2024年NHK朝ドラ「虎に翼」より、心に残った台詞をまとめました。
*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。
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第14週
理想は掲げ続けなきゃただのゴミくず
現実を見ろ、綺麗事だと、掲げる理想に対して散々の言われようだった状況で、寅子が怒りながら言った言葉です。
うまくいかなくて腹が立っても意味はあります
本の改稿作業を終えた寅子と星の会話です。
この星の一言が、寅子をもう一度立ち上がらせました。
おかしいと声をあげた人の声は決して消えない
とある事件の判決を巡り家族で話し合っていた際の寅子の言葉です。
寅子も、何年も声を上げ続け、くいしばってきました。
この話をした後、寅子は娘・優未の寝顔を見つめます。
もしも今、自分が報われなかったとしても、あげ続ける声はきっと、未来のためになる。
そう信じ直して、もう一度立ち上がります。
心から誇りに思う。それを伝えたかった。
寅子と悔いを残したまま別れそうになった時、穂高が自ら寅子の元へやってきて、寅子に言った言葉です。
寅子を叱るとか、許すとか、そういった話ではなく、ただ君のことを誇りに思っているということを伝えたかった。
人として、とても素敵だと思いました。
これを受け、寅子も、穂高の教え子であることを誇りに思っていると伝えます。
君もいつかは古くなる
寅子たち次世代にバトンを託す穂高が、寅子にかけた言葉です。
時代は変わり、自分も老いる。
その中で、常に未来を見据えて、未来のための仕事をする。
穂高の言う通り、自分自身を疑い向き合い続けなければ、成し遂げられることではありませんね。
頼る大人は親である必要はない
両親が互いに親権を押し付け合う中で、優しくしてくれた大人は浮かぶかと寅子に聞かれた栄二は、父親の姉の名をあげました。
その後、栄二は父親の姉のもとで暮らすことが出来るようになりました。
本当は、親に頼ることが出来るのが一番よい。
でもそれが叶わなかった時、親子だからとそばにいなければならない苦しみを、子どもだけが背負う必要はない。
最後、栄二が家裁を去る時に初めて見せた笑顔に、ほっとするシーンでした。
道徳は道徳、法は法である
尊属殺に対する穂高の意見です。
道徳は道徳、法は法。
結局この時には穂高の意とは異なる判決になりましたが、穂高があげた声は、寅子たちには確かに聞こえ、響いている。
そして、その先の未来に繋がります。
第15週
適正は個々の特性で決められるべきで男女は関係ない
ラジオに出演をした際、「家裁は女性が輝ける場所」「家裁は女性裁判官にふさわしい」と長官に言われた寅子の言葉です。
職員一人の異動で痛手を負うような組織形態
寅子の新潟への異動が決まり、困ると騒ぐ多岐川に対して、桂場が言った言葉です。
今の世の組織形態にも、当てはまる部分がありますね。
家族に目を向けられないくらいまで頑張ってくれなんて私頼んでない
新潟へ優未を連れて行くと言った寅子に、花江が感情的になりながらぶつけた言葉です。
今の状況で、寅子が働きながら優未と二人きりで暮らすのは、不可能に近い。
現実に気付かぬまま進んで行こうとした寅子に、ずっとこらえていた花江が、優未のために感情を溢れさせた瞬間でした。
些細な「ん?」みたいなズレは受け流さなきゃって
優未のことで花江と寅子がぶつかった後、寅子のもとへやってきた直明の言葉です。
家族だからこそ、寅子のことを知っているからこそ、みんな言えなかった。
この直明の台詞にあるようなことって、結構日常生活の中にありますよね。
円滑に過ごすために、飲み込んでしまうこと。
それが結果的に、溝を深めて、取返しのつかないことになってしまう時がある。
その前に、繋ぎ直せますように。
手のかからないおりこうさんを求めてなかった?
