【silent】第3話 こまかすぎるあらすじ&感想
昨年2022年10月期に放送され、社会現象にもなったドラマ「silent」。
ドラマ大好きな私はもちろん当時も見ていましたし、何度も録画も見ましたし、シナリオブックも購入し、ついには円盤も購入してしまいました。
1年が経ち、Blu-rayでディレクターズカット版を観直しているのですが、本当に大好きな作品です。
当記事では「silent」第3話のあらすじ&感想を好きなだけ語っています(笑)
●「silent」概要
公式サイト
放送時期、キャスト、スタッフ
【放送時期】2022年10月期 フジテレビ 木曜22時
【キャスト】青羽紬役…川口春奈さん、佐倉想役…目黒蓮さん(SnowMan)、戸川湊斗役…鈴鹿央士さん、桃野奈々役…夏帆さん、佐倉律子役…篠原涼子さん 他
【脚本】生方美久さん
【プロデュース】村瀬健さん
【演出】風間太樹さん、高野舞さん
●「silent」第3話
3-1. すごく仲の良い友達と、すごく好きな人
湊斗…(涙)
今回は湊斗回ですね。
「silent」は想と紬のラブストーリーが軸にはなっていくけれど、私は湊斗と紬のストーリーも大好きです。
湊斗がどこまでも紬を好きで、想を好きで、自分のことは少し嫌い。
湊斗はいつも優しくて、人の気持ちに敏感で、自分の気持ちには蓋をする。
そんな湊斗が私は大好きです。幸せになってくれ湊斗…(涙)
この3話冒頭の湊斗のモノローグ、「すごく仲の良い友達と、すごく好きな人だったから、嬉しかった。すごく切なくて、ちょっとだけ嬉しかった。」は、湊斗のとても素直な気持ちなんだと思います。
湊斗はもうずっと紬のことが好きで、紬と話した回数や一緒に過ごした時間は、きっと湊斗の方が多かったのに、出会った想と紬は、周りから見てもお似合いで。"あぁ、この二人、お似合いだな"って、シンプルに何の嫌味もなく思うやつですよね。
想と紬のキューピッドとして、協力してあげたい気持ちも、本音。
むしろ二人の邪魔をしようなんて思いはきっと湊斗にはなかったんだろうな。
二人が仲良くなるのは嬉しくて、でも、ずっとどこか切なくて。
そんな気持ちでずっと、二人のそばで高校時代を過ごした湊斗。
もう自分の気持ちに蓋をすることなんて息をするように自然なことになっていたんだろうな。
そしてずっと、想の近くで、想には適わないって思いながら過ごしていたんだよね、湊斗。
想は、湊斗にとっても紬にとっても、大好きで、憧れだったんだろうな。
3-2. 大丈夫だよ
このシーンもとても好きです。
ファミレスで仕事のことを一方的に語る紬、ずっと湊斗の顔を見ないんですよね。
紬と目が合わなくて、ふとガラスに映る紬を見た湊斗は、紬が泣きそうな顔で喋っているのに気付く。
目を合わせず、ばーっと喋って、大丈夫、食べてる、寝てるって紬が言う時は、大丈夫じゃない時。
この時の紬って、きっともう限界で、そんなことはずっと紬を見てきた湊斗には当然すぐわかって、湊斗らしい言葉を紡いで、紬にそっと渡す。それが、紬の張りつめていた心をそっとほぐしていく。
いつも、湊斗の声や言葉なら、強がる紬も静かに受け取れるんですよね。
頑張り屋さんの紬が、「殴っちゃうと思う」と湊斗に言われて、ずっとこらえていた涙が止まらなくなってしまうシーン、川口春奈さんの唇を震わせて泣くお芝居がとてもリアルで胸を打ちました。
ずっと一人で黙って耐えてきて、きっと誰かに助けてほしかったし、逃げ出したかった紬を、湊斗が肯定してくれたんだよね。
この時、一緒に泣いた社会人、きっと多かったんじゃないかな。
高校時代も仲が良かった紬と湊斗だけれど、きっとこの時から、紬にとって湊斗は、強がらない自分でいられる場所で、そばにいるだけで癒されて支えられる存在になったんだろうなと思います。
想と別れたから、近くにいた湊斗と付き合ったんじゃない。
ちゃんと紬と湊斗には二人のストーリーがあって、お互い必要で、紬は湊斗が思う以上に湊斗に救われて生きてきた数年間だった。
