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ドラマ【アンメット-ある脳外科医の日記-】名台詞集

2024年4月期フジテレビ月曜ドラマ「アンメット-ある脳外科医の日記-」より、心に残った台詞をまとめました。

*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。


●作品情報

公式サイト


●名台詞集

第1話

昨日の記憶が私たちを明日に繋げる

「毎日少しずつ積み上げてきた全ての記憶が、未来の自分をつくっている。信頼も、愛情も、自信も。昨日の記憶が、私たちを明日に繋げる。今日が終わって明日が来ることは、当たり前だと思って生きてきた。昨日の記憶を失うまでは。私はまだ、医者なのだろうか。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第1話 - 川内ミヤビ

不慮の事故により脳を損傷し、過去2年間の記憶をすべて失い、新しい記憶も1日限り、寝て起きたら前日の記憶がなくなってしまう記憶障害になったミヤビのモノローグです。
昨日がなく、明日もなく、今しかない。
そんな毎日を生きるとは、どういうことなのだろうか。
その人とは、人生とは、積み上げてきた記憶や経験がつくるもの。
だとしたら、そのすべてを失うとは、どういうことなのだろうか。
第1話にしてとても考えさせられる台詞でした。

強い感情は忘れません

-川内ミヤビ「三瓶先生。ありがとうございました。皆さんにご迷惑かけないように精一杯頑張ります。このことは忘れません。あ、いやあの、忘れますけど、日記にちゃんと残して、毎日感謝します。」
-三瓶友治「強い感情は忘れません。記憶を失っても、その時感じた強い気持ちは残るんです。多くの論文にもそう書いてますよ。」
-川内ミヤビ「記憶がなくても、心が覚えてるってことですか?」
-三瓶友治「そういうことです。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第1話 - 三瓶友治

アメリカから帰国し新たに着任した三瓶がミヤビにかけた言葉です。
記憶がなくても、心が感情を覚えている。
強い感情は忘れない。
第1話ではまだ三瓶のキャラクターやミヤビとの関係性は深堀りされていませんが、この「強い感情は忘れない」とう言葉は、物語において重要なキーワードになっていくかもしれません。

障害のある人は人生を諦めてただ生きてればいいと思ってるんですか

-川内ミヤビ「手術は出来ません。すいません。やっぱり私は医者として患者さんに関わるのはやめた方がいいと思うので。」
-三瓶友治「あなた医者ですよね。それでいいんですか?」
-川内ミヤビ「…怖いんです。患者さんの人生がかかった状況で明日それを忘れてしまう私が何かするなんて。私の昨日は今日に繋がらないし、今日も明日に繋がりません。いくら日記に書いてあっても出来たことも覚えてないから自分のことも信じられないんです。嬉しいことも悲しいことも全部忘れちゃうんですよ。どんなにレナさんのためになりたいって思っても、次の日にはそう思ったことすら忘れて寄り添うことも出来ない。そんな風に葛藤したことも覚えてない。そんな人間が患者さん診ちゃいけないでしょ。ましてや手術なんて。お気持ちはありがたいと思ってます。」
-三瓶友治「僕は出来ないことをやれとは言ってません。川内先生の技術や知識で今出来ることを提案しています。足りない部分は周りがフォローすればいい。当然のことです。川内先生、あなたは障害のある人は人生を諦めてただ生きてればいいと思ってるんですか?絶望してしまうのは仕方ないと思えます。でも患者を救えないことよりご自分の絶望が怖いなら、まあ仕方ないですね。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第1話 - 三瓶友治

記憶がなくても確かな技術力は残っているミヤビに対して、手術に入るよう提案した三瓶。
しかし、ミヤビはやはり直接治療に携わることはいまだ怖く、会話の中で、三瓶がミヤビにかけた台詞です。
「障害のある人は人生を諦めてただ生きてればいいと思ってるんですか?」
この一言に、ミヤビははっとさせられました。
そして、患者を救えないことよりも自分の絶望が怖いという言葉に、反論出来ず、自分の本音をえぐられたような痛みに、涙しました。
三瓶は、感情を荒げることもなく、同情することもなく、淡々とミヤビに語りかける。
これから三瓶がミヤビとどう関わっていくのか、見所です。

あなたが生きてきた日々は確かにある

「川内先生、出来ます。諦めたくないんですよね?記憶がなくても、あなたが積み重ねてきた努力は身についています。昨日を覚えてなくても、あなたが生きてきた日々は確かにあるんです。その自分を信じてください。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第1話 - 三瓶友治

三瓶が川内に手術に入るよう依頼した際、躊躇う川内に対して、三瓶が川内を見てまっすぐにかけた言葉です。
記憶と技術は司る機能が違うため、理論的には川内は問題なくオペが出来るはず。
それでも、川内にとって心理的負担は強く、そんな川内に三瓶は、この言葉をかけました。
「自分を信じる」とうことは、これまで積み上げた自分を信じるということ。
でもその積み上げについて一切の記憶がなくなった時、自分を信じることなんて、出来るのだろうか。
考えさせられる台詞でした。


