一夜のための苦悩
最悪だ……いや、すべて自分の行いのせいだ。
頭を抱えながら、それでもまだ、という気持ちで最善を見出そうと思考を巡らせる。残り時間、残りの量、場所、距離、様々なことを計算に入れて……ため息がもれる。
そもそもの初めから無理だったんだ。
そんなことを言ってしまえたなら簡単に済むけれど、そうはいかない。
準備不足、見通しの甘さ、すべて、自分の責任だ。
このままではーー昨年の話しが脳裏に浮かぶ。
「君ねぇ、このままだと、来年は年間契約できないよ」
昨年の体たらくを受けて言われた言葉が、今、目の前で蘇る。
そうならないために、この一年準備してきたつもりだった。
しかし、しょせんは、つもり、であったのだろうか。
そもそも一日、いや、この一夜だけですべてを終わらせるなんてこと、不可能だ……。どんなに考えたって、どんなに準備してきたって、時間は限られているのだ。さらに言えば、深夜だからといってみながみな眠っているとも限らないし、誰にも気づかれずに、なんて、無理だ!
ため息を漏らしながら、頭を抱えている……そんな暇さえないのも、わかっている。何を言ったところで、できていない、ということに変わりはないのだ。
この一夜のための一年間、このときのために、考えてきたつもりだった。
他の人は、いったいどうやって完遂させているんだ?
相談、してみればよかった、な。
初めから、準備していても、間違っていたなら、なんの意味もない。
相談していたら、そこから準備できていたのだから……。
あぁ、今年できっと、契約は打ち切られる。
とりあえず、回れるところだけでも、回ろう。回りきれなかったところは……考えたくもない。
いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。