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ちょっとそこまで。-鎌倉ver-

先日、と言ってもまだこんなかんかん照りになる前の先月、鎌倉へ散歩へ出かけた。行く先は勿論、決めていない。ただ、電車に揺られながら甘味処には寄りたいなと思い立ったので、サイトをいくつか回って見た。すると、どこのページにも大体名前が出てくるところがある。

茶房雲母である。

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サイトによると、絶品のあんみつがあるらしい。評価も高い。となると、せっかく来たのだから行って見ようという気持ちになるのである。お昼ご飯で腹ごしらえをし、おやつに食べられるよう鎌倉の街並みを歩いた。

どんなあんみつだろう。フルーツがいっぱいあるのがいいな、なんて想像しながら、楽しみに坂を登った。

すると、、、

緩やかな坂に沿うように人の列が出来ている。

これはもしや、並んでいるのか。まあでも少しくらいなら並んでもいっか。なんて甘い考えでいた。まさかこの考えを後で呪うことになろうとは思いもしなかった。


1時間が経過したが、待っている列が一向に進まない。

何故だ。何故進まないんだ。と苛立ちが起きるのをじっと堪え、お店の従業員さんがきっと忙しいのだ、仕方ないのだ、と言って気を紛らわせる。

(後で気付いたのですが、列が進まないのはコロナの影響で店内に入れる人数を制限していた為でした)

気がつけば「おやつ」の時間は過ぎている。3時過ぎになって漸く列が動き出す。少しずつ坂を登る。人の待つ熱気とコンクリートから立ちのぼる熱気に身体がやられたのか、もう諦めてしまおうかと考えるようになってしまった。だって進んだとしても微々たるものでズバーンとは進まない。まだ、食べられないのである。

そんな時、ふっと山の上から風が吹いた。気が紛れたのか、ここまで並んで私の時間を「待つ」ことに掲げたのだから、それを無にしない為にももう一踏ん張り待ってみようかと思い、結局最後まで並んだ。


「待つ」間の体感時間が異様に遅かったのは、自分で待つ間に楽しみを見出せなかった事と目標までの距離が掴めない為だった。

ディズニーだの、遊園地だので並ぶのと訳が違う。何もない空間に「待つ」楽しみを見つけるのは、自分の力量次第で至難の技だった。待っている間、本を読んでいたが、それも珍しく自分の趣味じゃない新しいジャンルのものだったこともあった。。今後はもう少し頭を捻って楽しみを見つけていきたい。


さて、漸く中に入ってメニューを見ると、夏限定のかき氷など盛り沢山の内容が記されていた。かき氷も気になったが、やっぱり目的のフルーツあんみつをお願いした。注文を受けてから白玉を作ってくださるこのお店で、また少し待ってみる。後少しで食べられるのだと思うとそわそわしっぱなしだった(落ち着け)。

待つこと5分

漸く目の前にお出まししたあんみつを見て、待ってよかったと心から思えた。

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白玉団子のもちもちとした食感は、今まで食べてきた人生の中で一番美味しかった!一粒一粒が大きいので、口に頬張った瞬間に幸せで溢れる。しかも盛り付けられたものはりんご・みかん・キウイ・さくらんぼなど王道な果物だけでなく甘さがないさっぱりとした塩バニラアイスと小豆が贅沢に載っている。ひと匙ひと匙ゆっくり黒蜜の甘さと共に味わう白玉は絶妙としか言いようが無いほどの逸品でした。

このあんみつだけでも十分幸せな気持ちになれるのですが、食べ終わった後出してもらえる昆布茶にも個人的には大満足でした。甘さの後にしょっぱさを少し欲しくなる人の気持ちを理解しているもてなしだなとつくづく頭が下がります。何だかんだ言って、ぶつぶつと雑念が湧いて出てきても結局美味しいものを食べると綺麗さっぱり忘れますね。大満足な一日でした。


並ぶのは大変ですが、本当に美味しいので気が向いたら是非足を運んでみてください笑

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