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【栄養学】腎臓疾患に野菜や果物はNGですか?

腎臓を元気に保つためのベストな食事を科学的に検証


皆さんは足や手、顔などがむくんだことがありますか?
むくみの原因は様々ありますが、腎機能の低下によっても起こることがあります。
腎臓の病気は自覚症状が現れにくいことが多いため、米国では驚くべきことに腎機能が軽度から中程度に低下している人の96%、重度に低下している人の48%が診断を受けていないそうです。日本でも近年慢性腎臓病の患者数が成人の7~8人に1人の割合に増加し、新たな国民病ともいわれています。

加齢とともに衰える腎臓の負担を減らすために、今からできることはないのでしょうか?
今回は2020年に国際科学雑誌『Nutrients』で発表された論文から、慢性腎臓病の予防・改善方法について探っていきましょう。
腎臓病について学ぶことは、腎臓を元気にすることにつながります。生涯腎臓のトラブルを起こさないための方法を見つけましょう。
(お時間がない場合はスクロールして「腎臓を元気にするキーポイント」までお進みください。)

概要:
➢ 慢性腎臓病の危険因子
➢ 慢性腎臓病の現在の医療機関での治療は?
➢ 炭水化物はどのくらい摂ればよい?
➢ 慢性腎臓病の治療にはタンパク質は少ないほうがよいですか?
➢ オメガ3脂肪酸の腎臓への役割
➢ カリウムやリンの多い植物性食品は控えるべきですか?
➢ 酸性食品の摂り過ぎに注意が必要!
➢ 腎臓を元気にするキーポイント
➢ まとめ


慢性腎臓病の危険因子
慢性腎臓病の発生に影響があると考えられている要因には、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、慢性腎臓病の家族歴、肥満、代謝性アシドーシス、あるいはメタボリックシンドロームがあります。
つまり、慢性腎臓病はこれらの生活習慣病と深い関連があり、これらの疾患を管理することは腎臓の健康に役に立つことになります。


慢性腎臓病の現在の医療機関での治療は?
医療機関で慢性腎臓病と診断されると、次のような投薬と食事を勧められます。
✓ 降圧薬(アンジオテンシン変換酵素などの血圧を下げる薬)
✓ コレステロール低下薬(スタチンなど)
✓ エリスロポエチン(血液を作るのに役立つ薬)
✓ 利尿薬
✓ リン酸塩とカリウム結合剤(リン酸とカリウムを排出する薬)
✓ カルシウムとビタミンDサプリメント
(腎臓病では血中のリン酸塩濃度が高いためにカルシウムのレベルが低下する傾向があり、さらにビタミンDを活性型に変換する能力が失われるため)
✓ タンパク質、カリウム、リン、ナトリウムをなどを減らした食事

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