湊斗はそれでもずっと、頭のどこかに"想には適わない"という思いがこびりついていたから、ずっと不安で仕方なかったんだろうけど、紬は湊斗が思う以上に、湊斗のことをちゃんと好きだったんですよね。
そんな二人の関係がわかるシーンでした。
しかし湊斗、まだ社会人になって浅いだろうに、こんな風に考えられてこんな言葉をかけてあげられるって、なかなかできた人間ですよね。
意外と湊斗もストレス溜まってて、一人動物動画に癒されてるのかな。
湊斗はいつも自分に自信がないけど、すごく賢しくて、冷静で、優秀で、人のこともよく見ているし、職場でもきっと期待されていて、なかなかハイスペックですよね。きっと本人の気付いてない良いところがたくさんある。自己肯定感もっとあげていこうよ湊斗。
3-3. 再会
湊斗と想がやっと再会しましたね。
ここでの湊斗は、紬と想が勝手に会っていたことに怒っているのではなく、耳が聞こえないと知ってから想を初めて見て、動揺したのだと思います。
今の想をすっと受け入れた紬に対して、湊斗はまだ、いろいろな思いを抱えている状態。想も気まずそうで、この後の二人の展開が今回の第3話の軸になります。
3-4. 想と湊斗
紬や湊斗と再会をしても、想にとってはまだ二人とはぎこちないのに加え、自分は生きていく世界が違うと思っているのでしょう。
奈々と一緒にいる時の自然な笑顔が、聞こえる世界と聞こえない世界の差を表現しているように感じます。
でも想、カフェから出て紬と歩いている時の君、ほんと楽しそうで可愛かったよ。(小声)
光くんはほんとに察しがいいですよね。光は紬と湊斗くんに幸せになってほしいと願っているけれど、何よりも、お姉ちゃんに幸せでいてほしい。
きっと、ごはんも食べれず寝れず仕事でぼろぼろになっていた頃の紬を光くんはそばで見ていたから、紬の些細な変化にも敏感なんですね。
こんな弟ほしいランキングNo.1、光。
3-5. 代わりとか思ってない
この物語において、春尾は手話やろう者というものに対して、現実的でシビアな事も伝えてくれる役割ですよね。春尾の言葉にはよくハっとさせられますし、無意識にある自分の中の偏見とも思っていないような偏見や、偽善的な考えに気付かされます。
光はほんとに良い弟だな。湊斗の性格もよくわかっていて、想との再会を受けて湊斗が紬から離れていってしまうような気がして、繋ぎ止めに来たのでしょうか。光の言葉を聞いて、安心したように笑う湊斗でした。
3-6. 佐倉家
光くんは、きっと想と紬が付き合って別れた時の紬のことも知っているから、また変にかき乱してお姉ちゃんを傷つけてほしくないんでしょうね。
湊斗のところに行って、萌にも連絡して、姉のために必死な光です。
萌ちゃんも萌ちゃんで、本当に察しがよい妹で。
ここでの萌の紬に対する台詞は少々トゲがありましたが、萌ちゃんだってお兄ちゃんが耳が聞こえなくなっていく様子、周りと疎遠になっていく様子をそばで見てきて、兄ばかり心配する母に傷つきながらもいろいろと自分なりに消化して過ごしてきたからこそ、素直な気持ちで腹が立ったのだと思います。
律子は、想の難聴が遺伝性という医者の言葉を聞いてから、萌や華のこともずっとどこかで心配で、ことあるごとに不安と闘ってきたのだと思います。
どうしても想のことを心配してしまって、でも想は距離を置いている。
いつも間に挟まれてきた萌ちゃん、本当は自分のことも心配してほしいんですよね。
3-7. 今好きなのは湊斗
エプロンの肩ひも直す想くん、あざとすぎて好きです(笑)
私の肩ひも、直してほしくてずっと下がったままなんですけど早く来てくれませんか?(笑)
紬と湊斗の邪魔をしないようにと気を遣う想。でも本当は、こうやって紬と会い続けることで、想の中にある紬への思いが膨らんでいってしまうからという想いもきっとありますよね。
湊斗のことを好きだと言い、自分の事をもう好きじゃないと言う紬の話を聞く想の表情が、想の中にある想いを物語っていました。
想が一方的に振ったんだけどね!!!!!!!!!!!
