ポッケからするめいか23
しょうさんちの玄関には、天井に直径30センチくらいの大きな蜂の巣が飾られています。
しかもスズメバチの巣。
もちろん中に蜂はいません。
昔から蜂の巣は縁起物と言われ、
子孫繁栄とも言われている。
それを知っていたのでしょうさんは飾っています。
もともとは親戚の家の蔵の雨樋にあった巣でした。
親戚の家には蜂の巣がニつありました。
一つは蜂の出入りがない巣。
もう一つは蜂の出入りがあった巣。
おそらく引っ越しをしたようで、古い巣にはもう蜂はいないとのことで、
欲しいならどうぞ。
取るなら取ってくれ!
とのことで、
頂いたものです。
蔵の屋根に登り、
ノコギリで蜂の巣の根元をギコギコと削ぎ落とし、大きなゴミ袋で包み込んでゲットした。
途中2、3匹蜂が飛んでいたが、
もう住んでいないから大丈夫◎
と、親戚の叔父は言っていた。
蜂の巣を持ち帰えり、
万が一まだ蜂が中にいることを考え、
巣穴に殺虫剤をかけまくり、
再び透明の袋に入れて廊下に置いておいた。
一週間ほど経った頃だろうか?
昼間ミキさんが子供たちと過ごしていると、
廊下から、
ブンブンブンブーン…
と、鈍い音が聞こえてきた。
………まさかと思って音の方に近づくと、
巣の中から2匹蜂が出てきて、
出口を探して袋の中をブンブンと飛んでいるではないか。
ミキさんはゾッとした。
子供たちは蜂が怖くてたまらなかった。
全く、しょうさんはなんでこんなものを欲しがったのか。。
当時はまだ携帯がなかった頃。
取りあえず、袋の口は塞がっているので、袋の外には出てこないだろうと様子を見た。
その日の夕方、
しょうさんが帰宅すると、
ブチギレながら、ミキさんが事情を話した。
2匹どころではなくまだ中にいっぱいいるんじゃないか?
ミキさんや子供たちは心配しましたが、
もう中にはいないから大丈夫!
出遅れた残りの数匹が出てきただけだ!
と、しょうさん。
再びスプレーして、
肉眼で確認できる限りの確認(笑)
幼虫も、もういないから大丈夫!(前向き)
新しい巣に引越してるから、大丈夫!(前向き)
そしてミキさんに、
サッカーボールを包んでいるネット袋みたいに蜂の巣を包むようなアミアミの袋を作ってくれとお願いした。
袋が出来上がるまでの約一週間。
その間、蜂の巣から蜂が出てくることはなかった。
だから蜂はもういないから大丈夫!
ミキさんお手製のアミアミ袋で蜂の巣を包み込み、玄関の天井にある梁に、くくりつけた。
蜂の巣を飾り始めてから30年。
蜂は出てきていない。
子孫繁栄??
今、しょうさんには孫が三人いる。