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【春になったら】第6話:細かすぎるあらすじ&感想

春になったら
第6話 2024/2/19(月) 22:00~

今期のドラマの中で今のところ1番泣いているドラマ、「春になったら」。
第6話のレポートです。

※ネタバレがありますので気になる方はご注意ください。

目次


●「春になったら」第6話

6-1. 結婚はまだ早い

回想シーン。高校生の瞳が帰宅すると、雅彦が「サプラーイズ!」とクラッカーを鳴らして出迎える。瞳の17歳の誕生祝いのため、雅彦はごちそうを用意し、部屋を飾り付け、瞳の帰宅を待ち構えていた。
瞳は驚きつつ、友人が祝ってくれる予定があるからと、父親を面倒くさそうにしながら一口だけケーキを食べて出かけて行ってしまう。

現在。結婚するまでにやりたいことリストを開く瞳。
「お父さんにかず君との結婚を認めてもらう」と書いた項目を消す。
一方、雅彦は死ぬまでにやりたいことリストの「カズマルを瞳から追い払う」を見つけている。

ある日、喫茶店に一馬を呼び出した瞳。どこかぎこちない様子の2人。
結婚式はキャンセルしたと話し謝る瞳。そっかと一馬。
-瞳「ずっと迷ってたの。ずっと迷ってて、それで、この前の龍ちゃんのことがあって、やっぱり今の私には無理だと思った。結婚はまだ早いって。ごめんね。」
-一馬「お互い結婚のために大事なことを後回しにしたり、大事なものを忘れちゃったり、それは良くないことだよね。結婚のことは忘れよう。」
-瞳「いいの?かずくん。」
-一馬「うん。いいよ。大丈夫。」

前話を受けて、瞳と一馬の関係にぎこちなさが増してきました。
「結婚はまだ早い」と伝えた瞳。
お父さんのことがあるのはもちろん、龍之介のことを後回しにしてしまった自分は、まだまだ「親」になるには足りていないと感じてしまったのではないでしょうか。
「今の私には無理」だと、延期ではなく無理だと伝えた瞳の表情からは、以前のような結婚に対する良い意味で漠然とした自身や期待のようなものが消えていました。
その表情を黙って見つめ、一馬はいいよと一言。
一馬の中で、瞳を幸せにという気持ちは薄れていないと思いますが、一馬自身の中でも色々な考えがあるのでしょう。
一度リセットすると決めた2人。どうなっていくのでしょうか。

冒頭、瞳の17歳のホームパーティーから始まりました。
雅彦の死ぬまでにやりたいことリストには、「友だちを呼んでホームパーティー!」という項目があります。
初めてこれを目にした時、私はてっきり雅彦が自分自身の友人を家に招き、最後にみんなで楽しくパーティーをしたいということかと思っていました。
でもれって、瞳と瞳の友人を家に招いて、瞳が楽しそうにしている様子を家で自分も眺めたいという願いだったのですね。

雅彦のリストには、「瞳と出来なかったこと」が書かれている。
この17歳の誕生日を二人でお祝い出来なかったことが、ひとつの残念だった記憶として雅彦の中にあったからこそ、リストに入っていたのだと思います。
事前の予告にもあった通り、誕生日ではないものの、今話では自宅で瞳の友人を招いてパーティーをするシーンがありそうです。
雅彦の夢がひとつ叶うんですね。


6-2. 整理

助産院にて、20歳での出産を決めた矢荻夫妻と、亜弥の両親との話し合いに立ち会う節子と瞳。娘の出産に関する両親の不安を、節子や瞳の言葉が解消していく。

阿波野の元を訪れて雅彦。書き終えた人生ノートを差し出す。
-雅彦「まあいろんな意味で整理がついたのかもしれません。あの…癌で死んじゃうっていうのもまんざらじゃないって思った方がいいんでしょうかね?ほらあの終活っていうんですかね。なんか、死んじゃうまでの準備が出来たっていう。でも…ですね、まだ仲間と仕事もしたかったし、そしてあの…瞳ともう少しこう…居たかったから。」
-阿波野「これを書かせてしまったことで逆に悩ませてしまいましたか?」
-雅彦「いえいえ。先生…なんか、あの…寂しくなってきちゃいまして。なんだろ…もう瞳とお別れなのかなって思うと。なんか今までこういう気持ちになんなかったんですけどね。なんでだろう、急に。先生、あの、例えばですよ、今から治療受けたらどうなるんですかね?」