一方的に振って、8年経って再会して、俺の存在が二人を邪魔しているんじゃないかと心配するなんて、すごくいじわるな言い方をすると、そんなに自分に自信あるんかい想、という感じでもありますが(笑)
でも、背景には想と湊斗の親友としての絆もあって。湊斗の気持ちが分かる想だから、素直な気持ちで心配なんだろうな。
きっとやっぱり、自分は生きる世界が違うという気持ちがあるから、再び道が交わってしまったせいで、誰かを傷つけたくないんだろうな。
紬が話した事はきっと本心。これからも想と前みたいに友達として付き合っていきたいし、湊斗と想にも、以前のように戻ってほしいから、あんな別れ方をした自分と想の間に変なわだかまりが残ってしまわないように、あえてはっきりと言葉にしたのでしょう。
8年経って、やっと言えた、佐倉くんへのサヨナラですね。
でも、どこか自分に言い聞かせているようなところもあって。話せば話すほど、自分から想との間にきっぱり線を引こうとするほど、何か自分の中にある気持ちが顔を出しそうな気配を感じているような様子。
今好きなのは湊斗。でも、佐倉くんのことを想くんって一度しか呼べなかったこと、想には紬と一度も呼んでもらえなかったこと、その時の切なさはその時のままずっと残っていて、なんとも言えない気持ちになってしまったのかな。
初めてちゃんとサヨナラを、もう好きじゃないと伝えて、自分で線を引いて、サヨナラを実感してしまったのかな。
自分との気まずさを理由に、また想が自分の前から突然いなくなってしまうんじゃないか、そんな不安もあったんじゃないかな。
やっと会えたけど、また前みたいにどうでもいい話をして笑って一緒にいたいけど、8年の時と、その間に変わってしまったことが、そうはさせない。そんな現実のもどかしさを感じたシーンでした。
8年って大きいですもんね。ほんと、大きいよ。
3-8. 聞こえない
湊斗の想に対する素直な気持ちが表現されたシーンでした。
当たり前のように想のことを受け入れて、手話を覚えて、まっすぐ向き合っていく紬。湊斗はまだ受け入れられなくて、どうしても以前の想のイメージがこびりついて離れない。
想との関係が対照的に描かれますが、湊斗の気持ちや行動って、決して非難されるべきものではなくて、きっとすごく自然。
大好きで、大切だった親友が、8年前に一方的に姿を消して、やっと現れたと思ったら、声が届かない。
信じたくないし、そんな想をすっと受け止めてあげられない自分のことも嫌だし、なんで親友の俺に相談ひとつしてくれなかったんだっていう想いもあるでしょうし。
紬もひとつ前のシーンで言っていたように、もしいつか再会したら、どうでもいい話、したかっただけなんだよね。
想って呼んで、笑い合って、どうでもいい話して、サッカーして。湊斗だって、突然想を失って、傷ついてきたもんね。
3-9. 昔のようには戻れない
相変わらずナイスアシストな萌ちゃん。でも頑なな想。
家族の前では最低限の声は出して話す想。でもきっと声を出す度に、聞こえないことを思い知るようなところもあるんだろうな。
3-10. テントウ虫
何気ないようで、それぞれの性格がよく表れているシーンでした。
湊斗はもう、紬と想の未来を想像してしまっているから、紬と自分の新居探しは進める気がなさそうですね。物悲しい表情の湊斗が切ないです。
ここでぐいぐい新居探しを進めてしまって、紬の心が想に向かないように引っ張っていってしまうことだって出来たはず。
でもそんな風に振舞える湊斗じゃないし、紬の心がもう想にあるなら、自分が縛り付けたくないんだろうな。二人の邪魔者になりたくないって、湊斗も思っているんでしょうね。
前回気まずく分かれてしまった想と湊斗の再会に慌てる紬。
慌てる紬の声を聞いて、逆に落ち着くことが出来た湊斗。
湊斗はいつも紬の前では優しくて穏やかで余裕そうだけれど、本当は自分にだって余裕なんかない。でも、紬のためならいつだってそうなれるんだよね。
しかし家の近くまで来ているから話したいという想。ちょっとホラー(笑)
想は想で結構ぐいぐい来ますよね。湊斗と話したいんだろうけど、湊斗に連絡すればいいのに!