その想いを心が覚えてる

「記憶を失っても、強い感情は忘れません。患者を助けたいと強く願えば、その想いを心が覚えてるんです。繋がりましたね、川内先生の今日が明日に。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第1話 - 三瓶友治

手術が成功し、一歩ずつまた歩み始めた患者のレナの姿に涙するミヤビに、三瓶がかけた言葉です。
今日が明日に繋がる。
第1話のキーワードが回収されたシーンでした。

第2話

苦しんでるこの時間も亮介くんの人生だから

「でも、亮介くんの生き方は本人が決めるものだと思うんです。後遺症で苦しんでるこの時間も亮介くんの人生だから。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第2話 - 川内ミヤビ

サッカーの試合中に倒れて救急に運ばれてきた、サッカー強豪校でエースとして活躍する高校生の鎌田亮介。
検査の結果、右脳を損傷している亮介には、身体の左側の感覚を全て失う“左半側無視”という後遺症が残っていることがわかりました。
それでも仲間と再びサッカーがしたいという想いで、回復の可能性が低い中でも、必死にリハビリに取り組む亮介。
彼を励ましながら対応していたミヤビに、津幡が"期待を持たせすぎるのも良くないのでは"と伝えた際に、ミヤビが言った台詞です。
苦しむ時間も、悩む時間も、憤る時間も、涙する時間も、すべてが人生。
絶望し、すべてを奪われたように感じる時間も、すべてが人生。
とても心に残った台詞でした。

自分の可能性は自分で決めたいよね

「記憶障害の脳外科医なんてあり得ないよね。それでもね、私は医者でいたいと思ってる。だってさ、障害があるからって自分の人生諦めるのは、悔しいからさ。亮介くんも自分の可能性は自分で決めたいよね。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第2話 - 川内ミヤビ

右脳の損傷により左半側無視の後遺症が残ってしまった亮介に、ミヤビが自分の障害を打ち明け、かけた言葉です。
第1話では、障害のある自分は医者なのかと迷っていたミヤビでしたが、第1話最後の三瓶の声かけにより、医者でありたいと強く思い直したことが汲み取ることが出来る台詞でした。

好きでいることまで諦める必要はない

-鎌田亮介「俺は…あいつらと全国大会に行きたくて、努力すれば必ず叶うって思ってた。出来ないやつは努力が足りないんだって。ずっとそうしてきたんだ。でも、左がないのに左を意識しろって無理じゃん。そんなんサッカーやめろって言ってんのと一緒じゃん。」
-川内ミヤビ「…そうだね。でもさ、サッカーを好きでいることまで諦める必要はないと思うよ。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第2話 - 川内ミヤビ

後遺症が残りサッカーを再びプレーすることが難しくなってしまった亮介に、ミヤビがかけた言葉です。
当たり前にあったものを奪われて、すぐに気持ちの切り替えが出来るわけはないけれど、好きという気持ちまで手放す必要はない。
この言葉を受けて、亮介はプレーとは違う自分なりに出来ることでチームに貢献し、チームの仲間と喜びを共有することが出来ました。

俺がずっと覚えてるから

「また会いに来るよ。先生が俺の事を忘れても、俺がずっと覚えてるから。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第2話 - 鎌田亮介

左半側無視の後遺症を抱えた亮介が、退院する際にミヤビにかけた言葉です。
ミヤビの記憶は1日しかもたず、亮介のことも、また覚え直さなければ、記憶には残れない。
それでも、毎日亮介を思い出し、心に寄り添ってきたミヤビは、亮介にとってはきっと忘れることのない大切な人になった。
第1話で三瓶が言っていた「記憶を失っても、強い感情は忘れません。患者を助けたいと強く願えば、その想いを心が覚えてるんです。」という台詞。
"その想いを心が覚えている"のは、ミヤビ自身だけでなく、ミヤビが強く願い心を込めて接した誰かにも当てはまりますね。
ミヤビが覚えていなくても、誰かが覚えてる。誰かの心に、ミヤビがちゃんと生きている。
まっすぐな亮介という少年が残していったこの言葉には、とても心があたたまりました。

第3話

正常化バイアス

「正常化バイアスですね。人間は不都合な情報を無意識に否定しようとしてしまうんです。見ているのに、そんなこと起こるはずがないと思い込もうとしてしまう。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第3話 - 三瓶友治

過去に津幡が携わったオペにて、重要情報の医師同士の共有不足により患者が命を落としてしまった。
そのことを話していた時の三瓶の言葉です。
そんなはずがないと思い、口を閉ざしてしまうこと。
まさかそんなはずがと信じたくなくて、目をそらしてしまうこと。
人にはどうしてもあって、結果的に取り返しのつかない事態になってしまった時、それを悔やむ。
その後悔は呪いのように自分を縛って、決して癒えない傷になってしまうものです。

