🐸春に冬眠から目覚める蛙のような高齢者動態 4/10
夕方、日が暮れてから実家に行くと、なんだか普段使っていない部屋も含めて、家中の電気がついていた。
なんだ?
玄関先に明日月曜日の入浴デイサービスの準備と今日日曜日のゴミ出しの準備までしてある。
おおお?
不審に思っていると、客間から母が出てきて、力強く言った。
「あんた来とったとね。
明日は風呂やけん、今日はもう風呂には入らん!」
そんなこと、力強く宣言せんでもいい。
書斎では、一瞬、こたつが片付けられたかと思ったが、掛け布団をまくり上げて隠しただけだった。
邪魔。
その間も、母は何か家中をバタバタしている。
なんだろうなと思ったら、クローゼットに呼ばれた。
「見てん!
おばちゃんの服、いっぱいあるとよ!
直さな着られんけん、袖とか直して頑張りようとよ!」
あっそう。
伯母の服も元住んでいた部屋の一室に、身長を超えるくらいの高さで積まれていたから、全部は持ってきていないにせよ、あまりにも大量にある。
勘弁してくれ。
しばらくして、帰ろうと思って声を掛けようとしたら、何故か母の部屋の窓(庭に面した大きいやつ)が全開で、母は庭側からガレージの方まで、外に出ていた。
なんで?
「帰るけど!
何しよるん?」
聞いてみたが、母からは
「あ、あんた、ゴミ捨てとってくれるとやろ!」
という噛み合わない返事しか返って来なかった。
春は年寄りも活性化する。
アクションが大きくて、そこそこびっくりする。
投げ銭歓迎。頂けたら、心と胃袋の肥やしにします。 具体的には酒肴、本と音楽🎷。 でもおそらく、まずは、心意気をほかの書き手さんにも分けるでしょう。 しかし、投げ銭もいいけれど、読んで気が向いたらスキを押しておいてほしい。