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🧧烏龍茶美味しくない事件〜この鉄観音持っていかんね!
青いバッグ事件を書いたので、多分2013〜15年くらいの間にあったと思う出来事をメモしておきたい。
何かと言うと、私が実感できていなかっただけで、うちの母の認知症(その当時既にまだらボケであった)が少しずつ進んで行っていた記録でもある。
少なくとも、その二十年前、まだ私が二十代で実家にいた頃なら、うちの母でもそんな発言はしていなかっただろうという記憶。
まあ仮に2014年のいつかと仮定する。
うちの母は手術から、完全ではないが徐々に回復してきて、楽しみである商事会社のファミリーセールにも行けるようになっていた。
そこでは、大きめのホールなどを借り切って、洋服や食品、日用品、化粧品等様々な品物が販売されている。
ある日の夕方、実家に行くと、母が言った。
「あんた、そういえばお茶いらんね!?
あれ、半分持って帰り!」
は?
台所のテーブルの上にはこういう感じの(これは楽天の商品画像をお借りしただけで、ただの参考である。リンク貼ってるから許してくれー。)
烏龍茶(鉄観音)が。但し、開封済。
「は?
開けとるやん。
いらんよ、お茶あるし、烏龍茶別に好きでもない。」
(嫌いでもないが、特に常飲したい程でもない。)
ここからの母の発言がふるっていた。
「だって、あんた、美味しくなかったんよ!
なんか埃っぽくて、中国も空気が汚いんやろう。なんかついとうよ。
お湯沸かしてね、一煎目捨てたら、二煎目は飲めんこともないけん、あんた半分持って帰り!」
言っていいですか、いや言ったんだけど。
「心の底から、いらん。」
断固として断る。
「いや、だいたいお母さん、烏龍茶とか好かんやん。
なんで買ったと?」
「別のもの買うのに、これも買ったらまとめて三個千円にするって言われたんよ。
飲まんやったら勿体なかろうが。
美味しくなかったけん、うちはいらん!あんたにやる!」
恐るべし抱き合わせ商法。(他のものはドライフルーツとかナッツだったと思う)
そしていらんものは買うな!
「いやとにかくいらん。
自分で買ったんやけん自分で飲み。」
そう言ったが、楽器を鳴らした後、私が帰ろうとした時には、人のバッグに、勝手に、
透明ビニール袋に無造作に分けられた烏龍茶の茶葉が、めっちゃ杜撰に突っ込まれていた。
私は面倒くさかったので、黙って持って帰って淹れてみたが、やはり埃っぽくて妙な味がしたので、仕方がないから捨てた。(誤解のないように言っておくが、私は結構中国茶そのものは好きで、白茶は割と憧れでもある。ただこのときの鉄観音は美味しくなかった)
当時は、うちの母、こんなだったっけ?と困惑していたが、思い返しても、もっと若い頃の母に、流石にこういった系統の困った発言はなかった。
改めて考えたら、これは正確に認知症の症状の一環とは定められないが、少なくとも老化の一種で、自分の思考、欲望を適切に抑えられずに、ややもすれば不適切な発言がそのまま表出する状態が始まっていたのだと思う。
まあいい。
それはそういうものだと把握できれば対応はできる。
コロナ禍で開催が見送られたりもあるが、そもそも今の母は大規模なファミリーセールに行く体力も乏しいし、インターネットを駆使した予約などは高齢者にはハードルが高過ぎて無理だ。
それでも近所の物産品店舗にはせっせと出掛けていく。
まずい烏龍茶は買ってこなくていいが、自分の金でする買い物くらいは好きにすればいいのだ。
(終わり)
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