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エスカレーター立ち止まり条例に疑義を感じる話

条例っていうものをご存知ですか?
ざっくり言ってしまえば地方自治体限定の法令みたいなものです。

その条例に関して私の中で長らく疑義が生じていて、その条例に罰金が課せられるもの、あるいは逮捕され裁判まで持ち込むことが出来るものとそれらが生じないものと2つあります。

前者は騒音とか痴漢とかいろいろありますが迷惑防止条例、路上喫煙禁止条例などがあり自治体のほとんどが罰金(または科料)または懲役刑が下されます。
一方で後者の条例は自治体によって様々ですが〇〇推進条例など促す条例で罰則がつきません。努力義務に近しいものだと思います。

表題の通り、エスカレーターに関する条例が埼玉県と愛知県で制定され、どちらも努力義務による条例になりました。

以前からエスカレーターを歩くことに関する社会問題がありました。片側を空け、その片側は歩く人のために譲る文化や風潮があり、片手に力が入らない、麻痺してベルトを掴めないから歩いて通行する側に立たざるを得ないという人にとってしんどいものであったり、エスカレーターを歩いて事故を起こしたなんて言うことは聞いたことがあるでしょう。

それらを解決するために埼玉県が日本全国初の「エスカレーター立ち止まり条例」を制定したのです。

でも条例ってことは罰則もあるよね?ということですが、残念ながら埼玉県が制定したのは努力義務によるもの、すなわち罰則なしの条例を制定したのです。

愛知県名古屋市も続いて制定したものの最初は両県とも条例施行されても全くといっていいほど機能していません。

しかし名古屋市はあるものを使って片側を空けて、歩く人のために通すというようなことが減りつつあるようです。

しかし全国初の条例を制定した埼玉県はあまり改善が見られませんでした。
JR東日本が愛知県と同様のものを使って検証したら立ち止まったという報告が見られましたが、それでもほかの埼玉県下においては改善すら見られないのが現状です。

罰則がつけば多少は効果はあるでしょう。しかし、罰則なしの条例を制定しているがために、全くと言っていいほど機能していません。守っている人なんて誰一人いないんですよね。

そもそも論として、条例はなぜ罰則付きと罰則なしの条例を制定したのでしょう…

せめて罰則付きの条例と罰則なしの条例は分けて名前を付けてほしいものです。

そして本気でエスカレーターを歩いてほしくないのであれば罰則を付けましょう。
罰則なしの条例はただの税金の無駄遣いに感じますね…
何千万ってかけて告知しているのに効果はないんですから。


名古屋市やJR大宮駅で「あるもの」を使ってみたら両側で立ち止まるようになったという事例があると言いました。

それは”AI検知機能による注意喚起システム”です。
エスカレーターで歩いている人を検知すると「エスカレーターの歩行は条例違反です」と注意喚起し立ち止まらせるシステムなんだそう。

そのおかげでか名古屋市では開始2週間で両側に立ち止まる割合が4割も増えたとか。
やはり、立ち止まらせたいのであれば罰金もそうですけど、検知機能などでの強制力も必要ですね…



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