「消えた初恋」感想 | こんなにお芝居が上手いとは
2021年に放送されたテレビドラマ「消えた初恋」。
先日第6話までが再放送されていて、最後まで見たくて残りはNetflixで見届けました。
※一部ネタバレがありますのでご注意ください。
<公式サイト>
ドラマSilentきっかけで目黒くんから関心を抱きSnowManを推すようになり、このドラマの存在は知っていたのですが、観たことがなく。
この再放送を機に視聴しましたが、こんなに可愛らしくて素敵なドラマだったとは。
SnowManの目黒くんと、なにわ男子の道枝くん。
二人のビジュアルの強さにただただ眼福な時間、というのも間違いではないのですが(笑)、二人のビジュアルをいったん横に置いておいて、ストーリーがとてもあたたかくて、可愛らしくて。
物語の主軸は、道枝くん演じる青木くんと目黒くん演じる井田くんとの恋のお話し。
「BLものでしょ」なんて決めつけるのはもったいない。
同姓だとか異性だとか、そういったことは話の主軸にはなく、ただ純粋に人が誰かを好きになること、そのことが優しく優しく描かれた物語でした。
素敵だなと思ったのが、青木くんも井田くんも、もともと自分が同姓を好きになるだなんて思ってもいなかった中で、ひょんなことをきっかけに、いつの間にかお互いを意識するようになったこと。
そして、並行して橋下さんの片想いも描かれることで、性別を問わず、数ある恋の物語のひとつとして、当たり前に青木くんと井田くんの恋愛が描かれていることでした。
本人自身が戸惑ったり、周りの目を気にしたり、葛藤もあるのですが、橋下さんや相多くんといった周りの友人たちは、すっと彼らの想いを肯定して、彼らをサポートするのです。
そうして、時に迷いながらも、いつもその人のことが好きだというただシンプルな気持ちの原点に立ち返り、相手にまっすぐに向き合っていく。
誰かに不必要に否定されたり拒絶されたりすることなく、高校生が憧れたり経験したりする"普通"の恋愛のひとつとして、青木くんと井田くんの恋が描かれている。
現実世界では、ただ好きになった相手が同姓だったということだけで、その想いを自分自身が否定してしまったり、誰かに否定されたり、尊重されなかったり、気持ち悪がられたり、ドラマのようには進まないことばかりなのかもしれない。
誰かを好きになれること、誰かに好意を抱かれることって、それだけでとても貴重で嬉しいことなのに。
恋愛なんて、結局は当事者同士の間の出来事でしかないのだから、他者の意見や視線なんか無視出来てしまえばいいのに、当事者以外の意見や視線を気にして、好きでいることさえも諦めなければいけないのは、本当に苦しいこと。
このドラマのように、人が人を想うひとつのかたちとして、どんなかたちの感情もまず尊重されるようになったら良いな、そんな風に考えさせられるドラマでした。
井田くんのバレー部のお友達が、二人の関係をただ受け止めるシーンには、あたたかすぎて思わず涙しました。
谷口先生も、彼らを尊重するひとりの大人として、とても素敵でした。
社会に出て、大人になって、青木くんも井田くんも、それぞれまた学生時代とは違う苦労を経験するかもしれない。
傷付くこともあるかもしれない。
別れたり、他の人に恋したり、するかもしれない。
彼らが二人でずっと幸せであることを祈りつつ、もしそうでなくなったとしても、この二人で過ごした時間が、消したい記憶ではなくキラキラした記憶になればいいなと、気付けば二人の未来まで願ってしまいました。
そして、いったん横に置いておいた目黒くんと道枝くんのビジュアルなのですが、素晴らしく素敵でしたね!笑
単純に美しい、かっこいい、というのもそうなのですが、二人とも役柄にぴったりとハマっていて。
青木くんのめそめそしながらも可愛らしくてまっすぐな感じ。
井田くんの、無骨で不器用でまっすぐ人のことを見つめる感じ。
キャスティングの素晴らしさと、二人のお芝居の上手さに、何も違和感を感じずにストーリーを楽しめました。
目黒くんも道枝くんも、今も現在進行形で大活躍でたくさんの作品に出演されていますが、お二人、この頃からこんなにお芝居が上手だったんですね。道枝くんのコロコロ変わる表情や台詞のナチュラルな言い回し、コメディタッチのお芝居は、「え、こんなに上手だったの?」と唸りました。
目黒くんは、井田くんを演じるって足し算と引き算のバランスが絶妙でないとあまりリアルに感じられない役柄だなと思ったのですが、そのバランスが大正解で。また、お芝居はもちろん、佇まいがまさしく井田くんで、美しかったです。
お二人とも、この作品でのお芝居も素敵でしたが、今の彼らの作品を拝見すると、作品ごとにご本人が努力されたり経験値を積み上げることで、どんどんお芝居の力を上げていらっしゃるんだなということが手に取るようにわかります。
アイドルがお芝居をするって、表面しかなぞっていないような第三者から心無いヤジを飛ばされることもあるじゃないですか。
でも、皆さん本当に器用ですし、その器用さ、なんでもサラっとこなせてしまっているように見える姿の裏側で、きっとたくさんの努力をされているんだろうなと、思います。
自分のことをよく理解していて、自分の魅せ方をわかっている人たちだからこそのお芝居というものが、あるような気がします。
今回再放送を見て、ストーリーが面白かったのに加えて、お二人がこんなにお芝居が上手いとは、と感心しました。
1話30分でわりと気軽に見れるので、ぜひ機会がありましたらご視聴おすすめいたします!