災いしたか転倒してしまい…。
残念ながらメダルには手が届きませんでした。
最後は悔し涙のインタビュー。
しかし「妻と息子にメダルを見せる」という夢を目指して、まだまだ鈴木選手の挑戦は続きます。
閉会式
開会式同様、チャン・イーモウ監督が総合演出を担当。
途中、青と黄色のウクライナカラーの演出がありましたが、こっそり仕込んだのでしょうか。
というのも、開会式でのパーソンズ会長の平和を訴えるスピーチを、中国の番組中継では途中から訳さないということがありましたので。
中国としてはウクライナとロシアの問題はセンシティブなので、どちらかに肩入れしたくないのでしょう。
今回の会長のスピーチは開会式よりも幾分穏やかでしたので、中国でも翻訳されているといいですね。
開・閉会式は2時間ほど行われるのが通例ですが、今回は異例の1時間という短さ。
でもこのぐらい短くても全然いいのかもなあ、と思ってしまいました。
ダラダラやっても飽きますしね。
まとめ
今大会はなんと言ってもウクライナ勢の活躍が光りました。
28個のメダルは同国の最多記録で、その内10個が金メダル。
大会中、父親がロシア軍の捕虜になったり自宅を砲撃された選手もいた中で、やはりウクライナ選手団には期するものがあったのでしょう。
「平和の祭典」は終わりましたが、彼らがこれから「平和ではない日常」に身を置くことを思うと、心が痛みます。
そして日本選手団は金4つを含む7個のメダルを獲得しました。
オリパラの度に「メダルの数を気にするなんて!」というご意見を目にします。
もちろんメダルだけに目を向けるのは良くないことです。
ただ、選手たちが参加する理由や想いはそれぞれでして。
出場できるだけで嬉しい人もいれば、金メダルだけを目指して4年間努力し続け、銀メダルに悔し涙を流す人もいます。
アスリートには様々な事情があり、参加する背景も異なるのです。
「税金を使っているのに」とか、逆に「メダルばかり報道するな」といった声には違和感を覚えてしまいます。
ちょっと湿っぽくなってしまいましたが、私はこれからもオリパラに挑戦するアスリートを応援し続けます。
レポにお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。
それではみなさん、2024年パリ大会でまた!