【●さんのオマージュ】渦【オリジナル第3作】
目にみえない人のうずをそっとかきわけるように、わたしは言葉をえらんで、空をおおう。やさしいお地蔵さまと常識のらいめいのふつりあいな静かな街で、わたしはお天道さまに背をむけて、むごんの歌詞をひたすらつくり、ひたすらむごん。だれもわるくない言葉をただよけて、人をきずつけることしかできない自分がただこわくて、目をまわすわたしの言葉のまわりくどい人生はどうどうめぐりで、みぎ回りもひだり回りもおなじことで、時計のはりはとまってる。いつからか電池のきれたわたしのこころと人生は、好きときらいのうずの中、あらしのような静けさにおそわれる、ことばを知らないうさぎたちは、ひとのことばにふるえてあなの中ににげた。みようみまねで円をかき、きみと同じじかんを同じはやさでしゃべりあかし、わたしは時計のねじをまいていく。わたしは空のいろをかえよう、ここの空はあおすぎる。ひかりの雨をいっしんにうけて、わたしはどうしたらいいかわからない、駆けつけた「回転力士」のことばの突進に、わたしはあんのじょうみごとにふきとばされ、しろい空をかいてんしながらとんでいく、だけどどこか心地よくて、わたしのせかいは無をちゅうしんにまわってる。
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