そして、部屋に迷い込んできたテントウ虫ですが、テントウ虫って、幸せを運ぶと言われています。
紬は良く窓を開けっ放しにしていて、虫が入ってくるからやめろと光に怒られていました。きっと今回も、紬が開けっ放しにした窓からテントウ虫が入ってきたのかな。
紬が閉ざさずにいた窓から、飛び込んできたテントウ虫。
そのテントウ虫を、そっと優しく逃そうとする湊斗。
湊斗の元から飛んで行ってしまったテントウ虫。その先に、想。
まるで、湊斗の元から想のもとへ行ってしまう紬のようでもあり、湊斗が自ら紬を手放すことの暗示でもあり。
なんだこの神演出。
3-11. 無視すんなよ
みーーーなーーーーーとーーーーーーーーーーーーー(号泣)
ここの回想シーンの挿入の仕方、神でしたよね。
湊斗が「想!」って呼んで、にたーって想が振り向いて、笑い合う二人。
想と湊斗の笑顔がもう本当にキラキラしていて眩しくていつまでも見ていたい。いつまでも見ていられる。そして好きになる。
想くんも好き。湊斗も好き。ありがとう。(は?)
高校時代、こんな風にいつも「想!」って呼んで、想くん振り向いて、湊斗笑ってたんでしょ?
想と湊斗の呼んで振り向き笑い合うシーンだけの特集、スピンオフか何かでやっていただけませんかお願いします。
私も想くんのことて呼んでみたいし、湊斗に名前呼ばれて振り返りたい。
いやでもあんな笑顔で振り向かれたり名前呼ばれたりしたら耐えられないな、無理です。だからやっぱり振り向かないでほしいし呼ばないでほしい。(なんの話?)
このシーンみんな好きですよね。もう本当に好き。(わかったよ)
私の心の青春の1ページにこのシーンを刻みます。(勝手にどうぞ)
そんな高校時代のシーンと、現在のシーンとの対比。悲しすぎる。
鈴鹿央士くんの涙のお芝居が素晴らしすぎる…。
湊斗って、基本的にずっと一定のテンションで、優しく穏やかだったから。
こうやって感情が爆発するシーンがとても効果的で、湊斗の抱えていた気持ちの苦しさが画面いっぱいに伝わってきます。
突然いなくなって、知らない間に聞こえなくなっていて、一人で全部抱えていた想。
湊斗は、紬のこととかいろいろ、ほんといろいろ、ぐちゃぐちゃした想いはあったけど、ただシンプルに、友達だから。
湊斗にとって想は大好きで大切な友達で、想にとって自分もきっとそうだって思ってた。想ってたのに、なんで何も言ってくれなかったんだよ。
言わなかった想の気持ちもわかるけど、言ってほしかったんだよね。
本当は、一番は、前みたいに笑い合いたかったけどね。湊斗よ(涙)
ただならぬ空気に出くわした紬。紬が追いかけたのが湊斗で良かった。
部屋に取り残された想と光、気まずすきる…(笑)
3-12. 振り返ってほしかっただけ
みーーーなーーーーーとーーーーーーーーーーーーー(号泣)
鈴鹿央士くんのここのお芝居、表情、台詞の言いまわし、誰が一番湊斗をうまく演じられるでしょう大会をしたら圧倒的大優勝です。(は?)
うわーって吐き出すようにたたみかけるように喋って、でも途中の間合いとか、声色とか、泣き方とか、苦しすぎて、苦しすぎて、湊斗すぎて。(は?)
想だって想なりに、周りでは想像もつかないくらいの苦しみや悲しみを抱えて、乗り越えて、やってきたんだろうし、自分から湊斗や紬との繋がりを断ったことだって、簡単に決めたことじゃないはず。
でも、その後の想は、8年という時間をかけて、今に至っていて。
想は、自分の意志で、8年前までの自分と思い出を閉じ込めて、蓋をした。
一方、湊斗からしたらこの8年は、不可抗力に時が止まったままで。
湊斗の中での想は、8年前で止まってる。
時には醜い気持ちが顔を出しながらも、ずっと想のことはどこか頭の中にあって、きっともしまた会えたら、おいなんだよ想、どこにいたんだよって、お酒でも飲みながら昔みたいに話したかっただろうな。
止まった時が突然動き出して、でも大きすぎる変化があって。そんな簡単に受け入れられないよね。
8年間という時間を、ひとりで必死に生きてきた想。
何年経とうが、いつも今目の前にいる想をまっすぐ見る紬。
からっぽだった8年という時間を、急には取り戻せない湊斗。
みんな間違ってなくて、みんなどうしようもなくて、みんな苦しいね。
ここで終わるんですよね第3話。もう放送されていた当時は、この気持ちで第4話の放送まで待つ時間、気が気じゃなかったですよ…。
どうか湊斗がまた、想くんと笑い合えますように。
さて、もう1度名前呼んで振り向くベストオブ青春の1ページ、見ます。