優未のことを寅子に伝えた直明。
今事実を伝えなければ、寅子と優未がダメになる。
そう思っての優しさとしての直明の言葉が、寅子を刺したシーンでした。
君はもう昔の弱い者じゃない
新潟への異動は天狗になっていた自分の鼻をへし折るために考えてくれたことだろうと言った寅子に対して、違うと言った桂場の台詞です。
こんな風に人の成長を見守り、考えてくれる人がそばにいること、恵まれていることだと思います。
そしてそういう人との出会いを引き寄せたのは、寅子自身。
寅子が苦労して、這いつくばりながらも、懸命に歩んできたからこそ、こんな風に寅子のキャリアを一緒に考え機会を与えてくれる人や職場に巡り合えたのでしょう。
それはお前、とびきりの愛じゃないか
桂場の話を聞いていた多岐川の台詞です。
もう本当に、とびきりの愛でしかない。
寅子は本当に苦労してきたけれど、必死に歩みを進めてきた一歩一歩を、女だからとこ男だからとかそういうフィルターを外して、シンプルに認めてくれる人たちがいる。
仕事も家庭も、打ちひしがれてしまった寅子ですが、こうした愛をしっかりと受け止めて、新潟へと向かいます。
俺は君が去るのが寂しい
寅子の異動にあたり壮行会をした時、庭で水をかぶりながら、多岐川が泣きながら寅子に言った言葉です。
本当に、愛に溢れた人です。
第16週
知るのと受け入れるのは違う
戦争で家族を亡くした高瀬雄三郎について、星が言った言葉です。
娘の優未に亡くなった優三の話を未だに出来ずにいる寅子は、星の言葉が自分自身に重なりました。
意思で物事を受け流すのと、受け流さざるを得ないのは違う
トラブルを起こした高瀬について、処分なしで穏便に済ませようとする周囲の声を押し切って、高瀬のために、処分をすることを決めた寅子。
考えを言葉にしてほしいと高瀬に言われた寅子が言った言葉です。
高瀬にも、そして視聴者にも、響いた言葉でした。
第18週
煙を上げたのは誰なのかを見極める
朝鮮人が容疑者として逮捕された放火事件の裁判を担当した今週、差別について、航一が言った言葉です。
責任が微塵もないなんて、自分は従ったまでなんて、どうしても僕は言えない
かつて総力戦研究所にいた星は、机上シミュレーションで敗戦の結果が出ながらも戦争が続行され、シミュレーション通りに敗戦したことについて、その罪悪感を一人きりで抱えていました。
そんな星が、寅子たちの前で初めてそのことを打ち明けた時の台詞です。
星のせいではない。彼だけが背負うべき罪悪感ではない。
そんなことは本人も頭ではわかっていても、自分は無関係だなんて割り切れない。
抱えていたあまりに大きすぎるものが、ただただ苦しく響くシーンでした。
僕自身は信じられなくても法律は信じられるから
自分は信じられなくても、法律は信じられる。
星がどんな思いで裁判官として生きているのか、背負うものの重さが感じられる台詞です。
第19週
その人を前にして胸が高鳴って仕方ないのなら
戦死して寅子の元へ帰ることが叶わなかった優三が、寅子に向けて残していた手紙です。
航一の存在が気になりながらも様々な思いから気付かぬふりをしていた寅子。
自分に素直に自由でいてほしいと願った優未が寅子に伝えたこの手紙が、寅子の背中を押しました。
二人の人生の責任はとれません
友情結婚というかたちで籍だけを入れようとした職場の後輩に対して寅子がかけた言葉です。
自分たちでよく考えて、自分たちで決断をしなさい。
その決断を、肯定して応援する。
自分自身の優三との結婚の経緯も踏まえた寅子が、考えた末に二人に送ったエールです。
不真面目でだらしがない愛
航一と寅子がお互いへの想いに素直になった時の会話です。
こんな愛のかたち、こんな愛の告白があるのかと、印象的でした。
永遠を誓わない、だらしがない愛。
不誠実ということではない、心のままの愛。
航一と寅子らしい、二人のかたちです。
第20週
自分を曲げず、何も変えず、よねさんのままで
司法試験に合格し、とうとう弁護士になったよね。
時間はかかったけれど、よねはよねのままで、自分のままで、夢を叶えました。
それがなにより嬉しい寅子でした。
明らかな国際法違反だ
広島と長崎に落とされた原子爆弾の被害者が日本政府に賠償を求める裁判で、原告代理人を務める雲野。
轟とよねに協力を依頼した際に、岩居と4人で話をした際の言葉です。
戦勝国であるが故に問いただすことが出来ない
日本はアメリカと締結した平和条約により、アメリカに賠償を求める権利を放棄している。
そのため原爆を投下したアメリカに対して訴訟は起こせないけれど、その権利を放棄した日本国に対して、声をあげる。
雲野の、そして被爆者の、民間人の、強い意思による訴訟が動き出します。
戦勝国であるが故に問いただすことが出来ない
日本国を相手とする訴訟を起こす雲野の覚悟です。
お母さんの当然の権利だよ
猪爪家の家族会議での会話です。
親代わりの花江に親孝行をしていきたいと話す直明に対して、直人と直治は、出征前に父親に言われたことを守り、お母さんを支えるのは自分たちだと言いました。
世話になることすら躊躇う花江に対して、直人が言った言葉です。
世話になるんじゃない。あてとかじゃない。母さんの当然の権利だし、母さんに幸せでいてほしいから支えるだけだ。
まっすぐな思いが、花江に届きます。
第21週
今振り返ってみれば
自分の過去の至らなさを反省する寅子に、轟がかけた言葉です。
轟も、「今振り返ってみれば」の連続でした。
自分のことも、花岡のことも。
そして轟は、いつか人生を振り返った時に、心から幸せだったと言いたいと、そう言いました。
要望は認められんが今のは君の言う通りだ
結婚して星姓になっても、仕事上は佐田姓を名乗ることが出来ないか。
寅子のその要望は叶いませんでしたが、ここでの寅子の言葉を受けて、すかさず「失言だった」と訂正した桂場。
桂場さんらしい、印象的な言葉でした。
要望を受け入れられないことと、相手の主張を認めないこととは、違いますよね。
第22週
弱そうな相手を選んでないか?