私たちの償いは辞めることじゃないはず

「考え直してください。確かに私たちは取り返しのつかないことをしてしまいました。でもだからこそ…これからもきっと…先生が辞めてしまえば、助からない命も出てきてしまいます。私たちの償いは、辞めることじゃないはずです。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第3話 - 津幡玲子

オペでの不備の責任をとるかたちで辞めることになった医師に向けて、津幡が言った言葉です。
何かが起きた時、誰かが責任をとらなければならないことはあるけれど、辞めること、その場から離れることは、終止符を打つだけで、責任を取ることにはならないのかもしれません。

そうやって笑ってんのも簡単じゃないだろうけど

「でもよかったよ。ミヤビちゃん全然変わってなくて。そうやって笑ってんのも簡単じゃないだろうけど、その笑顔は全然変わってない。そういうミヤビちゃんにいっつも励まされてたよ。いつも、心の支えだった。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第3話 - 綾野楓

ミヤビと昼食を取りながら綾野が言った言葉です。
「そうやって笑ってんのも簡単じゃないだろうけど」の一言に、綾野のミヤビを想う気持ちや優しさが感じられて、心に残った台詞でした。

人生の持ち物が増えただけ

「私、後遺症を乗り越えることは一生出来ないと思ってます。でも私は、記憶障害っていう後遺症を抱えることになったけど、それは、人生の持ち物が増えただけ。歳をとったら老眼鏡が必要になるみたいに。まあ、増えた持ち物を抱えて生きるのは、ちょっと重たいですけど、私自身が変わったわけじゃないから。変わりたくないですしね。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第3話 - 川内ミヤビ

津幡との会話の中でのミヤビの台詞です。
1日しか記憶がもたず、毎朝目が覚めては自分の知らない自分を辿る日々を生きるミヤビにとって、自分を知っている周りの人を通じて"変わらない自分"を知ることは、どこか救われるような気持ちになることなのだと思います。
そんな日々を繰り返しながらミヤビが至ったこの考えにより、トラウマを抱える津幡の心も、少しずつほぐれていきました。

第5話

道の先だけを向いて歩いて行けばいい

「ミヤビちゃんも自分次第だよ。脳外科医として患者を治すのがミヤビちゃんの道なんでしょ?だったら、三瓶が何考えてるとか関係なしにさ、道の先だけを向いて歩いて行けばいいんじゃない?」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第5話 - 星前宏太

難しい手術を執刀するよう三瓶から言われ、自分は無理だと迷っていたミヤビに、星前がかけた言葉です。
星前は、自身の母が患った際に病院の各科をたらいまわしにされたために発見が遅れた過去があり、全科において専門医レベルの医者となることを目指しています。
そんなのは無理だと三瓶に言われても、自分の目指す道を進む決意の星前が言ったこの言葉は、ミヤビにとっても響くものでした。

今はそれだけ覚えておけばいいんだよ

「おはよう。ミヤビに頼まれたから来たんだよ。ミヤビ、よく聞いてね。ミヤビには記憶障害があるの。過去2年間の記憶が無いし、昨日のことも覚えてない。だから毎朝この日記を読んで、記憶を確認してから1日を始めてる。今日は大事な手術があるから、全部読んじゃだめ。この最初の記憶障害になった経緯を読んで、他は飛ばして、今日の手術の手順だけ覚える。いい?あとは手術が終わってから読めばいいからね。わからないことは私が教えるから。ミヤビ、ミヤビ。大丈夫。大丈夫だから。私のことは覚えてるでしょ?その私が言うね。記憶障害になったミヤビは、これまでたくさん悩んで、たくさん考えて、辛い思いもたくさんしたけど、今は脳外科医としてちゃんと働いてる。一生懸命、患者さんを助けてる。今はそれだけ覚えておけばいいんだよ。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第5話 - 森陽南子

ミヤビが執刀医として担当する難しい手術の当日、前夜にミヤビは陽南子に、家に泊まり朝目覚めたらこのことを自分に伝えるように頼んでおり、約束通り、陽南子が朝一番にミヤビにかけた言葉です。
自分ひとりで出来ないことは、周りに頼む勇気を持つこと。
その時に力になってくれる仲間がいること。
少しずつ変わり始めているミヤビと、森ちゃんとの絆が感じられて、泣けるシーンでした。

自分だけで完璧である必要はない

「あなたが私に教えてくれたんですよ。"私たちは一人じゃない。だから、自分だけで完璧である必要はないんです。"」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第5話 - 津幡玲子

