【春になったら】第11話(最終回):細かすぎるあらすじ&感想
春になったら
第11話 2024/3/25(月) 22:00~
今期のドラマの中で今のところ1番泣いているドラマ、「春になったら」。
いよいよ最終回、第11話のレポートです。
※ネタバレがありますので気になる方はご注意ください。
目次
●「春になったら」第11話
11-1. 結婚式当日
ついに迎えた結婚式当日。
雅彦はもうだいぶ弱ってしまってはいますが、なんとか体調ももち、明るくこの日を迎えられて本当によかったです。
川沿いの桜の道。
瞳と雅彦が、きっと幼い頃から何度も何度も一緒に歩いた道。
たくさんの思い出が詰まったこの街で、今日、ついに瞳は結婚式を迎えます。
11-2. 挙式
瞳ちゃん、おめでとう(涙)
瞳のドレス姿を見た時の雅彦の表情が、本当に素晴らしかったです。
美しく、幸せそうな、娘の晴れ姿。
真っ直ぐに見つめて、目が潤んで、言葉が出てこなくて。
いつもお喋りな雅彦が、挙式では終始、ただ静かに瞳と一馬を見守って、目を潤ませながら、微笑んで。
いつもお喋りで声の大きい雅彦が、ここ最近は病状が悪化し言葉数も少なく声も小さくなってきていましたが、今日この日は、仮にもしも病気がなかったとしても、こんな風にきっと言葉に詰まって、静かに嬉しそうに見守っていたのではないでしょうか。
大切に育ててきた瞳の門出。
きっと心の中で佳乃にも話しかけながら、その姿を見守っていたのでしょう。
青空のもと、赤い鳥居と、真っ白なウェディングドレス。
とても美しく、あたたかい映像でした。
玄関から鳥居までの道や、川沿いの桜の道。
何度も何度もこの作品の中で映し出されてきた、雅彦と瞳の日常。
人生で一度の特別な日を、いつものこの道で。
今や視聴者にとっても、"いつもの"道であるこの場所での挙式には、本当に胸があたたかくなりました。
11-3. 椎名瞳写真展
サプライズがさらに続きます。
写真を見ながら、2人でゆっくり話しをしながら時間を過ごす雅彦と瞳。
きっと朝から言いたくて、でも恥ずかしくて、小さな声で雅彦が瞳に言った「綺麗」。
元旦のあの日からの思い出を、ひとつひとつ振り返るこの父娘の穏やかな時間、とても美しかったです。
雅彦と瞳、2人の思い出でありながら、もはや私達視聴者にとっての思い出にもなっていて。
3ヶ月という時間軸をリアルに描いてきたからこそ、この感動は感慨深いものです。
3ヶ月。
3ヶ月あれば、色々なことを話せて、色々なことを出来て、色々なことを叶えられるんですよね。
油断しているとただただ過ぎていってしまう時間。
その尊さは、終わりが迫って初めてこんな風に尊く感じられるもので、日常の中ではついその大切さを、愛おしさを、忘れがちになってしまいます。
雅彦と瞳が過ごしてきた時間を振り返りながら、あらためて、大切にしなければと思わされますね。
11-4. 旅立ちの式
「お父さんのための式にしたい」と話していた瞳。
雅彦の人生にとって大切な人たちに囲まれて、驚きながらも嬉しそうな様子の雅彦。
「お父さんもみんなにありがとうって伝えたかったんでしょ」の瞳の言葉からは、雅彦の一人の人間としての人生に対するリスペクトが感じられました。
葬儀に呼ぶ人リストの方々へ電話をしたり、この式の準備をしたり。
その過程は、瞳にとっては、父親の人生の終わりを実感させる悲しいことでもあったはずです。
それでも、お父さんは病気で死んだ人ではなく、自分の人生を生き抜いた人だと証明するかのように、素敵な式を準備した瞳。
「もう大丈夫」と前回の最後のシーンで瞳は雅彦に言っていましたが、瞳はもう、すべてを受け入れて、お父さんと最後まで一緒に生きると、覚悟を決めていますね。
笑顔に溢れる、旅立ちの式。
大切な人ばかりの、旅立ちの式。
瞳らしく、雅彦らしい、そんな素敵な式です。
11-5. ケイトの歌
ケイト、登場しました!!
