アブラムシが付いてしまった。
薬用マリーゴールド(カレンデュラ)がうまく育たない年があった。
お花が小さいものや花びらが開ききらないうちに
枯れてしまうものが多くあった。
見ると、アブラムシが付いてしまっているようだった。
マリーゴールドはハーブティーはもちろん
モイスチャークリーム教室に使うオイルを作るためや、
エディブルフラワーとしても大活躍のハーブだけに
なくてはならない存在。
その年は収穫できる分だけ戴いて
翌年は植える場所を変えてみることにした。
例によって、農園の地形や日照のあたり具合など考慮して
植え込んでみる。
すると・・・なんということでしょう
マリーゴールドの列を挟み込むように両サイドからギシギシが
芽を出し、葉を茂らせてきたのだ。
まいったな~ こりゃー今年もダメかな。
ギシギシは一般には雑草の中の雑草とされ
繁殖力もさることながら、ゴボウの様な根を張るので
駆除も容易ではない。
なかば、あきらめながら様子を見ていると
ある時、ある異変に気がついた。
ギシギシの柔らかい茎にびっしりと
アブラムシが付いていたのだ。
それは、それは、可哀想になるくらいびっしりと。
うゎ~このアブラムシ、またマリーゴールドに付いちゃったら大変だぞぉ。
アブラムシが付いたギシギシを刈り取って
遠くの方へ持っていこうかと考えたが
ふと見ると、昨年とはまるで違いマリーゴールドの花が
いきいきと咲いている。
そっか。ギシギシがアブラムシを一身に引き受けてくれているんだ。
全く予想だにしなかったコンパニオンプランツとなり
その年は沢山のマリーゴールドが収穫できた。
その後のギシギシをみていくと
葉っぱもレースの様に食べられ、ちょっと心配になるくらいだったけど
虫が育った夏過ぎから復活して、元気にしていた。
虫は、草のほうが好きなんだ・・・というより、草が必要なんだな。
ということは・・
もし私が農園に生えてきたギシギシを
不要だからといって、早めに取ってしまっていたら
あの茎びっしりのアブラムシはど一体どうなっていたんだろう・・・
虫の立場になって考えてみる。
アブラムシが必要なギシギシが無いんだから、
目の前に残されたハーブや野菜にくっついて生きていこうとするよなー
当然だよなー
そう視点が変わると
「害虫」って、いったいなんなんだ?と疑問が湧く。
虫が必要な草を奪われ住む環境を追われるから、
結果的に作物に引き寄せられてしまうんじゃないの?
それで「害虫」って言われ駆除されては
虫はたまらないよなー
よし、わかった!
虫もうちの農園では自由にしてもらおう。
もう草は「雑草」ではなくなったし
虫も「益虫」とか「害虫」の区別は無いって解ったから。