難しい手術を無事に終えたミヤビに、「この景色を目に焼き付けてください」と言った三瓶。
その景色とは、手術室にいる、ミヤビの仲間たちがいる風景。
この日、ミヤビがプレッシャーに打ち勝つ努力をしたのはもちろん、仲間たちがそれぞれの距離感で、それぞれの役割で、それぞれの優しさで、ミヤビをフォローした。
一人で背負わず、周囲を頼ることを少しずつ覚え始めたミヤビ。
この景色を忘れないよう、日記にイラストで記して焼き付けたミヤビでした。

第6話

全体のために犠牲になる人たち

「大迫教授は僕にもよく言ってましたね。全体を考えろ。全体を考える。これほど都合の良い言葉はありません。全体のために犠牲になる人たちのことはどうするんですか?仮にそれが川内先生だったら?僕は医者として、真実が明らかになるまで引き下がることはありません。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第話 - 三瓶友治

大迫のミヤビに対する診断について真相を探ろうとする三瓶を止めるため、大迫はいつも全体を見て最善を考えていると反論した西島麻衣に、三瓶が言った言葉です。
三瓶の医師としての強さ、内で静かに燃える思いが伝わってくるシーンでした。

あなたは医者ですか

-三瓶友治「あなたは医者ですか。答えてください。あなたは医者ですか。彼女がどんな想いで、脳外科医であろうとしてるのか、あんたが一番よく知ってんだろ。」
-綾野楓「教授、ちゃんと説明してください。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第6話 - 三瓶友治

ミヤビは過去にてんかん発作を起こしたことがあったが、大迫はそれを隠し、ミヤビに記憶障害だけが残りてんかんの症状を抑えるべく、予防薬だといって低濃度の薬を処方し、てんかん性健忘を意図的につくっていた。
そのことを突き止めた三瓶と綾野が、大迫と対峙した時に、三瓶が言った言葉です。
ミヤビの元婚約者としてという個人的な感情ではなく、ひとりの医師としてミヤビの症状と向き合ってきた三瓶の、医者である大迫に対するさまざまな思いが溢れるシーンでした。
三瓶先生の表情や声色からは怒りがヒシヒシと伝わりつつも、声を荒げず、まっすぐに大迫を見て、医師として対峙した。
とても印象に残るシーンでした。

海馬に眠ってるだけです

「川内先生の記憶は消えてません。海馬に眠ってるだけです。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第6話 - 三瓶友治

三瓶が大迫に対して、ミヤビのことを言った時の台詞です。
記憶障害を抱えていても、記憶は失われたわけではなく、取り出せない状態になっているだけ。
心がちゃんと覚えている。
海馬に眠ってる。
いつも変わらない、三瓶の考え方です。

正しく理解することで大半の事は解決出来る

-企業側「おっしゃることはわかりますが、山本さんだけを特別扱いすることは出来ないんです。」
-川内ミヤビ「むしろ、特別扱いしないでほしいんです。障害があるので、確かに出来ることと出来ないことの選別は必要なんですけど、出来る環境を整えていただければ…」
-企業側「それが特別扱いでしょう。周りと同じように働けないのに同じだと言い張るのは、都合が良すぎますよ。」
-藤堂利幸「特別扱いではなくて理解してほしいと申し上げてるんですよさっきからうちの川内は。患者さんが社会復帰してね、一番辛いのは、出来ることさえさせてもらえず、可能性を断たれてしまう事なんです。まあかくいう私も、最近それを学んだんですがね。障害のある方が働くには、周囲の理解が必要です。周りの人間が病気を正しく理解することで、大半の事は解決出来るんです。そういうかたちで、社会の一員として迎えてもらえる場所がね、これ、必要なんですよ。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第6話 - 藤堂利幸

後遺症でてんかんの症状を抱えた山本という患者が、勤める企業からしばらく休むように言われてしまい、企業を訪問して山本の症状について説明をしたミヤビ。
付き添っていた藤堂が、珍しく少し声を荒げて介入し、言った言葉です。
院長という立場にありながら、一人の医師として、患者に寄り添う姿勢を常にもっている藤堂。
この後、余計なことを言ってしまったと後悔し落ち込む藤堂ですが、ここぞという時に、医師として、上司として、正しく守り伝えてくれる藤堂の姿が、素敵だなと思うシーンでした。

こうすると影が消えます

-三瓶友治「光を当てると、影が出来ます。人間は暗いところに光を当てて、良いことをしたと思ってる。新しく出来た影には気付かずに。アンメット。直訳すると"満たされない"という意味です。出来た影に光を当てても、また新しい影が出来て、満たされない人が生まれてしまう。どうすれば隈なく照らして、アンメットを無くせるのか。その答えを探してます。」
-川内ミヤビ「こうすると、影が消えます。ね。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第6話 - 三瓶友治

過去の回想の中での、三瓶とミヤビの会話です。
ミヤビが三瓶の前でてんかん発作を起こした時、朦朧としながらも呟いたのが、「影が消えます」という言葉。
この言葉は、三瓶にとってミヤビと過ごした時間の中でも特に大切な言葉だった。
曖昧な記憶の中で、確かにその時の記憶がミヤビの中には眠っていた。
そのことの喜びと、記憶障害が治らない苦しみ、大迫への憤り。
さまざまな感情が溢れるかのように、この場面を思い出しながら涙を流した三瓶でした。