自分の最後の場で、佳乃との思い出の歌手の歌を流したい。
ロマンチックですよね。
ケイトさんの歌が、この物語を、そして雅彦の生き方を象徴していて、明るく力強い歌声に、涙が止まりませんでした。
歌詞は下記です。
---
Nothing is forever in this world
But don't be sad
The spring is just around the corner
And everything will be all right
Put a smile on your face
Even when you don't feel like it
The spring is just around the corner
Enjoy every little piece of it
I know I'm happy
I know I'm happy
I know I'm happy
And everything will be all right
I know I'm happy
I know I'm happy
I know I'm happy
And everything will be all right
The spring is just around the corner
celebrate
I know I'm happy
I know I'm happy
I know I'm happy
And everything will be all right
I know I'm happy
I know I'm happy
I know I'm happy
And everything will be all right
I know I'm happy
I know I'm happy
I know I'm happy
And everything will be all right
---
会場はずっと笑顔で溢れていて、時々流れる涙は、喜びや感動の涙で。
雅彦らしい、瞳らしい、とても素敵な式でした。
黒沢くんが涙を流していたのも素敵でしたね。
黒沢くんと森野さん、本当に本当にお疲れさまでした(笑)
雅彦と瞳が、少し離れた場所からお互いの様子を見守る演出もとても良かったです。
一緒に生きてきた親子だけれど、それぞれの人生があって、それぞれのコミュニティがある。
今までの時間の中で、お互いそのすべてを知っているわけではなくて。
病気がわかってからの3ヶ月も、たった3ヶ月なんかじゃとても足りなくて、まだまだ話したりないことも、聞けていないことも、知らないことも、きっとたくさんあって。
それでも、それが親子で、それが家族で。
お互いがお互いの生き方を、人生を、尊重して、それぞれの道の上で、前を向いて、笑顔で歩いて行く。
瞳は、瞳の新しい人生を、ここから始めて行く。
雅彦は、雅彦の誇らしい人生を、ちゃんと締めくくる。
誰にでも最期は訪れるし、新しい始まりを何度も繰り返していく。
生も死も、始まりも終わりも、日常。日常なんですよね。
死ではなく、生を描いた物語。
春になったらは、そんな作品でしたね。
11-6. おめでとう ありがとう
とても美しく、穏やかなシーンでした。
リストに書いたすべてを叶えた二人。
病室で一緒に見ようと約束した桜も、一緒に見ることが出来ました。
お誕生日おめでとう。
瞳に「おめでとう」と言えるのも、雅彦に「おめでとう」と言ってもらえるのも、きっとこれが最後。
いろんな思いが込み上げて、目が潤む雅彦と瞳ですが、それぞれの表情は、とても幸せそうで、清々しくて。
そして、2人で帰っていったのでしょう。
いつもの道を歩いて、いつもの家へ、2人で。
春が、きましたね。
やってくるのが怖かった春。
届かないかもしれなかった春。
待ち遠しかった春。
約束の春。
今年の春は、とても悲しくて、美しくて、幸せで、あたたかい、美しい、春。
もっとしたかったこと、生きたかった日、そんなものはたくさんたくさんあって。
それでも、どんな力ずくでも跳ね飛ばせない現実があって。
それを前に、たくさん泣いて、怖くて、辛くて、苦しくて、それでもこんな風に、心から幸せだと、最高だと言える時間が確かにあったこと。