実演販売の職場にて、社長の中井と加賀谷に話があると伝える雅彦。
-雅彦「実は僕、癌なんです。膵臓癌。もう全身に転移してて、余命宣告も受けています。これ、痛み止めの医療用麻薬。オキシコード。なんか恐竜の名前みたいでしょ。これもう毎日飲んでます。最近痛みの方もひどくて、これ以上黙ってるわけにはいかなくて。」
-中井「椎名さんが体調を崩されてることはなんとなくわかってましたけど…」
-雅彦「黙っててほんとすみません。」
-加賀谷「いや信じませんよ僕。」
-雅彦「加賀谷くん。」
-中井「治療は?治療をしながら治療を続けられてたんですか椎名さん。」
-雅彦「治療は受けてません。社長、オオサワくんのこと覚えてますか?うちの会社の社員だった。3年前、僕と同じ病気で亡くなった。あの姿見てたらなんか考え方変わっちゃって。ベッドに縛りつけられて辛い治療を受けるより、それより僕は、社長と加賀谷君と楽しく仕事したい。仕事の辞め時は、またあらためて相談させてください。お願いします。」

人生ノートを書き、職場にい自分の病気のことを伝え、少しずつ自分の事を整理し、決断をしていく雅彦。
雅彦の中に、死ぬことに対する恐怖、瞳ともう過ごせなくなることに対する恐怖が、今まで以上に影を落としていく様子がわかります。

「もっと生きたい」。

死ぬまでにやりたいことリストも、人生ノートも、書いたけれど、自分の人生が終わる前提で、最後へと向かってただ時が流れていくのは、怖くてたまらないはず。
本当の願いはたったひとつ、「もっと生きたい」、それだけのことなのに、それは絶対に叶わない。
その苦しさを、せめて阿波野には吐き出せてよかったです。


6-3. 倒れる

塾講師の仕事をしながらも、結婚は早いと語った瞳や、寂しそうな龍之介のことが頭から離れずため息をつく一馬。

仕事を終えて帰宅した雅彦。瞳は一馬と婚約解消したことを雅彦に伝え、産後ケアのため夜勤へと出かけて行く。
朝、夜勤から帰宅した瞳。雅彦は痛む身体で仕事へと向かう。
寝付けない様子の瞳、美奈子と圭吾からグループLINEに結婚式に関する連絡が入り、「キャンセルした」と伝える。
なかなか寝付けずリビングでお茶を飲んでいると、圭吾が訪ねてくる。
びっくりして様子を見に来たという圭吾を、家に入れる瞳。
-圭吾「友達だからさ、やっぱ心配なんだよ。瞳が元気でいてくれないと。今週はいつでも空けれるから美奈子と3人でまたもんじゃ食べ行こうよ。」

お茶を淹れながら、泣き出してしまう瞳。駆け寄り背中をさする圭吾。
-瞳「ありがとう。…ありがとね、岸くん。ありがとう。」

涙を止め、ごめんと笑い、「なんかちょっとすっきりした」と瞳。
「そっか」と笑う圭吾は、お茶だけ飲んで出勤のため帰って行く。
その後、結局よく眠れないまま瞳はまた助産院に出勤するが、仕事中に倒れてしまう。

ついに瞳が倒れてしまいました。
ここ最近ずっと寝つけていなさそうだった瞳。
げっそりと疲れている雰囲気が奈緒さんから漂っていてリアルでした。

心配して様子を見に来た圭吾。
きっと瞳が病院でのトラブルを受けて実家に戻って来た時も、こんな風に圭吾が声をかけて、美奈子とのもんじゃやお笑いライブに誘ったりしたんでしょうね。
瞳のことをそばで見てきて、理解していると自覚もある圭吾。
普段なかなかはっきりしないところ、女々しいところもある圭吾ですが、こういう時にLINEで済ませず様子を見にいく行動力はある圭吾、やっぱり優しくて。

瞳は今、圭吾が自分へ向ける想いを美奈子から聞かされていたのものあり、このまま縋ってはいけないという思いもあって涙を止めたのかなと思いますが、こうやってそばで気に掛けてくれる人がいるというのは、よい意味で救いにもなるし、自分を鼓舞する力にもなる。
言葉に出来なくても、泣けること、泣ける場所があることで、少し楽になれるところってありますよね。

