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2021年の振り返り②東京パラリンピック2020

今年を振り返ろうぜシリーズ第二弾です。
ちなみに前回は東京オリンピック2020について振り返りました。

「オリンピックしか見ないなぁ」という方はとっても損をしています。
パラリンピックは激アツです

今回は東京パラリンピックも骨の髄までしゃぶりつくした私が、個人的名場面集をお届けします



パラリンピックはやさしくて面白い世界

正直言って、私も数年前までパラリンピックにあまり興味はありませんでした。
「なんか障害者の人が頑張る大会なんだよね」的な印象しかなかったのです。

しかし2016年のリオパラリンピックで、たまたま深夜に目にした男子400mリレーの表彰式に心を奪われました。

オリンピック・パラリンピックではメダルと一緒に大会マスコット人形が渡されます。
しかしこの競技には片腕しか無い選手も参加していたため、マスコットを片手で持ちながらプレゼンターと握手をすることが不可能でした。

そこで隣の選手が機転を利かせ、首から下げたメダルとリボンの間の部分に、マスコットをスポンと入れてあげたのです。
えーと、ディズニーのポップコーンバケットみたいな感じで。(わかりづらい!)

その時、ハッとしたのです。

障害者に寄り添うって、こういうことなんだなって。

大げさな助けじゃなくて、ちょっとした日常の困っている部分とか、「これだけ手伝って欲しい」って部分を手伝うことなんだって。

私は俄然パラリンピックに興味を持ちました。
そして、パラリンピック特有の競技性にハマっていったのです。



ボッチャ男子個人・杉村英孝選手の見せた涙

パラリンピックにはボッチャという競技があります。
球を6個ずつ投げ、白い目標球「ジャックボール」にどれだけ近付けるかを競う競技で、たった一投で局面がガラリと変わるのでドキドキワクワクです。

この種目でキングと称されているのが、タイのワッチャラポン・ヴォンサー選手。
タイ国内では絶大な人気を誇っています。

彼を超えるため、杉村選手はコーチと共に練習と努力を続けてきました。

そして迎えた東京パラリンピック。
彼は決勝戦で圧倒的な力を見せつけ、ワッチャラポン選手に勝利したのです。

いつもはクールな杉村選手が、コーチと一緒に涙を流したシーンは本当に感動的でした。

ボッチャチーム主将として重責を担った彼に、心からのお疲れ様を言いたいです。



車椅子ラグビー・池透暢選手がメダルを天に掲げるシーン

彼を知らない人は、きっと身内に亡くなった人がいたんだろうな、と思ったかもしれません。
しかしそうではないのです。

彼は天国の友人3人にメダルを掲げました

19歳の時、彼と友人4人で乗った車が衝突事故を起こします。
車は大破し炎上。

かろうじて助け出されたものの左足切断の上、全身に重度の火傷を負い、想像を絶する痛みに毎日地獄のような日々を過ごします。

もう死にたい。

そんなある日、同乗していた友人の母親から、4人中3人がすでに亡くなっていることを初めて聞いたのです。

彼らと、そして彼らの親御さんのためにも、自分は這ってでも生きなければならない

念願のメダルを、きっと天国の友人達も祝福してくれているはずです。



ゴールボール女子準決勝・欠端選手と萩原選手の悔し涙

左が先天性白皮症(アルビノ)の欠端選手、右が網膜芽細胞腫の荻原選手

ゴールボールはアイシェードを着けて行う視覚障害者の競技で、簡単に言うと「暗闇で行うPK」みたいな感じです。

ボールに入っている鈴の音を頼りに相手の投げたボールをセーブするのですが、バウンド等の技術やフェイントを用いた心理戦も魅力的で、あっと驚くようなゴールが生まれます。

日本の女子準決勝の対戦相手は、世界ランク1位のトルコ。
萩原選手の得点などで善戦したものの、敗れてしまいました。

試合直後、2人は涙を流しながらインタビューに応じます。

「課題の守備が甘くて勝てなかった」
「自分のディフェンスが崩れてしまった」

それでもなお前を向き、3位決定戦では必ずメダルを持ち帰ると誓い、そして本当に銅メダルを獲得しました

負けて「仕方ないよね」と笑うのではなく、涙を流して悔しがれる人が、真に強い人なのだと思います。



アーチェリー男子・上山うえやま友裕選手のクイバー

矢を入れる筒のことをクイバーと言う

東京オリンピック・パラリンピックは本来2020年に行われるはずでしたが、コロナ禍の影響により翌年に順延となりました。
この期間にグンと成長し、新たに出場の機会を得られた選手もいれば、本来出場するはずだったのにそれが叶わなくなった選手もいるのです。

アーチェリー個人リカーブに出場した上山友裕選手には、尊敬する先輩がいました。
年は離れているけれど、なんでも言い合える仲間、仲喜嗣なかよしつぐさんです。

2人はパラリンピックに内定しており、共に戦うことを楽しみにしていました。

しかし延期が決まった半年後、仲さんはこの世を去ってしまったのです。

悲しみに暮れる上山選手に、仲さんの奥様は、彼が生前愛用していたクイバーを託しました。

「僕、他の選手より有利だと思うんですよ。だって試合中、仲さんと相談しながら弓を構えられるんですから」

個人戦では17位に終わりましたが、仲さんからの叱咤激励を受け、きっとまた前を向いてくれるはずです。



パラリンピックの楽しみ方は自由

障害者が頑張っている姿は、時に「感動ポルノ」などと揶揄されることもあります。
障害者に安易に感動を求めるな、という意見もあるのでしょう。

しかし感動に健常者も障害者も無いのでは?と思います。

五体満足だろうと障害があろうと、真摯に競技に向かい全力を尽くす姿に感動し心が震えることの、何がいけないのでしょうか。

パラ種目ならではの競技性に着目するも良し。
選手のバックボーンを知って応援するも良し。
たまたま見た歓喜のシーンに涙するも良し。

開催が不安視されてはいますが、2022北京オリンピック・パラリンピックも楽しみにしています。

続編はこちら。


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