第7話

記憶は仕事のためだけにあるわけじゃありません

「記憶は仕事のためだけにあるわけじゃありません。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第7話 - 三瓶友治

薬の量を減らしたことで記憶障害に少し改善は見られたものの、脳の中で記憶がすり替わる記憶錯誤が起きてしまったミヤビ。
仕事にも支障が生じ苦労するミヤビの様子を見て、薬の量を戻さなくてよいのかと星前が三瓶に聞いた時の、三瓶の言葉です。
ここでは、ミヤビの人生、仕事だけではない心の豊かさや生き方に配慮する三瓶の医師としてのスタンスが見える一方で、元婚約者としてのミヤビに対する思いも垣間見える、複雑な表情が印象的なシーンでした。
いつも冷静で、医師として患者のことだけを考える三瓶が、ミヤビに対しては時折心を揺らし、迷う。
そんな三瓶の揺れを、少ない言葉と(役柄的に)決して豊かではない表情でしっかりと表現される若葉さんのお芝居が、回を追うごとに私たちの心を動かします。

変化するものをちゃんと感じられると

「季節とか街並みとか、変化するものをちゃんと感じられると、昨日と今日は繋がってるんだなって嬉しくなります。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第7話 - 川内ミヤビ

記憶障害に少し改善がみられ、過去のことを覚えていることによろこびを噛みしめるミヤビの言葉です。

オープン準備をしていたお店がついにオープンした。
蕾だった花が咲いた。
そんな風に、当たり前のように過去は今日に繋がっていて、今日は明日に繋がっていく。
当たり前すぎてそのことを意識したり感謝したりはなかなか出来ないけれど、あらためて、その尊さを感じさせる台詞でした。


第8話

今の気持ちがわかること

「私、記憶が繋がらなくてひとつだけいいなって思うことがあって、今の気持ちがわかること。こう…積み重ねが無いから、直感で、余計なこと考えずに、今の自分の思いがわかるんです。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第8話 - 川内ミヤビ

実家のこと、結婚のこと、自分のこと。
あれこれと思い悩み、自分はどうしたいのかと途方に暮れる綾野に対して、ミヤビが言った言葉です。
今の自分の気持ちを感じて、信じて、動くこと。
シンプルなそのことに立ち戻れた時、人は自分らしく生きていると感じられるのかもしれません。

一緒に自分の人生を生きよう

「一緒に自分の人生を生きよう。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第8話 - 綾野楓

自分のために婚約を破棄しようとした麻友に対して、自分の思いを固めた綾野が言った言葉です。
一緒になる時、二人でひとつの人生を歩むのではなく、寄り添いながら、それぞれが自分の人生を生きる。
そんな考え方がとても素敵で、印象に残った台詞でした。

第9話

最後に大事なものが残りました

「私たち、何もかも失ったと思ってたんですけど、最後に大事なものが残りました。ありがとうございます。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第9話 - 西島麻衣

入籍をした綾野と麻衣。
すべてを捨てる覚悟での行動だったが、結果的に綾野病院はセントラル病院に統合合併され、綾野はカテーテル治療の担当を続けられることに。
手放すとは、大切なことがわかるということ。
そしてその大切なものを、周囲の協力のおかげで手放さずに済んだ二人が、病院の皆に言った言葉です。

世界をくまなく照らす光

「僕の研究はまだまだで、この世の中に数多ある影をほんの一つ照らしたにすぎず、世界をくまなく照らす光はまだ見いだせていません。僕は、それを見つけたいと思っています。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第9話 - 三瓶友治

数年前にケープタウンで開かれた脳神経外科の国際会議にて、フィラデルフィアの病院から参加し最優秀発表者に選ばれた三瓶のスピーチです。
この会議でミヤビは初めて三瓶に会い、このスピーチをする三瓶をまっすぐに見つめていました。

いつも世間から何かしてもらう側だという意識がしみついていたんだ

「工事が完成すれば、優秀な医者を大勢呼べて、もっと多くの患者の命が救われるよ。僕には姉がいてね、重度障害があった。母子家庭だったし、母はいつも世間に遠慮して、迷惑がかからないように頭を下げ続けてた。誰も悪くないんだけどね。僕の家はね、いつも世間から何かしてもらう側だという意識がしみついていたんだ。だからかな、そんな区別を無くしたくて、誰もが公平に安全で良識的な医療が受けられるシステムが作りたいと思った。それが僕の使命だってね。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第9話 - 大迫紘一

