飲食店にスタッフとして潜入してみた
みなさんお疲れ様です。
今思い浮かんだ言葉が「いいじゃんコチュジャン最高じゃん」だった夏木です。
久し振りの労働で脳の言語野が疲れている模様。
さて前回サクッと仕事の面接に行ったらドストライクの男に出会ったので即決し、新しい職を得たわたくし。
先日初出勤と相成りましたので潜入レポします。
巨大ラビリンスに圧倒される
当日、指定された時間にお店に行きご挨拶。
私の初日担当者は20代後半のミカさんという可愛い女性だった。
制服を受け取って更衣室に案内してもらう途中、早速店長と遭遇イベント。
「あ、今日が初日でしたね。書類持って来てもらえましたか?」
「はい、こちらです」
私服で会うこともあるかもしれない、と想定してミニスカ履いてきて良かった。
店長、このミニスカはあなたのために捧げます。
ミカさんから説明を受けつつ更衣室のあるフロアへ。
ここはとある街の大型商業施設なのだが、従業員用バックヤードの規模が半端無い。
トイレだけで4ヶ所、休憩室も3つあり、さながら迷宮のように入り組んでいる。
「入ったばかりの人は迷子になって遅刻することもあるんですよ~w」とミカさんが恐ろしい説明をしてくださった。
方向音痴な私は「とにかく早めに来よう」と心に誓う。
何事も一発目が大事
着替えを済ませていよいよ出勤。
まずは従業員のみなさんに挨拶巡業である。
「はじめまして!本日よりお世話になります夏木凛です。よろしくお願い致します!」
第一印象は何よりも大事なので、とにかく笑顔と元気な声で挨拶。
初日に新人が出来ることなんて高が知れているのだから、やる気が伝わればそれで十分だと思っている。
「夏木さん、この方がタミヤさんです」と、店の長老的な方もご紹介頂けたのでご挨拶。
おそらく70に差し掛かろうかという御仁に「可愛いね~」と好評価を頂けたので、とりあえずこの人に阿っていこうと決める。
次にオペレーション(業務の流れ)を確認。
割とシンプルで特に難しい作業も無いが、この店は専門用語が多いため最初は暗記学習がメインになりそう。
外国料理の飲食店は通しオーダーにその国の言葉を使う店が結構ある。
イタリアンなら「ドゥエ・カフェ・ペルファヴォーレ!(コーヒー2つお願いします!)」みたいな。
これまで働いた店でもイタリア語やフランス語で1から100までの数字を暗記した経験があるので、多分何とかなるだろう。
その後ミカさんにお店のシステムなどを説明してもらっている際、連絡方法をまだ聞いて無かったと気付いた。
「そういえばお店のグループLINEまだ知らないので教えてもらえますか?」
「あ、うちはそういうの無いんです…」
なん…だと…。
平成から取り残された店
おそらく10年程前から、一定以上の規模の店では従業員の連絡網としてグループLINEが使われるようになった。
新メニューのお知らせ・テナントのパスワード変更など、一斉通知に最適なシステムだからだ。
また、遅刻や欠勤の連絡もLINE(文字)で行うのがスタンダードで、店に直接電話することは稀である。
それがこの店には無いと言う。
「あの、従業員に通知したい情報があった場合はどうしてるんですか?」
「全員分のメモを書いて、直接渡してます^^」
平成初期か!!
しかしここでグループLINEの有用性を説いて「あなたの時間外労働を減らせますよ」などと進言したところで意味は無い。
一社員である彼女に決定権は無いし、そもそもアナログ作業を「当たり前のこと」だと受け止めてしまっている。
なんだかとんでもない店に入っちゃったなぁ…。
推し活の重要性
この日はとにかく来店客数が少なくて暇。
基本的な作業を教えてもらった後はフロアに目を配りつつ、暗記学習をしたり従業員のみなさんと懇談していた。
数人の方とお話したのだが、この店はやけに推し活をしている人が多い。
アニメ・ミュージカル・アイドルなど、様々な推しをそれぞれ持っているのだ。
「夏木さんは誰推しですか?」
「えーと…。特に無いですね…」
聞かれて初めて気付いたが、私には「推し」というものが無い。
多趣味ではあるものの、応援して金を注ぎ込むような対象がいないのだ。
何だか自分が物凄くつまらない人間に思えてきてしまった。
このままでは従業員のみなさんとのコミュニケーションに支障を来すかもしれない。
休憩中、必死に自分の推しを探してみた。
「休憩戻りました。ミカさん、私さっき推しを思い付きました」
「え、教えてください!」
「令和ロマンの高比良くるまです」
「まさかのくるまwww」
正確に言うと推しでは無いのだが、私は彼の言動が好きなのでYouTubeを漁ったりすることがある。
「ひっかかりニーチェ」はオススメ。
おかげでそこからラヴィット!の話などに発展出来た。
やはり若い子との対話は大事。
今の時代、推しのひとつやふたつは持っておくべきなのだと勉強になった。
今日の店長のコーナー
仕事中、手続き関連で少し話をする機会があった。
今回もやっぱり視線がやたらと絡むけれど、特にこれといった進展は無し。
そもそもグループLINEすら無い店で個人的に連絡先を聞くのはかなり難易度が高い。
5年以上勤めているミカさんですら個人のLINEを知っているのは女性社員数人だけで、店長を始めとした他の従業員の連絡先は一切知らないそう。
「仕事のことで相談があるので」みたいな手を使えば聞けなくもないけど、今はまだその時じゃない。
かなり長期戦の様相を呈しているので、もし途中で私が店長に興味を失ったらあっさり辞めるかもしれません。
とりあえずしばらくは仕事に集中します。