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信長のお茶①
信長は言わずと知れた歴史上の大人物でございますが、稀代の茶人でもあります。彼が部下への褒美としてお茶の道具を与え始めたことから、名茶器を持っていることが武将の一つのステータスとなります。それにより名茶器一つが城一つと同じ価値を持つようになります。
お茶の地位を一気に高めた人物です。
この茶の湯の政治的利用に関しては様々な見方がされています。「茶室は密室で密談に向いていたから説」「領地は有限・茶器は無限、恩賞が尽きないから説」「一碗を通した対話で腹の内を探り信頼できるかどうか探った説」「価値基準を自分が作ることによる権力掌握説」などなど。いずれにせよ、優れた政治感覚を持つエピソードとしてとらえられています。
ただ私一つ思うんですよ。
「あいつ絶対茶会好きだっただけや‼‼」と。
いや、はまっていく中で「あ、これ使えるな」とか思ったかもしれませんよ。ただね、なんたってあの人死ぬときに本能寺で何してたかって言ったら“茶会してますからね!”
部下には城で出陣準備させといてふらふらしてるわけですよ“出陣直前に!“
ろくな護衛連れてってない訳ですよ“だって茶会だもの!”
兵士いたら心落ち着かないしね!
【ある時期の信長のスケジュール】(信長公記より)
信長が近畿を平定したのが永禄11年9月。
その一か月後に松永久秀から「茶入・九十九茄子」、今井宗久から大名物もの「茶壷・松島」「茶入・茄子」をもらう。これが10月12日。
その後、今春大夫・歓世大夫の能を楽しむ
またその後、関所を撤廃
からの10月24日、将軍・足利義昭に挨拶⇐コレ
うん、馬鹿なの?
いや、わかんないけどね。政治的駆け引きとかスケジュールとか縁起とかは。記録に無いだけでめっちゃ激務だったかもしれんけど!それにしても!将軍に挨拶行く前にめっちゃ遊んでるやん!
大丈夫なん?足利さん怒ってない?誰もあなたに文句言えないけどね!
(つづく)
茄子