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いよいよ今夜初回!【海のはじまり】

およそ1ヶ月も前から記事を上げはじめ、楽しみにしていた、フジテレビ月9ドラマ「海のはじまり」。
やっとです。やっとですよ。今夜21時から第1話の放送です。
まだ観ていないのに、そして制作に携わったわけでもないのに、やっと第1話が世の中に放たれる日を迎えたのかと、勝手に胸がいっぱいです。
今回は、GINGER WEBに掲載されている、脚本家・生方美久さんの記事について。



「海のはじまり」公式サイト

試写会の様子や相関図など、情報が更新されています。
信頼できるお芝居をされるキャストさんが揃っていて、本当に楽しみでなりません。


GINGER WEB 生方美久さん特別取材

GINGER WEBにて、「海のはじまり」の脚本を書かれた生方美久さんの作品に関する記事を閲覧出来ます。

▼記事はこちらから


伝えたいことはふたつだけ

「海のはじまり」で伝えたいことは、ふたつだけ。
そうおっしゃる生方さんの言葉です。

明確に伝えたいことはふたつだけです。ひとつは、がん検診に行ってほしいということ。すべての人が受診できる・受診しやすい環境が整ってほしいです。もうひとつは、避妊具の避妊率は100%ではないということです。大人でも「避妊すれば妊娠しない」という認識の人が非常に多い。今回のドラマのあらすじが公開されたときも「大学生にもなって避妊も知らないカップルの話なんて書かないでくれ」というご意見をもらいました。予期せぬ妊娠をした人とそのパートナーを「避妊しなかった」「性にだらしない」と決めつける風潮が、さらに彼らを追い込みます。コンドームは正しく使用しても90%程度、低用量ピルの内服でも99%の避妊率といわれています。人工妊娠中絶に対する否定的視線もそう。事情も知らずに非難される傾向にあります。いつか身近に彼らと同じ悩みを持った人が現れたとき、悩み苦しみながら自らの選択をしたドラマの登場人物たちを思い出し、少しだけ優しくなってください。

GINGER WEBより


"流さない"から信頼できる

生方さんが伝えたいふたつのこと。
この記事を拝見して、やっぱり信頼できる作品だとさらに期待が高まりました。

ひとつめのがん検診について。
これは水季の死に関わっていそうですが、ほかにも絡めて描かれるかもしれませんね。
この物語は、サブタイトルにもあるように、「つながり」や「選ぶ」ということがキーワードになっていますが、「選べなかったつながり」のひとつに、検診や治療ということも含まれているかもしれません。
記事にもあるように、きっとすべての人が、検診や治療を"選べる"環境にいるわけではないから。
こうしたテーマについて、生方さんの脚本が、台詞が、どのような角度で紡がれるのでしょうか。
それに対して私たちは、まっすぐに受け止めて、じっくりと考える。
そんな時間を過ごしていく夏になりそうです。

そして、さすがだと思ったのが、伝えたいことのふたつめです。

「大学時代に付き合っていた彼女が突然姿を消した。時が流れてその彼女の訃報に接し、葬儀にて、その彼女が自分には打ち明けないまま自分の娘を出産し育てていたという事実を知る。」

この物語が展開していくきっかけとなるのがこのエピソード。
学生時代に水季が妊娠をしたということ、そしてそれを夏に告げずに姿を消したということ、そして黙って産んで育てていたということ。
この設定って、きっとこうするしかなかった、他の道を選べなかった、何かしらの背景があるはずで、きっとそれは物語の中で描かれると思うのですが。
もし現実にこういう出来事が起こった時、そもそもなぜ妊娠してしまったのかという部分も含め、周囲から非難されたり、だらしない、無責任だというレッテルを貼られたり、なんと言うか、"正しくない"方だと、見えない基準によって分類されてしまうところがあるものだと思います。

いろいろなかたちの家族があり、夫婦があり、恋人があり、親子があって、そのどれも、第三者が否定する立場にはないと思いますが、やっぱりある程度の"正しい"とされる順序とか、形というものがある世の中だから、まだまだ「そうだったんだね」と誰もが何のひっかかりもなく飲み込んで肯定出来る経緯ではないというのが現実だと思います。

