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飲食店スタッフによる「ホールを回すコツ」

その昔、勤めていた飲食店のマニュアル作りを頼まれた事がありました。
「ホールの回し方」の項を書く時に、自分の考えだけでなくネット上の意見も参考にしようと思って検索したところ、ほとんど情報が無かったのです。

先日、久方振りに飲食店に勤めることになって改めて検索してみると、やはり具体的に説明している記事は少ない印象でした。

そこで今回は「飲食店でバイトを始めたけれど上手く回せない」「やることが多すぎてパニックになる」という人のためにホールスタッフが上手に店を回すコツについて書いてみます。

※記事内の図表は○○について思うことさんが作成してくれました。

毎度ありがとう!



流れを把握する

まずは一組のお客様が入店してから退店するまでの流れを把握しておきましょう。
お店の業態によってスタッフの仕事量は異なりますが、基本的な流れを覚えておくと自分が次に何をするべきか分かりやすくなります。

勤めているお店の流れをメモに書き出してみてください。
例えばこんな感じです。

業態によって変わります

書き出して見える化しておくと頭と体の動きが連携されやすいのでオススメします。



優先順位を決めておく

ホールの基本的な仕事はお客様への応対ですが、その内容は多岐に渡ります。

ドリンクを作っている最中にお客様から呼ばれたり、料理を運ぼうとしている時にお会計を頼まれたり。
やる事が多すぎて何から手を付けていいか分からずパニックになってしまうこともあるでしょう。

そんな時のために自分の中で優先順位をあらかじめ決めておくことが大切。
一例として、以前私が働いていた店の「キャパ数30席のホールを1人で回すランチタイム」の優先順位がこちらです。

ワンオペの場合

これを一連の流れとして書くとこうなります。

レジでお会計をし、お見送りしたら厨房へ行って料理をもらい、同時に新規へのお冷とおしぼりを持ってお客様のテーブルへ提供。
他のテーブルの新規オーダー追加オーダーを伺ってプレバッシングして洗い場に出し、厨房にオーダーを通してからファーストドリンクとセットのサラダを用意。
テーブルに提供したらまたプレバッシングしてから戻って洗い場に出し、お冷や回りをしつつ各テーブルの状況を把握。
呼んでいるお客様がいなければバッシング&セッティングし、新規のお客様をご案内する。

「席が空いたらすぐに片付けてご案内する」という客数優先の店もありますし、ウェイティング(入店待ち)の方から「席空いてるんだからさっさと案内しろ!」と言われることもあります。

これは個人的な考えですが、飲食店においては今お店にいるお客様>これから入ろうとする人です。
店の業務キャパを超えそうなら(特にワンオペの場合)、席が空いていても新規の入店をストップしましょう。
まだお店に入っていない=まだお客様ではないからです。



マルチタスクを覚える

先述したように忙しい時間帯は同時に多くの業務を抱えます。
お店に慣れてきたら同時進行を覚えましょう。

自動ビールサーバー(グラスをセットすると勝手に規定量注がれる)やコーヒーメーカーがある店舗は、ドリンクが出来上がるまでの待ち時間が生まれます。
この間に他のドリンクを作ったり洗い場から戻って来たグラスを並べたり物品の補充をしたりして、手持ち無沙汰な時間を無くすのです。

また、同時に出来上がったドリンクと料理があったら一緒に持って行きましょう。
その際は「生ビール3番テーブル、アヒージョ6番テーブル」と声に出すのが大事です。
間違っていたら他のスタッフが訂正してくれるので提供ミスを防げます。



パンクしたら水を飲む

お店の収容人数に対して明らかに人手が足りない場合は店が回りません。
オーダーやお代わりを呼んでいるお客様が何組もいて、料理が出来上がっているのに提供出来ないし、店外には行列が出来ている。

これをパンクと言います。
一度パンクしたら、次の出勤スタッフが来るかピークが終わるまでは立て直せません。

こうなってしまった場合は一瞬でも良いので裏(お客様から見えない場所)に引っ込みましょう。
そしてお水飲んでください。
呼吸を整えるのです。

頭を空っぽにして、とりあえず目に付いた作業を黙々としましょう。
どう頑張っても立て直せないのですから、責任は充分な人員を用意できなかった店舗運営側にあります
あなたの責任ではありません。



最後に

飲食店のホール業務は体力と瞬発力と人当たりの良さ、何よりホスピタリティが求められる仕事です。
そのため向き不向きが割とハッキリしています。
そしてお客様から直接「ありがとう」「美味しかった」の言葉を聞ける素敵な職種でもあるのです。

笑顔で頑張った分だけ報われる仕事、それがホール業務。

コツさえ掴めば店を回すことは難しくありません。
慣れてくれば身体が勝手に動くようになります。

この記事が、悩んでいる方の参考となれば幸いです。


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