このシーン、圭吾に、弱っている瞳につけこんでどうこうしようとするという下心がまったくなく、自分の好意は差し置いてただシンプルに瞳のことが心配だから駆け寄ったということがちゃんと伝わってきました。
この時点で、「瞳を一番そばで支えるのは俺じゃなくて一馬だけれど、一馬と少し離れてしまっている今、やっぱり友人として大切な瞳の力に少しでもなりたい」という圭吾の気持ちが伝わるような。
深澤さんがかなり気を遣ったというこのシーン、そういった圭吾の見え方を考えてお芝居を組み立てられたのかなと思います。


6-4. 瞳の入院

大慌てで病院の瞳のもとへやってきた雅彦。
瞳はストレスによる免疫低下で1-2日入院するという。
瞳を心配して大声になってしまう雅彦と、それを注意する瞳。
その様子を見て「仲が良いんですね」と立ち会っていた節子。
-雅彦「まさかねえ、そんなに溜め込んでたとはね。ね、瞳。もうかずまると会わないつもり?」
-瞳「わかんない。会いたいけど、今は会わない方がいいのかなとも思ったりして。お父さんもその方が安心でしょ?」
-雅彦「なんか、やっぱかずまるのこと嫌いじゃないんだよね。あの龍之介、あいつもなんか可愛いし。俺なんで結婚に反対してるのかさ、ちょっとわかんなくなってきた。」
-瞳「…今さら何言ってんの。」

お見舞いにやってきた美奈子。大量のカップ麺を差し入れる。
「辛いなら辛いって言ってくれればよかったのに」と心配する美奈子。
そこへマキが大きな花束を持ってやってくる。
マキと美奈子、2人での帰り道。
「あの子さ、全部自分で背負っちゃうんだよね」とマキ。
「でも瞳はお父さんのせいじゃなくて自分が弱いからだって思っちゃってるんでしょうね」と美奈子。
一馬との婚約解消について心配する2人。
一方、一馬はお笑いの新ネタを考え始めている。
「パパお笑い芸人に戻るの?」という龍之介に、「そういうわけではないんだけど、やっぱり笑いは大事でしょ。大事なんだよ笑いは。」と一馬。

「そんなにため込んでたとはねえ」と言う雅彦。
所々見せる雅彦の父親としての表情が、一人で大切な娘を育ててきたお父さんらしさに溢れていて、とても素敵だなといつも思います。
瞳が倒れるほどにまで自分や一馬のことを抱えていたことには雅彦も驚いていたけれど、こんな風に一人で抱えてしまうのはきっと瞳のくせで、小さい頃からそんな瞳を雅彦をはそばで見て、よい距離感で見守って、時には力になって、そうやって親子二人でやってきたんでしょうね。
はあ。この親子、もっともっとずっと見ていたい(涙)

瞳のそばに、たくさん支えてくれる人がいてよかった。
ネタをまた作り始めた一馬の今後も気になりますね。


6-5. 一馬と圭吾

コンビニで遭遇した一馬と圭吾。今度は一馬から圭吾に、「少しお話しする時間ありますか?」と声をかける。圭吾の車で話す2人。
-一馬「一か月前はこんな風になるなんて想像もしてなかった。でも、仕方ないです。だってきっと瞳ちゃんも色々悩んだと思うから。岸くん、瞳ちゃんのこと、よろしくお願いします。何があっても瞳ちゃんのお友達でいてあげてください。岸くんや美奈子ちゃんが瞳ちゃんを支えてくれてたら僕も安心だから。お願いします。」
-圭吾「…はい。」

入院している瞳、体調も回復し、夕方には退院出来ることに。
退院の連絡を電話で受け、病院まで迎えにいくという雅彦。
瞳との一馬のことについての会話を思い出しながら、仏壇の佳乃の写真に、「俺間違っちゃってたのかな」と問いかける。

一馬の車の降り方(笑)

1ヶ月。本当にこの1ヶ月の間に、みんなに色々な想像を超える出来事が起きすぎて、一馬も混乱しているし、疲れもあるでしょう。
この時点での一馬は、自分が身を引くべきか、まだ決めていないけれど悩んでいるような、そんな様子ですね。
圭吾に対しては、嫌味でもなんでもなく、ただ純粋に瞳のそばで支えてあげてほしいと願っている一馬。
今瞳にとって必要なのは一馬だと理解している圭吾と、瞳には圭吾や美奈子がついていてくれれば大丈夫と思っている一馬。
2人とも、瞳のことを一番に考えていて、本当に良い人たちだ…。

