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音のない朝
音のない朝は好き。
冷えた空気に、停滞した流れが包みこむこの静寂感。
ささやかな、カーテン越しに届く光はあまりにやわらかく、みているだけでも心穏やかな心地になる。
窓を開ければ、静かな部屋に聞こえる鳥の声や少しばかりの風の音、誰かの気配漂う動きや遠くの新幹線が通る音。それでもなお、この静けさは変わらない。
音のない朝に、ひとり、座布団に座り、頭が冴え、五感が冴え、目を閉じればそこには安らぎが……。
あぁ、わたしは、ここに、存在している。
この世界に、ひとり、存在、している。
体の動きが、鼓動が、その他の内臓が、脳が、血の流れが、すべて、すべて、感じられる。
あぁ、わたしは、ここに、生きている。
この世界に、ひとり、生きて、いる。
音のない朝は好き。
こんなにも、自分を感じられる。
ここにいてもいいのだ、と。
たしかに、そう、感じられる。
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