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“なるようにする”が生む3つのメリット――想定外を味方に変える方法
前回の記事では、「なるようになる」ではなく「なるようにする」というスタンスを大切にしながら、最後は“なるようにしかならない”と腹をくくる――この考え方をご紹介しました。
今回はその続きとして、「なるようにする」が生む具体的なメリットに焦点を当てます。想定外をどう味方に変え、行動の中で得られる学びを次に繋げていくのか。私自身の経験を交えながら、その可能性を探っていきます。
「なるようにする」とは?――心配性な人こそフィットする生き方
「なるようになる」とはただの受け身ではありません。ここでお話しする「なるようにする」は、むしろ心配性な人にぴったりの考え方です。
心配性だからこそ動ける
心配性の人ほど「あれもこれも準備しなきゃ」と不安になりがちです。仕事中に「これで本当に大丈夫だろうか?」と何度も考え、想定できる問題をすべて洗い出し、解決策を考える……そんな自分に疲れることもありますよね?
実は、私自身がものすごく心配性です。計画を立てるときには、あれこれとシミュレーションしすぎて、気づいたら何時間も経っていることがしょっちゅう。でも、そんな心配性な性格だからこそ「なるようにする」がしっくりくるんです。
この心配性こそ「なるようにする」の土台になります。心配性な性格だからこそ、以下のような行動が自然とできるのです:
問題を予測して先回りする
徹底的に準備をする
最善を尽くしてリスクを減らす
これらの行動が、「やれることを全力でやりきる」という「なるようにする」の第1ステップを支えます。
一見、矛盾しているように見える「不安」と「受容」
「なるようにする」は、心配性の特性と「結果を手放す」という一見矛盾する考えを融合させたものです。
行動中は徹底的に備える:準備が整うことで安心感が生まれる
行動後は手放す:「ここまでやったから大丈夫」と結果を受け入れる余裕が生まれる
つまり、「心配性な自分」と「結果を受け入れる自分」がバランスよく共存できる考え方なのです。
実例:「想定外」を力に変えた社内プロジェクトの経験
数年前、私は事業会社で大きなマーケティングプロジェクトを担当することになりました。新規サービスの立ち上げに関わる重要なプロジェクトで、通常は部署全体で進めるべき規模の仕事でした。しかし、開始直後に同じ部署の先輩や上司が複数退職・休職となり、私を含めた少ない人数でプロジェクトを推進せざるを得ない状況に陥りました。
準備の段階:不安を行動に変える
プロジェクトが始まった当初、膨大なタスクの量に圧倒され、「これを本当にやり切れるのだろうか?」という不安が頭をよぎりました。特に、関係者との調整がスムーズにいかなかったり、優先順位が曖昧なまま進めるべきことが多く感じられる場面では、不安が大きく膨らみがちでした。
このような状況を打破するために、まずは不安そのものを言語化し、「何が具体的に心配なのか」を洗い出すことから始めました。そして、それらの不安を解消するための行動を以下のように具体化しました。
経営層への報告
経営層が関心を持つKPIやリスクを整理し、それに基づいて報告内容を明確化し自ら定常的な場を設けて報告。これにより、「プロジェクト進行が不十分だと評価されるのでは」という不安を解消。マーケティング施策の設計
施策内容の具体案を複数用意し、予算、社内負担、法制面のリスクを具体的に検討しました。これにより、実現可能性を明確にし、施策が現実的に進められるという自信を持つことができました。開発チームとの調整
新サービスに必要な機能を正確に伝えるため、事前に開発チームとのコミュニケーション量を意識的に増やし、要件を詳細にドキュメント化しました。こうした密なやり取りを通じて、伝達ミスや認識のずれによるトラブルへの不安を軽減
こうした取り組みを進める中で、行動を通じて少しずつ進捗を見える化することができ、不安が次第に「これなら進められる」という実感に変わっていきました。
想定外の連続:柔軟に対応しながら進む
プロジェクトが進行する中で、予想外の要件変更が加わり、開発スケジュールが大幅に遅延しました。それに伴い、私たちが計画していたマーケティング施策も根本から見直す必要が出てきたのです。
開発チームや関係者と調整を重ね、施策の優先順位を改めて整理し、限られたスケジュールの中で実行可能な範囲に集中しました。
「なるようにする」という考え方を基に、一つひとつ対応を進めた結果、リリースまでのプロセスをやり切ることができました。
そして、すべてを終えたとき、私の心の中ではこう思っていました:
「ここまでやれることはやった。あとはなるようにしかならない。」
結果的に、うまくいった部分もあれば、そうではなかった部分もありました。売上や成果には、予期できない変数や自分ではコントロールできない要因も絡んでいます。
だからこそ、すべてを自分のせいと捉える必要はありません。
もちろん、次回の教訓として振り返ることは大事です。しかし、「なるようにした」あとは「なるようにしかならない」とセットで考えることで、不要な自己批判から解放され、冷静に次の一手を考えられるようになります。
この経験を通じて、結果を受け止めながらも自分を追い詰めすぎず、次に繋げる柔軟な心構えを持つことの大切さを実感しました。
結果を受け入れる:次に繋がる教訓
全力を尽くすことで得られる信頼
開発チームや経営層から「困難な状況でも冷静に対応してくれた」という評価を得られました。柔軟性がもたらす新たな可能性
想定外の中で柔軟に動いたことで、新たな施策が生まれ、次のプロジェクトにも活かされました。不安を言語化することで次のプロジェクトがスムーズに
不安事項をすべて洗い出して対策を講じる過程で、回り道に見える経験から新たな視点を得ることができ、結果的に次のプロジェクトでは準備が格段に楽になり、スムーズに進行できました。失敗を糧にする心構え
失敗や思い通りにいかない状況に直面しても、プロセス全体が学びとして蓄積されます。「なるようにする」の考え方があれば、失敗も次の一歩への大切な素材として捉えられます。
「なるようにする」がもたらすメリット
この経験を通じて、「なるようにする」が以下のメリットを生むことを実感しました。
不安を行動に変えられる
心配性だからこそ徹底的に準備をし、「やれるだけやった」と思える安心感が得られる。想定外をポジティブに受け入れる力がつく
結果を手放すことで、失敗や回り道もポジティブに捉えられるようになります。行動そのものが自信につながる
準備と行動を積み重ねることで、「自分はやれる」という自信が次の挑戦への原動力になる。
おわりに
「なるようにする」という考え方は、まず全力で行動し、その後は結果を手放すことで、不安や想定外の出来事に柔軟に対応できる生き方です。
もしあなたが今、結果や不安に縛られて身動きが取れないと感じているなら、「やれることをやりきって、あとはなるようにしかならない」と一度手放してみてるのはどうでしょうか?。その瞬間、新しいチャンスが見えてくるかもしれません。