活動休止明け、息子は見違えるような球を投げることになる。
息子が野球絶好調で、「こりゃ大変なことになるぞ!」「新しく始まる少年野球大会でも、話題になって、関係者がざわつくんじゃないか」っていうぐらいに調子が良くて、期待しかない状態で日曜日を迎えた。
楽しみでしかなかった。「今日もホームラン見られるかな」「相手バッターをねじ伏せる投球、今日も楽しみだな」と私は浮かれていた。
試合の結果は。
当たり損ないの内野ゴロ二つとキャッチャーフライ。ノーヒット。投げては二回途中降板。六失点。一回戦敗退。
「そんな日もあるさ」と思おうとするが、なかなか晴れず。もやもやしていた今週。少年団以外に通っている野球教室で、コーチが帰り際にこんなことを言ってくれた。
「少し、押し出して投げていますね。色々いじっても良いですか」
「はい。ぜひお願いします」
「間違いなく、もっと速い球が投げられますよ」
最近、試合で打たれることが増え、本人も「思い切り投げられなかった」と言うことが増えた。少年団では細かいフォーム指導は受けていない。ただ、思いっきりストライクを投げていただけ。ありがたい言葉に胸を踊らせた。
翌日、野球教室のコーチからピッチングの指導を受けた。
下半身の使い方。手の出どころ。指のかかる感覚。球持ちの良いピッチングとはどういうことか。
「よーし!今のは指がかかったいいボールだ!」
「今のは、抜けてたな。自分でもわかるだろ?」
コーチから一時間、みっちり教わった。
本人は、新しいフォームがずいぶん窮屈なようだが、球が良くなる感覚は確実にあったようだ。
帰り際、コーチから「長年やってきたフォームにすぐ戻ってしまうからね。頑張って、意識して、フォームを確立していく必要があるよ」と言っていただいた。
今までのピッチングの写真を見ると、球の出どころは丸見え。球の回転、押し出すような投げ方、五年生相手には通じていたが、相手が六年生になると外野に運ばれることが増えた。
明日は、全市大会を掛けた大事な試合が予定されていたが、緊急事態宣言が出たため、三週間の延期。チーム活動も禁止となった。
試合が出来ないのは残念だが、活動休止明け、変貌した息子が見られることを期待している。
見違えるような、指のかかった生きた球を投げる息子が周りを驚かせることになるはずだ。
チーム練習は無いが、土日はまあまあ忙しくなりそうだ。