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俳句 「なる」

人を通して何かが生み出されるときの共通点を感じたのでメモ。

柿本さんは若いときに軟式庭球の選手で、何度も国体に出場しているんです。球技ができる反射神経・運動神経が、句を作るときにも生きている気がします。……一瞬でそこまで走って行って的確に打ち返す。それが言葉でもできている。
………
柿本さん自身は、「季語を体に取り込んで、自分のイメージを体感する。ものに潜り込んで書く」ということをおっしゃっていました。
(『柿本多映俳句集成』刊行記念座談会   生命を不意に貫く言葉)
食材を見ると何を作ろうかすぐ思い浮かぶそうだ 。そして母親は料理をすることを 「めんどくさい 」と思ったことがないと言う 。 「めんどくさい 」と思うのはその手順を思案しているからで 、意識が働いている証拠だ 。ぼくの母親は 、ほとんど考えずに料理ができるので 「めんどくさい 」とは思わないのだろう。
(『ぼくたちは習慣で、できている』佐々木典士)

読んでいるのはかたや俳句集成、かたやビジネス書。
どちらも「つくる」のではなく自然に「なる」感じがしました。この「なる」感じになりたい、と希望。

料理では、食材や調味料、調理器具や調理方法など、その人がそれまでにつちかった適切な選択。

私は、言葉も技法も、揃っていないし応用もきかないけれど試行錯誤していきたいと思います。

『柿本多映俳句集成』から
大空やどこから春の痩せてゆく
春昼の痛みなるべし火打石
憂国の春やしみじみ糸蒟蒻
もう春の山脈として濡れてゐる
春はいびつ風船売が歩きだす
遺伝子や春はあまりに葱坊主

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