綾野の異動を受けて大迫が言った言葉です。
大迫の医師としての信念や想いが垣間見えるシーンでした。

三瓶江先生は私のことを灯してくれました

-川内ミヤビ「おつかれさまです。」
-三瓶友治「おつかれさまです。大迫教授に会いに行ったんですか?」
-川内ミヤビ「はい。」
-三瓶友治「何話したんですか?」
-川内ミヤビ「…三瓶先生が、帝都医大辞めた時のこと聞きました。」
-三瓶友治「ああ。」
-川内ミヤビ「これ食べますか?」
-三瓶友治「なんすか?これ。」
-川内ミヤビ「ラムネです。」
-三瓶友治「食べますか?」
-川内ミヤビ「ありがとうございます。これずっと好きなんですか?」
-三瓶友治「好きではないですね。」
-川内ミヤビ「じゃあ何が好きなんですか?」
-三瓶友治「好きな食べ物ですか?考えたことなかったですね。」
-川内ミヤビ「私は、これ、ちっちゃい頃に妹とよく駄菓子屋さん行って買ってたんです。さっきコンビニで見つけました。近所に駄菓子屋さんとかなかったですか?あんまり行かなかったですか?」
-三瓶友治「あんまり行かなかったですね。」
-川内ミヤビ「ふーん。放課後、何してたんですか?」
-三瓶友治「蟻見たりしてましたけどね。」
-川内ミヤビ「蟻?」
-三瓶友治「蟻。」
-川内ミヤビ「一人で見てたんですか?」
-三瓶友治「いや兄と見てました。」
-川内ミヤビ「お兄さんいるんですね。私、妹います。何歳離れてるんですか?」
-三瓶友治「3つですね。」
-川内ミヤビ「今は何してるんですか?」
-三瓶友治「もう、あの、亡くなっちゃったんですけど。あの、全然。…。すいません。あの、兄がいて、重度障害者だったんですけど、僕が8歳の時に重度障害者施設に入って、まあ僕も含め、障害者施設を勧めた人たちも、僕も、あの…、家族も、みんなそれが最善だと思ってたんですけど、兄は、ずっと泣いてて。世の中も、僕も、兄のためって言いながら、ただ遠くに…、見えないようにしてただけなのかもしれないなと思いますね。奈緒ちゃんのことも、今も正解かどうかわかんなくて。色々頑張ったんですけど。僕はまだ、光を見つけられてません。」
-川内ミヤビ「…うん。私だったら、嬉しかったと思います。なんか、もし聞こえてたんだとしたら、ちゃんと聞こえてるよって言いたかったんじゃないかなって。…うん。多分、光は、自分の中にあったらいいんじゃないですか?そしたら多分、暗闇も、明るく見えると思います。」

---回想---
-川内ミヤビ「こうすると、影が消えます。自分の中に光があったら、暗闇も明るく見えるんじゃないかなって。」
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-三瓶友治「川内先生。」
-川内ミヤビ「三瓶先生。三瓶先生は、私のことを灯してくれました。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第9話 - 三瓶友治/川内ミヤビ

9話ラストシーンです。良すぎて台詞すべて書き起こしました。
三瓶をまっすぐに見て、頷きながら、その話を聞くミヤビ。
ぽつりぽつりと心がほどけていくように話し、ミヤビの言葉を待つようにまっすぐに見つめ、子どものように涙を流した三瓶。
医師として、ミヤビを愛する者として、じっと耐えてきた三瓶が、やっとミヤビに甘えられたようなシーン。
そんな三瓶を包み込みながら、自身の想いが溢れ出したミヤビ。
そんなミヤビを今度はすっぽりと包んで背中をさする三瓶。
この二人がお互いにお互いを必要としてきたこと、それは記憶を失った今も変わらないことが伝わってくる、本当に素敵なシーンでした。

第10話

ミヤビちゃんが決めたんならいつでもなんでも応援したいのよ

-星前宏太「俺はさ、ミヤビちゃんが決めたんならいつでもなんでも応援したいのよ。ただ気になってさ。ミヤビちゃんが今どういう気持ちなのかなって。」
-川内ミヤビ「うん…。手術はしないでおこうと思ってます。何回考えてもそう決断する気がするんですよね。すみません、心配かけちゃって。

-星前宏太「何言ってんの。あ、でもこれは書いといてよ、星前先生が心配してくれたって。」
-川内ミヤビ「はい。」
-星前宏太「じゃあね。早く帰んなよ。」
-川内ミヤビ「おつかれさまでした。」
-星前宏太「おつかれさま。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第10話 - 星前宏太

ミヤビの記憶障害の原因を知り、様子を気にかけていた星前が、仕事終わりに会いにきた時の二人の会話です。
ここでの千葉雄大さんの、涙が込み上げてこらえてそれでもまた込み上げて、というお芝居が、素晴らしくて、心を打たれました。
いろんな人が、いろんなかたちで、ミヤビの周りにいる人たちは皆、ミヤビのことを想い、それぞれの優しさで、そばにいてくれます。