女は働きたくて働いているんだろ。働く必要もないのに。
そう言う学生に対して、小橋が言った言葉です。
小橋自身が自分自身を乗り越え、成長してきた証のような言葉でもあります。
自分でやっと切り拓いた道を自分で閉ざさなきゃいけない
秋山さんは、今あの地獄にいるんだ。
この言葉を受けた寅子は、かつての自分の姿を重ねます。
次の世代にそのまま先送りにしていくのが苦しいんです
女性が働く上での環境やルールを整備しようと桂場に直談判した寅子の言葉です。
自分自身がかつて味わった苦しみを、そのまま次の世代が背負っている。
その状況をなんとか変えたいと、寅子は行動します。
中途半端に投げ出すくらいならば
かつて寅子が妊娠し自分のキャリアを手放さなければならないことを悩んでいた時に、穂高は次の世代に託そうと寅子を説得した。
そのことは、寅子にとっては深い傷となりました。
実はその後に、桂場が穂高に言っていたのがこの言葉です。
時を経て、現在の寅子に対して桂場は時期尚早だと言いましたが、その裏には、こうした想いがありました。
道の開拓ではなく舗装です
働く女性の環境を変えるため、女性法曹の仲間を集めて寅子が言った言葉です。
皆それぞれ、苦しい思いをして道を拓いてきた女性たち。
次の世代のため、これからの未来のため、動き出した女性たちです。
第23週
どの地獄で何と闘いたいのか
原爆被害の当事者が証言者として法廷に立つ。
彼女が好奇の目にさらされ苦しめられることへの不安を抱く轟に対して、よねが言った言葉です。
口や手を出したりするってことは変わってしまうこと
認知症が進む百合から距離を取りサポートをしないのどかに対して、ずっと蓄積していた思いが募りすぎた結果、バカと叫び蹴飛ばしてしまった優未。
百合に対して怒ってはいけないのに、と悩む優未に、話を聞いていた遠藤が言った言葉です。
声を上げた女にこの社会は容赦なく石を投げてくる
原爆裁判の証言をしようと東京へやってきた被爆者の吉田ミキ。
裁判のために証言をすると一度は決心したものの、揺らぐ本音に気付いたよねが、かけた言葉です。
ただ人並みに扱われて穏やかに暮らしたい
法廷には立たない代わりに、原告代理人に吉田ミキが託した手紙の内容です。
知らんぷりしたりなかったことにする世の中にはしたくない
認知症が進み混乱の中、死んだ夫の元へ行きたい、情けないと泣きながら謝る百合。
その百合の背中を撫でながら、寅子が言った言葉です。
政治の貧困を嘆かずにはおられない
長年に渡った原爆裁判において、汐見が読み上げた内容です。
判決主文を後にまわし判決理由の要旨を先の述べる、当時は異例の方法でした。
第24週
もう闘う自信がない
9年近く続けてきた寄生虫の研究。
その先は性別問わず狭き門で、その道を諦めたいと話す優未の言葉です。
道を閉ざそうとしないで
研究の道を諦めようとする優未と、諦めるなと言う航一。
二人の前で、寅子が言った言葉です。
努力した末に何も手に入らなかったとしても
研究を諦めたいという話す優未の前で、寅子が反対する航一に言った言葉です。
かつて法の道に進もうとした寅子が、母親からかけてもらった言葉にも繋がります。
自分が一番で生きた方がいい
優未の進路に関する口論を見ていたのどかが、航一に向かって言った言葉です。
第25週
全て正しくなきゃ声を上げてはいけないの?
少年法改正についての意見を募った際に、寅子に向かって体制を批判するような発言をしてしまった音羽がそのことを謝罪。
その時に寅子がかけた言葉です。
わからないからこそやらない
補導された美雪になぜ人を殺してはならないのかと聞かれ、寅子が言った言葉です。
理由を見出そうとして傷を負わなくていい
母の姿をなぞるように堕ちていこうとする美雪に、寅子が言った言葉です。
どんなあなたでも私はなんだっていい
美雪に寅子が叫ぶようにして言った言葉です。
自分を責めて辛くなるくらいなら
人生に失敗したと嘆く優未や美位子に、寅子が言った言葉です。
時代がそれを許さず特別にした
最終話にて、君のようなご婦人が特別な時代はもう終わったのだなと言った桂場に、寅子が笑って答えた言葉です。
桂場は、笑って前言を撤回しました。
以上、ドラマ「虎に翼」の名台詞集でした。