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チームバトルFPSのレベルデザイン(キャラクター使用率という悩める数字の話|つぶやきまとめ)
レベルデザイン経験の話もいつかちゃんとまとめるぞ、という気持ち
今回はモダンコンバットバーサス(4vs4チームバトルFPS)の経験
朝のつぶやきなので文章がかなり雑です
チームバトルでバランス調整をする際に、キャラクターの使用率を参照するのだけど、これがかなり困ったちゃんで、日本と海外で人気のキャラクターの傾向が違う。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 28, 2024
私観測を含むと、軍隊経験・軍事経験を経る国と、そうじゃない国で大きく変わる傾向があると思う。
モダコンの調整の際に、「日本ではアサシン がトップティア」で、「その他の国は圧倒的にディフェンダー」という傾向があった。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 28, 2024
運営としては使用率を平均値に近づけたいので、それぞれのステを下げる/アンチピックのステを上げるという対応をしたいのだけどアサシンとディフェンダーがお互いアンチ。
運営としては、ユーザーの多い対象を優先して、アサシンのステを下げる/ディフェンダーのステを上げる、という選択をしたいのだけど、そうなると「めちゃくちゃ熱量の高い日本のユーザー」の離脱が怖くて踏み切れない。という硬直状態に陥っちゃった。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
じゃあ、残りのアタッカーとスペシャリストを動かそうとすると、「無難に使用されている」という運営の理想に近い領域を触ることになるので、こっちも手を出しづらい。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
じゃあどうするかというと「新キャラ投入でバランスを崩す」ということに行きがち。(だけど投入できなくて詰んでた)
ユーザーの体感で「あのキャラは贔屓されてる」「このキャラはいつまでも弱い」なのに「なぜ運営は調整を入れないのか」という時は、こういうアレが起きていること も ある。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
ちな今だから言える「クルトがどちゃくそ強くなった期間」の理由もこのキャラクター使用率が原因で、クルトの使用率は常に最下位。トップの1/3もないくらいぶっちぎりで使用率が低いキャラだったのね。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
だから「アッパーかけて使用率をあげよう」という素直な調整が入った。
だけど、クルトは全てのキャラクターの中でも特殊で、いわゆる「マップ兵器型のトラップ」という狭いマップのFPSでは御法度的な性能を持っていて、そんな使用率が上がってはいけないキャラクターだった。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
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注釈:クルトのトラップ
フィールドに設置型のトラップを同時に1~3個設置することができる。敵チームのキャラクターが踏むと爆発し、広範囲にスリップ効果のある毒霧を噴霧する。踏んだ本人以外にも、霧に触れたキャラにダメージを与え、体力の低いキャラは1つで死ぬ。また、爆発後は一定時間、ステージに緑の霧が広がるため視覚妨害効果もある。重ね置きするともはや何も見えない。
ステを上げてトラップ乱発可能になったことで、「扱いは難しいが、効果は絶大」という玄人向けのコンセプトを覆して、「素人でも戦場破壊できる」というトンデモ性能になってしまったのでした。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
クルトの使用率は世界も日本も最下位だったので、お気持ちも乗って異常なステ上げに至り、離脱者が増えたという経緯がありました。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
(で、割と例外的に短気でバランス調整入ったと思うんですけど、アレはこれらを踏まえて私が猛抗議したからだと思ってる)
注釈:通常1か月~サイクルでの更新だが、2週間程度で再調整が入った。
(※この頃の私は、キャラ性能の調整には参加できてなかった。)
キャラクターには役割を与えた運営の狙いを超え、お国柄や戦略の違いで「思ってたんと違う」役割を与えられることもある。
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
「数値にこだわって、あんまりゲームをプレイしないレベルデザイナー」が増えてる気もするんですけど、現場(戦場)を見て、体感も踏まえて調整するべきだと思っている私です。
次回、気が向いたら近距離想定のキャラクターと、遠距離想定のキャラクターの弾速設定について
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
モダコンのレベデザの話といえばクルトと並んで特殊だった侍ことローネンの話もしたくなる。 攻撃は刀1本、「銃弾を全て跳ね返すが、(火と毒の)放射器は効くディフェンダー」。ローネンはディフェンダーでありながらもカウンターがスペシャリストで、デザイン的には異常。 でも話が逸れるのでまた今度
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
朝からレベルデザイナーのお仕事の一部を唐突に話してしまった(お風呂で思いついたのでw)
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
日本でFPSゲームのレベルデザイン(?)経験のある方は少なそうなんで、この辺の話をまとめるべきなのかなとは思いつつ。手がつけられてない
FPS以外で言うと
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
・カードゲームのカードデザイン
・マリオ型の2Dアクションゲームのステージ設計
・放置型ゲームのゲームデザイン
と、割と現在だと珍しい系の経験を、古文書にしたためてゲーム開発老人会の創設に繋げるべきry
難易度の高いカードゲームで、素人救済カードを作ったら、コードフリーズ2週間前にディレクターがクソ性能にしてえらいことになった話する?
— Nashi3@デザイン担当 (@Nashisan9) August 29, 2024
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