でも、テレビドラマであれば、あくまでもフィクションですから、そうした部分は設定として流してしまって、別軸に主軸をおいて展開していくことも出来る。
そんな中で、こうしたリアルな部分をきっと描かれていくのだろうということが、この記事を通してわかり、信頼出来る点だなと感じます。
私たち視聴者がどこかで感じてしまう違和感って、きっとこういうところの描き方だと思います。

理解してくれる人もいれば、そうでない人もきっといる。
社会で生きていくということは、その社会で大勢から正しいとされている正しさの中である程度生きていくということは必要で、でも、結局当事者の痛みや苦しみやよろこびや幸せはすべて、当事者にしかわからないもの。
周囲は簡単に人のことをとやかく言えるし、言って終わるけれど、そうして向けられた言葉や感情によって、窮屈な思いをして、生きづらくなることがある。
自分を一番責めたり不甲斐なく思うのは自分なのに、それでも生きていかなければいけないのに、その人をさらに、周りが苦しめることがある。
何を選んでも、選ばなくても、誰かにとっての正しさに当てはまらなければ、間違っているとか、無責任だとか、言われてしまう。

それでも当事者たちは、起きてしまった現実に対してなんとか向き合って生きていこうともがかなければならなくて。
正解です、不正解です、という結論づけをするのではなく、みんな気を付けましょうねなんてことを示すわけでもなく、色々な立場や経緯があり、みんな迷い間違え悩みながらもがいている、その姿をリアルに丁寧に描くことで、考えるきっかけをいくつも投げかけてくれる作品になりそうです。


伝えたいわけじゃないこと

また、生方さんは「家族」について、このようにも語っています。

伝えたいわけじゃないことは、「家族は素晴らしいもの」ということです。家族を嫌いだっていいと思っています。家族ではない‟つながり”を持った登場人物たちの感情や選択が何より重要な作品だと思っています。

GINGER WEBより

これもまた、もう信頼でしかありません。
すべての人を、感情を、置いていかない、否定しない。
そんな生方さんの世界が、この数行から感じられますよね。

人はいつどのようにして父となり、母となるのか。
親子や、立場というものが、この物語の中心には常に描かれると思いますが、「離れていたって家族だよね」とか、「空白の時間も愛が埋めていくよね」とか、そんな綺麗事な展開になっていかなそうなのが、好きです。

夏くんと海ちゃんは、きっと出会ってから少しずつ心を通わせていくのだろうと思いますが、今回の物語の主人公である夏は、キャラクター説明等を読んでいる限り、自分から「俺はお父さんだ!」「海は娘だ!」「親子でうまくやっていこう!」「俺らは今日から家族だ!」と進んでいくようなキャラクターではなさそうで。
血のつながりはあるけれど、血のつながりしかない二人。
寄り添えることもあれば、寄り添えないことだってきっとあって。
常にすべてを受け入れ合うのが家族ということでもないですし。
でも、つながりを感じられることで、築けるものや、救われるものも、きっとあって、それはきっとあたたかくて。
この二人を中心に、「親子だから」とか、「大人だから」とか、そういう制約の中での正しさやつながりではなく、純粋に人が人を想うということだったり、その想う人を選ぶということだったり、枠組みや言葉での定義をいったん外したところでの、人が人を想うというところが丁寧に描かれていきそうですね。


第1話放送直前に、生方さんの記事を見て、あらためてかみしめています。
余談ですが、私も過去に放送された「人にやさしく」のドラマが大好きで。
今でも好きなドラマは何かと聞かれたら挙げる作品で。
生方さんもこの作品を挙げられていたこと、その方が今回家族・親子を切り口とした作品をつくられるということを知り、個人的にとても嬉しいです。

さあ、今夜ですよ!!!!!!!!
おそらく明日、興奮状態で第1話の感想を泣きながら書いてアップすると思います。
はあ。楽しみです。



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