ここで圭吾がごちゃごちゃ言わず、「はい」とだけ言ったのは、一馬の悩みや苦しみを圭吾が想像出来たからでしょうね。
前回2人で話した時は、感情のままに一馬に言葉を投げてしまった圭吾、自身の中で後悔や反省があったのでしょう。
少しずつ変化している圭吾の感情が、この回ではよく描かれているように思います。


6-6. ホームパーティー

退院して自宅に戻って来た瞳。久しぶりの家にほっとしている様子。
「お父さんは入院しなくて正解だったかもね」と瞳。
「ただいま」と誰もいないはずの家に大声で入っていく雅彦。
どこか不自然な様子の雅彦と、怪訝に思う瞳。
リビングのドアを開けると、そこにはサプライズで瞳を待ち受けていたマキ、圭吾、美奈子が瞳に向かって退院おめでとうとクラッカーを鳴らす。
退院祝いのため、雅彦が声をかけてみんなを集めていた。
そして奥の方から、一馬と龍之介も現れ、驚く瞳。
-一馬「お父さんが来いって言ってくれて、やっぱり瞳ちゃんに会いたかった。」
-雅彦「結婚話がなくなっちゃったらさ、なんか俺の残りの人生張り合いなくなっちゃうじゃん」
-マキ「もう1回最初からやり直してみてもいいんじゃない?」
-雅彦「またさ、俺とやりあってさ、俺を納得させてみろよ。そして自分がどうしたらいいかよく考えてみろよ。あと龍之介、これは二人で考えて。」

雅彦が用意した手巻き寿司など、たくさんのご馳走をみんなで囲む。
和気あいあいとみんな笑顔で過ごす。
雅彦も、ところどころ身体が痛む様子を見せるが、元気に振舞う。
「みんなで集まると楽しいね」とマキ。
「みんな俺抜きでやってよ。みんな集まれば楽しいじゃない。」と雅彦。
最後は全員で集合写真を撮影。

圭吾と美奈子、2人の帰り道。瞳が嬉しそうでよかったと話す。
-圭吾「婚約解消っていっても、やっぱり瞳はカズマルくんのこと好きなんだなあ。」
-美奈子「岸くん。これからも友達でいてね。ずっと友達。」
-圭吾「え?わかってるよ、なんだよいきなり。」
-美奈子「いや、わかってると思うけど、一応?ま、男なんていくらでもいるしね。」

マキを玄関まで送る雅彦。
-マキ「あのさ、もう結構しんどいの?」
-雅彦「大丈夫大丈夫。」
-マキ「時々辛そうにしてたからさ。昔は風も引かなかったのにね。死んじゃうなんて信じらんない。順番逆でしょ普通。…ごめんごめん、変な事言っちゃった。」
最後は笑顔で、帰路につくマキ。

瞳と、瞳の友人と、手巻き寿司を囲んでホームパーティー。
瞳の17歳の誕生日も、雅彦が用意していたのは手巻き寿司。
リストにも書いていた雅彦の夢が叶いましたね。
手巻き寿司、佳乃が生きていた頃から、椎名家ではお祝いと言えば手巻き寿司だったのかもしれません。

いろんなことがあったし、今もまだ現在進行形であるけれど、それでも、笑顔で、おいしいものを食べて、楽しい時間を過ごす。
そんなひとときが久しぶりに訪れて、心が温まるシーンでした。

帰り道、美奈子は圭吾の想いに一度区切りをつける決意をした様子ですね、
圭吾がもう、瞳と一馬の仲を認めていて、それをどうこうしようとしていないということはきっと感じ取っている美奈子。
短絡的に考えれば、今は美奈子にとってはチャンスのはず。
でも、岸くんとの関係を変えずに、このまま3人で友達でいることを選んだ様子の美奈子。
ひとつ決断をしたことで、どこかすっきりしている様子でした。
美奈子ちゃんに幸せが訪れてほしいです。

雅彦と2人きりになった時のマキからぽろりとこぼれる本音には、いつも苦しく切ない気持ちになりますね。
明るく振る舞っているけれど、やっぱり悲しくて。
でもどうすることも出来ないから、せめて明るく笑顔でいたくて。

