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💐高齢者は記憶の迷路を彷徨う 2/2(木)

この頃は1月下旬に引き続き寒い。
高齢かつ認知症の母の住む実家を覗くと、ポータブルトイレが持ち出されていた。
買ったときは(亡父のために買った)、自分が使うことはないと自信満々だったが、せっせと活用しているようでなにより。

トイレ

とりあえず楽器を鳴らしてから帰ろうと思ったら、程なく母が来た。
忙しい忙しいというが、つまりは暇なんだろう。

棚からいちいち物を引っ張り出す。

母はこちらの応答などお構いなしに、おもむろに棚な中から物を取り出して話しかけてくる。
太さ十五センチほどあろうかというキャンドル🕯
「あんた、これはなんね!」

知らん。
少なくとも、私には関係ない。

タネを明かすと、母親が数年前?近所の人からもらったらしきウェディングキャンドルである。
つまり他人の。
誰のかは知らん。

母はお構いなしに、次は松尾芭蕉俳諧カルタのセットを取り出した。
これは誰がくれたか分からんとやけど、いつの間にあるとよ!」

誰がじゃねえわ。
それは私がやったお土産だ。
二十年以上前、現職のときに東北出張のときな買ってきてわたした奴だろうが!

母はその後もノリタケのカトラリーセットだの、土鈴だなさまざまなものを取り出しては話しかけてくるが、やはり暇なんだろうと思う。

とりあえずうるさい。

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高梨
投げ銭歓迎。頂けたら、心と胃袋の肥やしにします。 具体的には酒肴、本と音楽🎷。 でもおそらく、まずは、心意気をほかの書き手さんにも分けるでしょう。 しかし、投げ銭もいいけれど、読んで気が向いたらスキを押しておいてほしい。