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【食エッセイ】秋刀魚を綺麗に食べると、いいお嫁さんになれるらしい

秋がやってきました。
朝夕は涼しい風が吹き始め、秋の匂いを感じるこの季節、秋刀魚を焼きたくなります。
スーパーに並ぶピカピカの秋刀魚を見ると、いよいよ秋が来たなあと感じます。

幼い頃から食卓で秋刀魚を食べるたびに、「綺麗に魚を食べられると、いいお嫁さんになれるよ」とおばあちゃんが言っていました。
昔は夕飯がお魚だとテンションが下がっていたけど、プリンセスになりたかった(笑)私にとって、その言葉はとても印象的で、花嫁修行だ!とポジティブ変換していたのを思い出します。
「いいお嫁さん」ってどんな嫁さんなんだろう。なんて疑問は持っていなかったけど。

魚を食べるときに、骨をきちんと取り除いて無駄なく食べる方法は、お母さんとおばあちゃんが教えてくれました。
丸ごと焼かれた魚を前に、食べるのめんどくさいなと思いながら、2人の手元を見ながら少しずつ練習しました。
今では、魚を綺麗に食べられることが私の長所の一つ。

教わった焼き魚の食べ方は、まず頭と尾を残して、中央から身を崩さないように取ること。
秋刀魚の場合は、まず身の上側を取り分け、骨を外してから下側の身をいただくのがポイントです。
「内臓も苦味があって美味しい」とおばあちゃんが言っていたけど、私はちょっと苦手なので丁寧に取り除きます。

丁寧に食べることは、食材への感謝の表れでもあるし、一緒に食事をする人への心遣いでもあるのだと、大人になってから気づきました。
食べ方ひとつで、その人の性格や礼儀が現れる。
おばあちゃんの言う「いいお嫁さん」とは、礼儀正しく、心遣いと感謝の心を持ったお嫁さんという意味だったのかな。

今年も秋刀魚の美味しい季節がやってきました。
結婚して初めて迎えるこの秋は、夫と一緒に美味しい秋刀魚をたくさん食べたいなー。

合羽橋の大好きなお店に、新しいお皿を買いに行こうかな。
優しくて気さくな店主のおじさんと、掘り出し物がたくさん見つかる品揃えが大好きです。(結構穴場!)


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