再掲【詩】「Wind」
僕らが歩いてきた道程のこの先でまだ見ぬ君が笑っているなら
眠りの中で幻を見た
それは教育というシステムの中で学んだ過去の残像
僕の罪じゃないけど
僕らは背負っていかなきゃならないと
確かあの時僕よりずっと大人だった人たちは言っていた
言葉と映像でしか知らないその歴史
僕が生を受けたその時にはもう「平和」が当たり前となっていた
今更何を恥じればいいのかを知らないままに
恥じるフリをして偉そうな言葉で通知表の成績を上げることに
もがいてた自分がいたよ
そしていまだに歌詞を覚えられない歌を繰り返し歌っていた
たとえば有り体に言えばこんな感じの僕だけど
僕らが歩いてきた道程のまだ見えぬ未来でまだ見ぬ君が笑えるように
付け加えて言うならそんな大袈裟な感情じゃなくて
もっと僕がここで楽しく生きていくために
そんなエゴイスティックな心でもいいだろう
今はただこうして今日という日の風を感じていたい
境界の外でその唱(うた)を聞いた
それは門外漢の僕には何にも分からない言葉のメロディ
それでも綺麗だとは思った
僕らは時に見過ごしては気付くその繰り返しで
少しずつ少しずつ葛藤しながらも前に進んでいるのだろう
「少女は喉がカラカラになりながらその水をのんだ」
「少年は晴れあがった空にピースサインを出していた」
無邪気な哀しみがあふれてるその歴史
僕は多分その哀しみを知らないままに目を閉じるだろうと思う
その少女があまりにもかわいそうだとは思う
誰かに罵られようと蔑まれようと僕はただそう思う
僕は多分何にも分かってないだろうね
だけどその少年が楽しそうに笑っているその表情だけは信じたい
おそらく偽善者に過ぎないそんな僕だけど
僕らが歩いてきた道程のまだ見えぬ未来でまだ見ぬ君に出会えるように
付け加えて言うならそんな大袈裟なビジョンじゃなくても
もっと僕がここで楽しく生きていきたいと
そう思える心が確かにあるのだから
明日もこの風が吹くようにとささやかな願いを胸に生きよう