「自分次第でなんとかなることばかりだった」
普段、子育て真っ只中にいるママたちと一緒に仕事をしているなかで、子育ての悩みを聞くことも多いです。
あるママは、お子さんの不登校の時期があったのですが、その最中は「見えないトンネルを歩いている気持ちだった」と話してくれました。
「できない」を「できる」に変えてきたからこそ
私から見て、仕事がバリバリできる方なのですが、これまでの人生で何かが「できなかった」という経験があまりなかったのだそうです。もちろん最初はできなかったり苦手だったりすることもあったとは思うのですが、努力を重ねて「できない」を「できる」に変えてきたんだと思います。
これまでは「自分次第でなんとでもなる」ことばかりだった。
なのに子育てに関しては、これまでの「自分次第でなんとでもなる」という価値観がガラガラと崩れていったらしくて。努力をするときって、「ゴール」が見えているからこそ努力できるということも多いのかもしれません。
あんなふうになりたい、こんなふうになりたい。あの点数を目指そう、あの成果を達成しようというように。何かしら「ゴール」があるものは、そこに向かって脇目も振らずに走ることができる。ゴールがあるから走り出せるとも言えそうです。
だけど子育てって、たいていの場合ゴールがないんですよね。たとえば学校に行きたくないと子どもが言い出したとして、休ませることがいいのか、多少無理してでも登校させることがいいのかわからない。
毎日学校に行けることがゴールなのか、それとも子どもが自分らしく健康的に過ごせることがゴールなのか、はたまた頑張って学校に行って、いい成績をとることがゴールなのかなど、ゴール(=正解と呼ばれるようなもの)がない。
ゴールさえわかれば前向きに進んでいけるのに、ゴールがわからないから不安でいっぱいになるし、動けないもどかしさを感じてしまう。
「なんともならない」に直面した数秘1の葛藤
こう話してくれたママは、LP(ライフパスナンバー)とS(ソウルナンバー)に1を持っています。
上のセリフに1のエッセンスがギュッと詰まっているような気がするのですが、数秘1を持つ人はゴールさえあれば、それに向かって走っていけるスピード感とバイタリティがあります。何かを克服する、何かを達成する、そういったパワーも強い。
一方で、ゴールがあるとそこに向かって猪突猛進できるのですが、ゴールが見えないときはモヤモヤしてしまう、動けなくなってしまうことも多いのです。また自分が「乗り越える」ことをやってこれたからこそ、「乗り越えられない」ように感じる状況がもどかしいのかもしれないし、動かないように見える子どもとの時間が苦しくなってしまうこともありそうです。
自分さえ頑張ればなんとかなるというところから、「頑張ってもなんとかならないこともある」「子どもは頑張れない時期もある」ということを経験する時期なのかもしれないですね。
「どうしたらいい?」よりも「どう感じてる?」
2学期がスタートして、学校に足が向かない、休むことが増えてきたというご家庭もあるでしょうか。そんなときどう解決していけばいいんだろう? と、つい頭は考え始めてしまうけれど、それこそ解決策が見えないことの方が多かったなと、これまでの25年の子育て生活を振り返って思います。
そんなときに必要なのは、子どもが「今、行けてないこと」そして「行きたくない、行けないと思う気持ち」を、ただ感じさせてあげられるかどうか。そして、その感じたことを私たち親がそのまま受け取ってあげられるかどうかだと思います。
同時に、学校に行けない子どもを前にして、ママの中にどんな感情が生まれるのかを感じることも、とても大切だと思っています。
2学期がスタートして、心がちょっぴり疲れてきたママたちのヒントになればうれしいです。