そのことがきっと、これからの瞳を支えていくはずです。
そうやってきっと、瞳はこれからも、雅彦と生きていくはずです。
11-7. 瞳が産まれた日
雅彦は、旅立ちの式からほどなくして、その生涯に幕を閉じました。
瞳からの電話、雅彦のいない静かな家。
それらを描くことを通じて、雅彦がもういないことが表現されます。
とても寂しく、心にぽっかりと穴が開いたような気分になりますが、「遺影はみんなが笑っちゃうような写真がいい」と言っていた雅彦、自宅で撮影した、スーツでポーズを決める雅彦らしい姿の遺影に、思わずふっと笑顔になってしまいます。
悲しすぎず、重すぎず、そっと静かに、雅彦の死が描かれました。
やっぱり、最後にちゃんと一緒に時間を過ごして、限られた中でもやれることをちゃんとやりきったと思えることは、残される者にとっても救いになりますね。
雅彦がいなくなり、がらんとした部屋の中でひとりの瞳の姿はとても切なくもありつつ、とても穏やかで。
人生ノートを眺めながら優しく微笑む瞳でした。
そしてDVD。
この作品の第1話冒頭で流れた出産シーンの映像です。
この映像で始まり、この映像で終わった物語。
ここから、3人の椎名家の家族が始まったんですよね。
雅彦と佳乃が出会って、瞳が生まれて、佳乃が亡くなり、雅彦が亡くなる。
瞳は愛されて生まれて、全部ここから始まった。
瞳と一緒に私も号泣してしまいましたが、それは、お父さんもお母さんもいなくなってしまった悲しみの涙ではなく、命の始まり、人生の始まり、家族の始まりへの愛おしさから溢れたものだったと思います。
こんな風に映像や写真で残しておくのって、大切ですね。
11-8. 3人の日常
お父さんの声がしなくなったこの家に、今度は瞳の声が響いて、瞳と一馬と龍之介、3人でのあたらしい日常がスタートしました。
1話で、元旦の日の朝に雅彦が大声で瞳を起こしていました。
まるでその雅彦の姿が瞳に乗り移ったかのようなシーンには、思わず笑いました。
大声の瞳も、やりたいことリストを作った龍之介も、雅彦から受け取ったものがたくさん溢れていて。
人が誰かの中に残るって、きっとこういうことですよね。
やりたいことリスト。
時間は有限ですから、こんな風に短期的にも長期的にもちゃんと目標を決めて、叶えていけたら、人生はきっともっと豊かに彩られて、悔いが少なくなるのでしょう。
雅彦に教えてもらったものが、たくさんあります。
11-9. それぞれの日常
雅彦が亡くなった後も、それぞれが、それぞれの日常を生きていきます。
その中で一歩踏み出した美奈子。
圭吾に想いを打ち明けた美奈子の表情はとてもすっきりしていて、慌てふためく圭吾と美奈子のギャップが面白かったですね。
「嬉しい」と美奈子の想いをまず受け止めた圭吾。
これからこの二人がどうなっていくのか、楽しみです。
そして、カズマルくん!
朝からそわそわしていた報告は、このことだったのですね。
SNSバズりをきっかけに、テレビ出演も果たしたカズマル。
これからますます忙しくなっていくと嬉しいです。
雅彦もきっとダメ出しをしながら喜んでいることでしょう。
最後は少し時を戻して、雅彦と瞳の日常が描かれました。
この終わり方、とても素敵でしたね。
雅彦と歩いた道や暮らした家に、もう彼の声は聞こえないけれど、今も変わらず瞳の笑い声が響いて、瞳の日常が続いている。
お父さんと生きたこの街で生きていく瞳の中にはいつも雅彦がいて、思い出したり懐かしんだりしながら、瞳の日々は続いていく。
この物語のテーマでもある、日常の愛おしさが感じられる、素敵なラストシーンでした。
全11話。ついに終わってしまいました!!!!!!
涙で目がしょぼしょぼしていますが、晴れやかな気持ちで見届けることが出来ました。
春がやってきて、桜が咲いて、日常を生きることの出来るありがたみを胸に、大切な人やものを大切にして過ごしていきたいと思わされる作品でした。
すべての登場人物が愛おしい、そんな作品でした。
観てよかった!とても心に残る物語でした。
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