善意の値札
お疲れ様です。総務部総務課マモたろうです。
「おもてなし」という言葉が象徴とされているように、日本のサービスが世界的に称賛されている記事をよく見かけます。善意は素晴らしいものだと感じます。
組織において「善意」に対し、善意から「手当化」することがあります。
しかし「善意」に値札をつけることは、組織を弱くする可能性があります。
ハーズバーグの二要因理論というものがあります。耳にした方も多いでしょうが、あらためてchatGPTの解説です。
ハーズバーグが「給与」を衛生要因にしたことには深い洞察を感じます。
例え話です。
あなたは職場を快適にするために毎朝掃除をしています。
自主的にやっていることですが、それが職場全員に良い影響を与え、たまに感謝もされます。
これの掃除は「善意」といって良いでしょう。
そんなあなたに報いるために、人事は毎朝の掃除を手当として支給するように提案しました。あなたはこれを良いことだと思いますか?
少し考えてみてください。
いかがでしたでしょうか。諸手を挙げ賛成とまではいかずとも悪いことではないと思う方は多いのではないでしょうか。
次にその善意に値札をつけてください。月の手当として、いくらが妥当でしょうか?
10,000円、5,000円、2,000円、1,000円、500円……。
どうでしょうか、500円~2,000円が妥当でしょうか。
間をとって1,000円と値札をつけます。
あなたの毎朝の掃除は月に1,000円の価値です。
月に営業日が20日あれば、1日50円です。
どう感じますでしょうか。はじめは喜ぶかもしれません。
ですが、これからは1日50円の報酬のために掃除をすることになるのです。
そして周りも思います。いままであなたの善意に感謝していた人が、
1,000円の手当支給しているのだから「あたりまえ」だと。
どうでしょうか。人のために善意を行えるあなたの性格に影を落としたでしょうか。
アンダーマイニング効果というものがあります。chatGPTの解説を引用します。
善意に値をつけようとすると安く見積もられる可能性が高いです。「ちょっとでも増えるのなら良い」という考えは捨てたほうがよいと思います。
逆に高すぎると、まわりから不満がでます。
太鼓持ちが出世したときの感覚に近いでしょうか。
善意の値札は、やる気を削ぎ、その人の善意自体を蝕む恐れがあります。
さらに「私だけが、はずれを引いた」「私は、こんなに頑張っているのに」と心に隙間ができると、そこに魔が差すこともあります。これは、あなた自身が善意に値札をつけたことともいえます。
善意に値札をつけることは、慎重にすることをおすすめします。
(人事評価と報酬制度でも同じようなことがおきますが……)
人事総務に関わる人は、給与はあくまでも「衛生要因」だということ、アンダーマイニング効果というものがある、と覚えてください。
お読みくださりありがとうございます。
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