三瓶先生には笑っていてほしい

「手術はしないと決めた。もしも失敗したら、三瓶先生は、自分を責めてしまうから。その傷をずっと背負わせることは、絶対にできない。三瓶先生には、笑っていてほしい。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第10話 - 川内ミヤビ

ミヤビの記憶障害の原因について、手術を行えば、命に関わる可能性が高く、悪化していく現状に対して何も手立てがない状況。
一か八かで手術に賭けるかどうか、現状のミヤビの選択は、No。
その一番の理由は、命を落とすことに対する怖さではなく、三瓶先生に背負わせたくないから。
周りから想われている分、ミヤビも周りのことを想っている。
これは、ミヤビの日記に書かれていた文章です。

とっくにいないのにずっと居座ってんだよね

-成増貴子「キツいよね、存在忘れられちゃうのは。こっちはずっと忘れられないのに。あ、いや、なんかね、私の場合はもう、相手が亡くなってるんだけどね。」
-星前宏太「すいません、なんか…。」
-成増貴子「いいのいいの。なんかさ、こう、私の中ではまだ生きてるっていうか。とっくにいないのに、ずっと居座ってんだよね。なんだろうね、この感じ。」
-星前宏太「成増先生の心の中に、いるんですね、まだ。」
-三瓶友治「脳には内側前頭前野という場所があって、自分と他人を区別する場所なんですけど、大切な人や恋人に関しては区別しなくなるという報告があります。つまり、その人の事を自分のように感じてしまうんです。」
-成増貴子「彼と私は、一緒になって、内側前頭前野にいるってこと?」
-三瓶友治「そういうことです。」
-成増貴子「そりゃ追い出せないわ。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第10話 - 成増貴子

最悪性の脳腫瘍を患い手の施しようがない患者が、悪化し最愛の妻のことを忘れてしまう症状を発症。
その患者について話をしていた際の会話です。
この後の帰り道、成増はいつものケーキ屋さんに立ち寄り、ガトーショコラを2つではなく、1つだけ買って、穏やかな表情で帰宅しました。
今回の第10話では、藤堂と津幡があんぱんを半分こしたり、患者の妻とミヤビがドーナッツを半分こしたり、そして成増が1つのガトーショコラを買って帰ったり、何かを誰かと分け合う描写が多くありました。
ひとりで全部抱えられなくても大丈夫。
分け合えばいいし、そもそも区別なんかなくて、ひとつだったりする。
この物語のメッセージのひとつが、伝わってきます。


最後は何も残らないのだろうか

「私は何を、いつまで覚えていられるのか。大切な人たちも、交わした言葉も、一緒に過ごした日々も、すべて失くして、最後は、何も残らないのだろうか。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第10話 - 川内ミヤビ

自分のことについてのミヤビのモノローグです。
同僚たちといつものように大笑いして過ごす居酒屋で、背景が白くなり、みんながいなくなり、最後に残った三瓶もふっと消えて、ロウソクに灯った火も消えてしまう。
暗闇の中に一人ポツンと残されるミヤビ。
映像表現も相まって、心に迫るものがあるシーンでした。

やっぱりあなたは医者でしたね

-三瓶友治「やっぱりあなたは医者でしたね。」
-大迫紘一「やっぱり君は、生意気だ。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第10話 - 三瓶友治

なんとかミヤビを救う術がないかと、大迫のもとに集まった三瓶、星前、綾野。
その際に、大迫はずっと黙っていましたが、ミヤビが記憶障害になったすぐ後から、自身もなんとか救えないかと隠れて手術の練習をしていたことが綾野によって明かされ、三瓶が言った言葉です。
かつては大迫のもとで学び医療に携わりたいと共に働いていた三瓶。
少し前に、ミヤビの件で「あなたは医者ですか」と憤りながら大迫に問いかけた三瓶でしたが、ここで大迫の医師としての想いを知った三瓶は、無理に手術はするなと言った大迫に「わかりました」と答え、あらためて大迫にこの言葉を言ったのでした。

失われないものもある

「私、ずっと怖かったんです。このまま何も残らずに消えちゃうのは。だけど、もう大丈夫だなって。失われないものもあるんですね。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第10話 - 川内ミヤビ

脳腫瘍が悪化する患者が、薄れていく記憶の中で、微かでも確かに、妻のことを覚えていた。
何もかも忘れてしまうことの恐怖を感じていたミヤビが、三瓶に言った言葉です。
ミヤビはこの時点では、手術を受けない決意をしている。
事実、手術はとても難しく、三瓶にも現状は成す術もなく、このミヤビの言葉をただ頷いて聞くしかない三瓶でした。

第11話(最終話)

一緒にいませんか

「おはようございます。三瓶友治です。同じ病院で働いている脳外科医です。今後、このまま入院しますか?特に治療はしてないので、自宅療養も出来ますよ。僕も少し休みをとります。一緒にいませんか?」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 三瓶友治

