【パラリンピック】北京2022 大会7日目・お茶の間観戦記
あたたかい日が続いておりますが、本日の北京アルペンスキー会場、雪山なのになんと気温12℃…。
雪が溶けまくってちょっと大変なコンディションになってます。
男子アルペンスキー大回転・視覚障害
雪山に設けられたコースを旗門に沿ってターンしながら滑走する競技です。
アルペン種目の中では「技術系」に入るので、いかにタイムロス無くターンできるかが鍵となります。
視覚障害のクラスではガイドが先行して誘導しながら滑り、その声を頼りに選手が着いていくのですが。
アルペンスキーは選手とガイドが紐やストックで結ばれることがないので、本当に声のみで滑ります。
弱視や視力の一部が欠けている選手が中心ですが、スロバキアのマレク・クバツカ選手は全盲のスキーヤーです。
まったく何も見えない状態で、ガイドが腰につけたスピーカーから流れる指示のもと、慎重にターンしながらスキーで雪山を滑り降りていきます。
決して速いとは言えない速度。
それでもハラハラしながら、なんとか転倒せずに最後まで滑りきってほしい、と祈りながら見ていました。
終盤は「がんばれ!あと少し!」と思わず声を出しながらの応援。
無事にフィニッシュした瞬間、感動のあまり涙が出てしまいました…。
そして順位もなんと4位!
メダルまであと一歩という素晴らしい入賞です。
全盲でスキーに、しかもアルペンという非常に危険な競技に挑戦するクバツカ選手の勇気、本当に尊敬します。
男子アルペンスキー大回転・座位
チェアスキーという用具に乗って滑走するこのクラスには、日本から4選手が出場しました。
悲願の金メダルを狙っていた森井大輝選手は8位入賞。
日本勢では鈴木猛史選手の5位が最高位でした。
男子アルペンスキー、残る種目は最終日13日の「回転」です。
森井選手は技術系があまり得意ではないのですが、今大会最後の種目、悔いなく滑りきってほしいと願っています。
今日の注目・狩野亮選手
北海道出身の狩野選手は、幼い頃からゲレンデで雪に親しんできました。
小学3年生の時、登校中に自動車に撥ねられ脊髄損傷。
車椅子生活となります。
スキーと野球をやっていた父、そして体育教師だった母は、すぐに車椅子でもできるスポーツを探しました。
アーチェリー、水泳、車椅子バスケ…。
様々な競技に挑戦する中、長野パラリンピックで見たチェアスキーの速さに圧倒されます。
バンクーバー大会で念願の金メダルを手にしたものの、「金メダリスト」という重圧が精神的負担となり、その後は世界大会で結果を出せない日々が続きました。
しかしソチ大会で再び金を手にし、現在はアスリート人生の集大成に向かっています。
今日の「大回転」では2回目の滑走でコースアウトとなり、無念の棄権。
しかし彼の終着駅はまだまだ先にあります。
納得の行く形で晴れやかな笑顔を見せてくれるその日まで、応援し続けたいです。
大会8日目(3月11日)の予定
北京パラリンピック大会公式アナウンスにより、競技日程が一部変更となりました。
気温上昇による雪解けの影響から、スノーボードが一日前倒し、アルペンスキー「回転」も男女の日程が入れ替わりとなっています。
競技予定が変更となったため、どの種目をどれぐらい放送するかは不明です。
バイアスロンには3.11を経験した岩手出身の阿部友里香選手も出場します。