大切な人に思いを伝えるためのエンディングノートの活用
あなたは自分に万が一のことがあったときのことを考えたことがありますか?
「人生100年時代」「終活」などという言葉をよく耳にするようになり、自分の今後の人生について考える機会も増えているかもしれません。
今回は終活の一つとして作成されることも多い、エンディングノートについてご紹介します。
エンディングノートって何?
エンディングノートとは、もし自分自身に万が一のことがあったときのために自分の財産のこと、
葬式やお墓の希望、家族や友人への感謝やメッセージなど自分の思いを書き留めておくものです。
遺言と何が違うの?
エンディングノートと同じように相続や自分の財産のことを記す書類として遺言書がありますが、遺言書とエンディングノートでは作成の要件が異なります。
遺言書は法的な書類であるため、民法によって作成要件が決まっています。
そのため、財産をどのように分けるかなど書かれた内容は亡くなったときに効力が発生します。
一方、エンディングノートは作成の要件が決められておらず、自由に思いを書き留めることができます。つまり遺言書の様に法的な効力はありません。
この「自由に思いを書き留められる」という点がエンディングノートの大きなメリットです。
エンディングノートには何を書いたらいいの?
前述の通り、エンディングノートに書くことは自由です。
書かなければいけないこと、書いてはいけないことなど決まりはありません。
しかし何を書いたらいいか分からないと書き始めるのも難しいと思います。
そんな方のために、いくつか例をご紹介いたします。
1. 連絡してほしい方の連絡先、連絡の方法
万が一のときに連絡してほしい方(友人や仕事でお世話になっている方など)がいる場合、連絡先や連絡の方法(電話、メール、ライン等のSNSなど)を書いておくことでご家族の方も安心して連絡することができます。
2. 病気や介護が必要になったときの希望
病気や介護状態になると自分の意思を伝えることが困難になります。「延命治療を希望するのか」「最期をどこで迎えたいのか」など希望を書いておくとご自身や家族だけでなく、病院や介護施設の方々も安心です。
3. 葬儀やお墓の希望
万が一のことがあってからでは、自分の思いを伝えることはできません。
葬儀の形式や規模、お墓に対する希望や現在所有しているお墓の情報など書いておくと家族が迷わずに安心することができます。
若い方もエンディングノートの準備を!
ここまでご覧いただいて、若い方の中には「終活やエンディングノートはまだまだ先のこと」と思う方もいるかもしれません。
しかし、若い方も今のうちからエンディングノートを準備しておくことは大切だと思います。
若い方はスマホやパソコンを使って様々な情報を管理しています。
スマホやパソコンのログイン情報
SNSアカウントのID・パスワード
ネット銀行、証券などのオンライン口座の情報
電子マネーの情報
写真・動画のクラウドデータの情報
音楽・動画などの有料サービスの情報 など
万が一のことがあったときに、家族がその後、安心して情報の確認・管理ができるよう、エンディングノートを使って書き留めておくことをおすすめします。
エンディングノートは一度書いて終わりではなく、書きたいことが増えたり、思いが変わったりしたら書き変えることができます。
自分の情報、思いを家族や友人へしっかりと伝えるためにエンディングノートを作ってみてはいかがでしょうか。
執筆担当者
医療・福祉事業部 竹内 誠人