きっとみんな、ジェットコースターのように目まぐるしく色々な感情に次々と襲われて、笑ったり泣いたり心が忙しい毎日で。
だからこそ、たまには集まって、一緒に笑って。
そんな時間を持つことは、本当に大切なことですね。


6-7. やりたいことリスト

まだ家に残っている一馬と龍之介。雅彦は気を利かせて、瞳と一馬と龍之介が3人で話す時間を持たせる。オセロをしながら笑っている3人。
こんなに笑ったのは久しぶりだ、幸せ者だと笑う瞳。
少し離れて、3人の会話を微笑ましく聞いている雅彦。

-瞳「龍ちゃん、私のせいでかずくんが芸人辞めちゃって本当にごめんね。」
-龍之介「まだわかんないよ、パパ最近新ネタ考えてるから。」
驚く瞳。どこか嬉しそう。
-瞳「え、かずくん、芸人に戻るの?」
-一馬「そういうわけじゃないんだけど、僕はさ、ただ瞳ちゃんに笑ってもらいたいだけなんだよね。瞳ちゃんが幸せそうにしてくれてたらそれでいい。
-龍之介「だって。」

一馬と龍之介も帰宅し、2人になった雅彦と瞳。
-瞳「お父さん、ありがとう。おやすみなさい。」
-雅彦「おやすみ。」

部屋に戻った瞳。穏やかな表情で眠りにつく。
机の上の瞳のリストには、「お父さんにかず君との結婚を認めてもらう」の項目が再び書き足されていた。

リビングでリストを開く雅彦。
達成した「友達呼んでホームパーティー」を二重線で消す。
そして、「カズマルを瞳から追い払う!」も、消す。

今回はとても穏やかな終わり方でした。
久しぶりに家でぐっすり眠れそうな瞳ちゃん。よかった。

色々考えた一馬だけれど、結婚するとかしないとか、芸人に戻るとか戻らないとか、そういうことではなく、ひとつ貫きたいのは「瞳に笑顔でいてほしい」ということだというところに行き着いたのですね。
それがどんなかたちでも、笑っていてくれればそれでいい。
その想いがひとつまた明確になった一馬、今後の行動も変わってきそうです。

瞳も、最近いろいろとごちゃごちゃぐるぐると悩んでいたけれど、笑顔でいたい、かずくんのことは好き、そんなシンプルな気持ちに立ち返れたのではないでしょうか。
そのきっかけを作ってあげた雅彦。
雅彦は初めから、瞳が笑顔で幸せでいてくれればそれでよくて、親としての心配からかずまの収入や子持ちであることなどを懸念してとやかく言ってきたけれど、いくつものやりとりを通じて、瞳の幸せには一馬が必要だということを確信した。
もうあとは2人でと促した雅彦。
ここから一馬と瞳は、あらためてちゃんとまた龍之介と3人の在り方を考えて始めていくのでしょう。

どんな相手であれ、結婚をすれば、その後の生活は楽しいことばかりではきっとなくて。
いろんな苦労もするだろうし、迷うこともあるかもしれない。
そんなのは当たり前で。
でも、せめて一緒になる前によく考えておくべきことや、向き合っておくべきことに、お父さんの雅彦がいる間にしっかりと向き合う経験を出来たことは、きっとこの先の2人にとっても大きな力になるはずですね。

今回は、瞳の調子も元に戻って、少しずつ、ほんの少しずつ、みんなが前進したような回でした。
一方で、少しずつ確実に悪くなっていく雅彦の体調も描かれていて。

幸せと悲しみ。
はじまりと終わり。
対極にあるこのふたつを、命の物語を通じて描くことは、普遍的なテーマである分、とても難しくて。でもこの物語をずっと見届けたいと思うのは、本当に登場人物ひとりひとり、物語の1シーン1シーンに愛が溢れているから。

もう次は7話と、物語も終盤に差し掛かっていきます。
絶対待ち受けている悲しみ。それはきっと避けられないけれど、それまでを、春までを、どう生きるか。
雅彦だけでなく、瞳が、それぞれが、どう生きるか。
たった3ヶ月で、人生は大きく変わる。人は大きく変わる。
だけどきっと変わらないものもあるし、いなくなった後も、人の中に、人はいる。
幸せと悲しみは繋がっていて、はじまりと終わりも、繋がっている。
きっとそんなことがあたたかく描かれていくんだろうな。

次回も楽しみです。



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