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次の季節を想うパパゲーノ。

今日は、今日見た夢の話をしたいと思います。

夢というか、誰かの記憶。

今よりも若いころの私の母が、
誰か、男性と喋っている。
どうやら、
一番面白いと思った映画について、
話しているらしい。

母は、
「ベットサマー」という映画が
面白かったと言った。

映画の内容の話。

ドバイかどこかの高層階にある天空のプール。

シンガポールのマリーナベイ・サンズのような感じ。

https://www.google.com/search?q=%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%99%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BA&sxsrf=AJOqlzXDYK08_1E6wib2a4HJcuQwwbl1zw:1673529190064&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=2ahUKEwjykJSHjsL8AhUlglYBHS7YBukQ_AUoAXoECAEQAw&biw=1536&bih=754&dpr=1.25#imgrc=b-FLqSZqCy0IDM

ただ違うのが、プールの底が透明で
下が見えるということ。
地上数百メートル。

インスタ映え。
煌びやかな生活をしている人々の、
憧れの旅行先。

しかし、一方で
重力を受けながらも、
空に浮いている感覚に
脳が耐えられず、
年間1~2名亡くなっている場所でもある。

天国のプール。

主人公は、海外の映画によくいる
20代くらいの生活がうまくいっていないOL。
子供の頃は、優等生だったタイプ。

映画の前半は、
楽しいことは一つもない。
絶妙に息苦しい日々が延々と続く。
少しずつ死にたい気持ちが加算されていく。
揺らぐ天秤。

あるとき、なんてことないことで、
ラインを越える。
もうダメ。

傷つきすぎた主人公が、
夜ベッドの中で、「天国」と検索して、
プールのことを知る。
人生最後にできるなら、
そこで死にたい。

すべて投げ捨てて、
天国のプールがある常夏の国へ向かう。
いろいろな人に出会いながら。

でも、死にたい気持ちは変わらない。

そして、プールにたどり着く。

実際のプールの大きさが、
思っていたよりかなり小さいこと。
こんなところで死ぬのか。
プールサイドに座って、足を入れる。
ぬるい水。
少しして、全身つかる。

高層階。

下は怖くて、
なかなか見られずに、
空ばかり見る。

泳ぐ。

どうやら死ねそうにない。

これからどうしようかと思っていると、

ぬるいプールで水の冷たいところを見つける。

どのくらい冷たいかと考えると、

冬の水道水ぐらい。

たったそれだけを確かめるために、もう少しだけ生きてみようと思う話。









以上が、見た夢の話を私が脚色した話である。

「ベットサマー」という映画は
調べたところ存在しない。

多分、
観たことのある作品・風景の
寄せ集め。

辻褄はあわない。
そんなもの。

死にたい気持ちを抱えながら、
その人なりの理由で死ぬ以外の選択をしている人のことを、
「パパゲーノ」と言うらしい。
モーツァルト「魔笛」に出てくる登場人物からきているらしい。

「死にたい」気持ちに対する一つの答案。

次の季節を想うこと。

四季折々。
日本特有かもしれない。

季節と死。

太宰治「葉」の冒頭を思い出す。

死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目しまめが織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。


断片集。メモ。
言わない言葉で、「葉」。
調べたところ、青空文庫にて無料で読める。
神。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2288_33104.html太宰治 葉www.aozora.gr.jp



冒頭しか知らなかったので、
読んでみたら、かなり良かった。
短い。すぐ読める。
何個か見たことあるやつもあった。

「ほんとうに、言葉は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば」


「お前はきりょうがわるいから、愛嬌あいきょうだけでもよくなさい。お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。お前は嘘うそがうまいから、行いだけでもよくなさい」


ここに男がいる。生れて、死んだ。一生を、書き損じの原稿を破ることに使った。


生活。

よい仕事をしたあとで
一杯のお茶をすする
お茶のあぶくに
きれいな私の顔が
いくつもいくつも
うつっているのさ

どうにか、なる。


青空文庫すげえな。
タダで古典が読めるぞ。
どうか、
おすすめの青空文庫作品あったら、
教えてください。
(短いのだと、助かります。



今日は、
スーパーで3割引きの冬物商品を見た。
もうすぐ次の季節だ。

春ちかきや?



Lucky Kilimanjaro 「春はもうすぐそこ」




そして、
春の次はあっという間に夏になるだろう。

ベットサマー

Bet summer

夏に賭ける。
夏に駆ける。
夏に懸ける。

夏まで生きていようと思った。

なさのや

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