倒れて目を覚ましたミヤビの手を握りながら、三瓶がかけた言葉です。
手の温もりを心で覚えていたミヤビは、三瓶にすべてを委ねることを決断します。

いつまでも忘れません

「私の心は、三瓶先生を信じています。いつまでも忘れません。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 川内ミヤビ

眠る三瓶の顔を愛おしそうに苦しそうに見つめるミヤビが、三瓶宛てに残した手紙に書かれていた言葉です。
強い記憶は覚えている。
ミヤビにとって三瓶は、忘れてしまうけれど、忘れてしまいたくなくて、決して忘れることなど出来ない存在でした。


あたたかかった

「三瓶先生が手を握ってくれていた。あたたかかった。記憶がなくても強い感情は覚えている。こういう感覚のことを言うんだろうか。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 川内ミヤビ

目を覚まし、目の前にいた三瓶のことを思って書いた、ミヤビの日記の文章です。
この時、ミヤビは三瓶のことを覚えていなかったけれど、感じた手のぬくもりから、その人を信じることを決めた。
ミヤビの手を握る三瓶の表情も、ミヤビを思う愛に溢れていました。


全責任は俺がとる

「わかった。ただしご家族の了解を得てからだ。それでもし失敗したら、全責任は俺がとる。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 藤堂利幸

ミヤビが脳梗塞を起こし、手術を懇願した三瓶に、決断した藤堂院長が言った言葉です。
藤堂院長をはじめ、病院のメンバー皆が、ミヤビを救う希望に賭けるために一丸となり立ち向かっていきました。
ずっと孤独に戦ってきた三瓶に、仲間ができ、光が灯っていく。
アンメットのひとつの軸には、この三瓶の物語がありました。


本当はまだ生きたい

「本当はまだ生きたい。いつまでも医者でいたい。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 川内ミヤビ

ミヤビが最後に残していた日記の文章です。
この文章を見て、三瓶は、手術を行う決心を固めます。


私の今日は明日に繋がる

「私の今日は、明日に繋がる。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 川内ミヤビ

ミヤビの手術シーンで登場した、かつてミヤビが日記に書いていた言葉です。
以前は明日に繋がらないと記していたミヤビでしたが、三瓶にもらった言葉をきっかけに、「繋がる」とその日記を上書きしました。
記憶を、想いを、願いを、繋ぎ合わせるように。
三瓶たちは手術に挑みました。


忘れてても全部覚えてんじゃない

「忘れてても、全部覚えてんじゃない。ミヤビちゃんなら。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 星前宏太

手術を終え、眠るミヤビのベッドの横にじっと座っていた三瓶に、星前がかけた言葉です。
この言葉を受けて、三瓶は少し涙を浮かべながら、強く頷きました。


だからお腹がすきます

-川内ミヤビ「こうすると、影が消えます。ね。なんかお腹すいてきましたね。
-三瓶友治「え?」
-川内ミヤビ「日本に帰れたら、ごはん行きませんか?」
-三瓶友治「いいですよ。」
-川内ミヤビ「研修先の病院の近くに美味しい料理屋さんがあるんですけど、そこの焼肉丼がすごくおいしいんです。」
-三瓶友治「怖くないんですか?」
-川内ミヤビ「不安です。でも、自分の中に光があったら、暗闇も明るく見えるんじゃないかなって。だから、お腹がすきます。」
-三瓶友治「川内先生。」
-川内ミヤビ「はい。」
-三瓶友治「僕と結婚してくれませんか。」
-川内ミヤビ「はい。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 川内ミヤビ

ケープランドの二人の回想シーンです。
かつて三瓶に光を灯したのは、ミヤビでした。
お互いがお互いを想い合い、灯しあっていた二人です。


幸せですか?

-川内ミヤビ「咀嚼のように一定のリズムで同じ運動を繰り返すと、幸せホルモンというセロトニンが分泌されて、幸せになります。」
-三瓶友治「…。」
-川内ミヤビ「幸せですか?」
-三瓶友治「はい。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 川内ミヤビ

ケープランドの二人の回想シーンです。
日本に戻った三瓶がいつも病院で食べていた、細長い棒のような形状のグミは、実はこの時にミヤビが三瓶に分けたものでした。
グミを分けて、光を分けて、灯しあって、生きて行く。
一定のリズムで同じ運動を繰り返す。
繰り返していく日常さえ、愛おしいということは、このドラマが私たちに教えてくれたことのひとつです。

わかります

-三瓶友治「川内先生。わかりますか?」
-川内ミヤビ「…わかります。」

「アンメット-ある脳外科医の日記-」第11話(最終話) - 川内ミヤビ

ラストシーン、目を覚ましたミヤビと三瓶の言葉です。
この時の二人の表情を、忘れられません。





以上、ドラマ「アンメット-ある脳外科医の日記-」の名台詞集でした。

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