【ロボット・イン・ザ・ハウス】チェンバース家のロボットが2体に増える!?
少し前に読んでドハマりした「ロボット・イン・ザ・ガーデン」(https://amzn.to/3Yx3PBA)がシリーズ作品だと知り、さっそく続編を読みました!相変わらずタングがかわいい…だけでなく、ベンの生活にも大きく変化があったようです。
1作目の感想文は⇩
ここからは、1巻「ロボット・イン・ザ・ガーデン」(https://amzn.to/3Yx3PBA)のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
「ロボット・イン・ザ・ガーデン」シリーズの2作目「ロボット・イン・ザ・ハウス」は、前作から約1年経ったイギリスが舞台。前作のラストで生まれたベンとエイミーの子供も生後9ヵ月になりました。
そして、1巻では友情を育んだベンとタングも、同じ家に住むようになってからは家族という関係性の方が強くなった様子。タングはベンとエイミーの子供であるボニーのお兄ちゃんとして奮闘します。
そんなチェンバーズ家の庭に、なんと新たなロボットが!そんなの気にならないわけがない!1ページ目の1行目からがっしり心を掴まれてしまいました。
ベンの庭に現れたロボットはジャスミンと名乗ります。タングは男の子でしたが、ジャスミンは女の子のようです。見た目もザ・ロボットというビジュアルのタングとは対照的に、近未来っぽいスタイリッシュな雰囲気。
しかしこのジャスミンは、なんとボリンジャーからの刺客でした。タングの生みの親であるボリンジャーとの戦いは「ロボット・イン・ザ・ガーデン」(https://amzn.to/3Yx3PBA)で詳しく語られています!
まだタングを諦めていないボリンジャーは、タングの居場所を突き止めるためにジャスミンを送り込んだのでした。そうと知ってはベンたちもジャスミンを喜んで迎えるわけにはいきません。ベンたち家族とジャスミンとの戦いが始まります。
ここで一旦タングの妹ボニーのお話を少し。ボニーはなかなか賢い赤ちゃんで、タングとはまた違ったかわいさと魅力を持ったキャラクターです。しかし、子供のようなロボットと人間の赤ちゃんが同じ屋根の下で暮らしたら…どうなるかはだいたい予想ができますよね?
タングは、ボニーのことをかわいく思いながらも、ボニーの味方ばかりするベンに怒りをぶつけます。赤ちゃん独特の容赦のないスキンシップにも少し辟易している様子。それでもボニーの子守に挑戦してみるなど、歩み寄ろうと頑張るタングが愛おしいです。果たしてタングは立派なお兄ちゃんになれるのでしょうか?
一方ベンとエイミーは、タングに対して自分たちの子供を愛するように接してきたつもりが、無意識のうちにロボットと人間を区別していたことに気づきます。ボニーが生まれたことで、ボニーとタングの両方に同じだけの教育を与えようと改めて決意する2人が素敵でした。
ロボットと赤ちゃんの同時育児。前代未聞のチャレンジです。
一方、ベンとエイミーも親としての壁にぶつかります。出産を機に解雇されてしまったエイミーに、公園での縄張り争いに巻き込まれるベン。男1人で赤ちゃんを連れて公園に行くと不審な目で見られるというのは、日本でも聞く話だなぁと思いながら読みました。子持ちの女性の社会進出についても、日本と同じような課題がイギリスにもまだあるんですね。特に弁護士なんて資格職で安定しているイメージなのに…。
ベンとの生活で少しずつ安定してきたタングですが、いつかどこかに置き去りにされるのではないかという不安は消えていません。タングにチップを入れる入れないで揉めるシーンで発せられたタングの悲痛な叫びには苦しくなりました。
ベンはタングの側にずっといるよ!!!!!
物語の中盤では、タングに隠された恐るべき秘密が明らかになります。それが何なのかはネタバレになるので言えません。とてもとても恐ろしいことだけお伝えしておきます…。おのれボリンジャー…。
そんなあれこれもありながら開催されたタングの初めての誕生日パーティー!これがまたとても楽しそうで幸せにあふれていました。タングの喜びの表現には、見ていて幸せになる魅力があります。もっともっと喜ばせてあげたくなっちゃうんだよね。
ジャスミンが来たことでベンとエイミー以外の情報源を得たタングは、親を困らせるお決まりの疑問を口にして2人を困らせます。まさかロボットに性教育をする日が来るとは!すべてはジャスミンの愛読書がロマンス小説だったばっかりに起きてしまった事件です。とはいえロボットに性教育って必要なのかな?いやでも助産師さんになりたいタングには必要か…?と、しばらく考えてしまいました。
「ロボット・イン・ザ・ハウス」のもうひとつの大きな山場は、ベンとエイミーの関係についてです。ボニーの親として家族に戻った2人でしたが、夫婦に戻ったわけではありませんでした。エイミーのことを愛しているけど、前に進むことに臆病になってしまったベンの葛藤が丁寧に描かれていて苦しくなりました。大人の男女が一線を越えるか越えないかのもどかしさには言葉にできないドラマがありますよね。頑張れベン!
妹が出来たことで赤ちゃん返り(?)してしまうタングがかわいい2巻でした。ベンのこと独り占めしたいよね…。でも不思議とエイミーにはヤキモチを妬かないタングなのです。
さぁ3巻に行くぞ!
3巻の感想文は⇩